シュレディンガーの猫で伝える、「やってみないと分からない」の英語|『ビッグバン★セオリー』S01E17で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: シュレディンガーの猫で伝える、「やってみないと分からない」の英語|『ビッグバン★セオリー』S01E17で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、ビッグバン★セオリー シーズン1 第17話「The Tangerine Factor」に登場する、シュレディンガーの猫のたとえ話です。ペニーがレナードとの関係に迷う場面で持ち出されたこの思考実験が、物語の終盤で意外な形で回収されます。

「やってみないと分からない」という感覚を、科学のたとえ話でどう表すのか、その言い回しから見ていきます。

目次

「生きてもいるし死んでもいる」を表す言い方

ペニーの部屋のソファで、レナードとの関係をどう考えればいいのか尋ねられたシェルドンが、遠回りしながら持ち出すのがシュレディンガーの猫の思考実験です。1935年に提唱された有名な実験を、シェルドンは説明し始めます。

Sheldon: In 1935, Erwin Schrodinger, in an attempt to explain the Copenhagen interpretation of quantum physics, he proposed an experiment where a cat is placed in a box with a sealed vial of poison that will break open at a random time. Now, since no one knows when or if the poison has been released, until the box is opened, the cat can be thought of as both alive and dead.
(1935年、エルヴィン・シュレディンガーは、量子力学のコペンハーゲン解釈を説明しようとして、ある実験を提案した。箱の中に猫と、ランダムなタイミングで割れる毒薬の入った密閉ガラス瓶を入れておくというものだ。毒がいつ放出されたか、あるいはされていないかは誰にも分からないため、箱を開けるまで、猫は生きているとも死んでいるとも考えることができる。)

TBBT Season1 Episode17 (The Tangerine Factor)

can be thought of as A and B は「AともBとも考えられる」という言い方で、白黒つけられない状態をそのまま言葉にできる表現です。答えが出ていない状況を無理に決めつけず、両方の可能性が並んで存在していると説明したいときに使えます。

説明を続けたシェルドンは、この思考実験をそのままペニーの状況に当てはめます。

Sheldon: Just like Schrodinger’s Cat, your potential relationship with Leonard right now can be thought of as both good and bad. It is only by opening the box that you’ll find out which it is.
(シュレディンガーの猫と同じだ。今のところ、君とレナードの関係がうまくいくかどうかは、良いとも悪いとも考えられる。箱を開けてみて初めて、どちらなのかが分かるのだ。)

TBBT Season1 Episode17 (The Tangerine Factor)

It is only by -ing that ~ は「〜して初めて…だと分かる」という構文で、実際にやってみるまで結果が分からないことを伝えるときに使われます。遠回りな量子力学の説明を通して、ペニーへの答えは結局「やってみないと分からない」という一点に集約されていきます。

同じたとえ話が、迷いを後押しする合言葉になる

場面はカフェテリアに移り、今度は弱気になったレナードに対して、シェルドンが同じシュレディンガーの猫を持ち出します。そして物語の最後、スーツ姿でペニーの部屋を訪れたレナードは、話を切り出す前にこう尋ねます。

Leonard: Oh. Okay. But before you say anything, have you ever heard of Schrodinger’s Cat?
(ああ。分かった。でも君が話す前に聞きたいんだけど、シュレディンガーの猫って聞いたことある?)

Penny: Actually, I’ve heard far too much about Schrodinger’s Cat.
(実はね、シュレディンガーの猫についてはもう聞き飽きるくらい聞いたわよ。)

TBBT Season1 Episode17 (The Tangerine Factor)

シェルドンの科学談義が、ペニーとレナードの間でいつの間にか共有の合言葉になっていたことが伝わってきます。キスを交わした直後、ペニーは猫が生きている方だと結論づけ、夕食に向かうようレナードを促します。同じたとえ話が、迷いを終わらせる合図として機能している場面です。

まとめ|たとえ話は、迷いに区切りをつけるための道具

can be thought of as both A and B、It is only by -ing that ~。シュレディンガーの猫という科学のたとえ話に乗せて語られるこれらの言い方は、答えの出ない状況を無理に決めつけず、それでも前に進むための言葉の使い方を教えてくれます。

次回も『ビッグバン★セオリー』のキャラクターたちと一緒に、英語表現を追いかけていきましょう。

このエピソードで交わされる会話は、フレーズ記事やエピソードまとめでもあわせて紹介しています。

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