海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第13話に登場する、同じ大学の中でチームを組んで競うクイズ大会「physics bowl」を仕切る司会進行のスタイルです。レナードたちのチームPMSと、シェルドンが結成した新チームAAが対戦する本番の試合を、司会のギャブルハウザーが淡々とさばいていきます。
同じ大学の中で組まれたチームどうしが本気で張り合う、この独特なリズムを見ていきます。
「Physics Bowl」という、大学内でチームを組んで競うクイズ文化
試合開始、司会のギャブルハウザーは両チームを紹介してから試合を仕切り始めます。
Gablehouser: Good afternoon everyone, and welcome to this year’s physics bowl. Today’s preliminary match features two great teams… AA versus PMS.
(皆さん、こんにちは。今年のフィジックス・ボウルへようこそ。本日の予選には、素晴らしい2チームが登場します……AA対PMSです。)TBBT Season1 Episode13 (The Bat Jar Conjecture)
劇中では、physics bowl は同じ大学の中でチームを組んで物理学の知識を競うクイズ大会として描かれています。チームで参加し、司会が進行役を務めるこの形式は、アメリカの学校でしばしば行われる quiz bowl(クイズボウル)という学術系クイズ大会の文化に連なるもので、実施の形式や規模は大学や時代によって幅があります。劇中ではAA(Army Ants)とPMS(Perpetual Motion Squad)という2チームの略称が、試合を通して繰り返し使われます。
配点を先に告げてから出題する、進行のフォーマット
最初の問題で、ギャブルハウザーはまず配点を告げてから出題します。
Gablehouser: Okay, well let’s jump right in, first question, for ten points. What is the isospan singlet partner of the Pi Zero Meson? PMS?
(それでは早速始めましょう。最初の問題、10点です。パイ・ゼロ中間子のアイソスピン一重項パートナーは何でしょうか? PMS?)TBBT Season1 Episode13 (The Bat Jar Conjecture)
for ten points のように配点を先に告げてから問題文を読み上げる進行は、参加者が問題の重みを把握したうえで聞けるようにする、クイズ大会特有の出題スタイルです。試合が最終問題にさしかかり、両チームが解答に苦戦するなか、ギャブルハウザーは残り時間をこう告げます。
Gablehouser: Ten seconds. PMS.
(残り10秒です。PMS。)TBBT Season1 Episode13 (The Bat Jar Conjecture)
配点の宣言と秒読みのカウントダウン、どちらも進行役が場の緊張感をコントロールするための言葉です。
最終問題の緊迫感と、勝敗を告げる「間」の取り方
その最終問題は、直前の場面でこう切り出されていました。
Gablehouser: Correct. Ladies and gentlemen, I hold in my hand the final question. The score now stands AA 1150, PMS 1175. So, for one hundred points, and the match, please turn your attention to the formula on the screens. Solve the equation.
(正解です。皆さん、私の手には最終問題があります。現在のスコアはAAが1150点、PMSが1175点。100点、そして勝敗を分けるこの問題です。スクリーンの数式にご注目ください。方程式を解いてください。)TBBT Season1 Episode13 (The Bat Jar Conjecture)
スコアを読み上げてから出題する進め方は、試合の状況を観客に意識させます。勝者が決まった瞬間、ギャブルハウザーはこう告げます。
Gablehouser: Alright, the winner of the match is…
(それでは、この試合の勝者は……)TBBT Season1 Episode13 (The Bat Jar Conjecture)
the winner of the match is… と言葉を途中で止め、間を置いてから結果を明かすのは、勝敗発表でよく使われる演出です。少しの間のあと、改めて結果を伝えます。
Gablehouser: The winner is PMS!
(勝者はPMSです!)TBBT Season1 Episode13 (The Bat Jar Conjecture)
一度言葉を止めてから結果を明かすこの「間」の取り方に、大会らしい演出が表れています。
まとめ|配点・秒読み・間――進行役がつくる大会の緊張感
for ten points、Ten seconds、the winner is…。physics bowlの司会進行には、配点を先に告げる出題スタイル、秒読みで時間を意識させるカウントダウン、そして勝敗発表の前に間を置く演出と、いくつもの型が積み重なっています。アメリカの学生文化に根づく、クイズ大会という競技のかたちが見えてくる回です。
次回も『ビッグバン★セオリー』の世界を通して、アメリカの文化に目を向けていきましょう。
物理クイズ大会をめぐる英語表現は、他のコラムやフレーズ記事でも取り上げています。
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