『ビッグバン★セオリー』S02E13「The Friendship Algorithm」は、友達作りを体系立てて理詰めで進めようとするシェルドンが、質問票やアルゴリズムという独自の手法に頼り始める回です。何かとシェルドンに突っかかってくるクリプキとの因縁と、初対面の子どもにいきなり友達申請するような突飛な行動が、シェルドンらしい実験精神とともに描かれます。
この回でとりわけ押さえておきたいのは、「take an interest in」のようにレナードが本気でアドバイスする表現と、「off to a terrific start」のようにシェルドンが皮肉にもならない皮肉として使ってしまう表現の落差です。クリプキから面と向かって友達になる気はないと断られた直後にこの台詞が出てくるため、字面どおりに受け取ると場面の空気を読み違えます。
以下では話の結末には触れずに、あらすじを紹介したあと台本のセリフをもとに10個の表現を取り上げます。友達作りを「アルゴリズム」として扱おうとするシェルドンの言葉と、周囲の反応の温度差を意識しながら読むと、この回特有のずれが見えてきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ビッグバン★セオリー』シーズン2第13話「The Friendship Algorithm」では、友達作りを体系化しようとするシェルドンが、200問を超える質問票を仲間に配り、独自のアルゴリズムを組み立てます。標的として選んだのは、日頃から張り合っているクリプキです。並行して、公園で見知らぬ子どもに声をかけたり、留守電に堅苦しい伝言を残したりと、シェルドンならではの実践も繰り広げられます。友情を数式で扱おうとするシェルドンの試みと、それを見守る仲間たちのあきれ顔が対比的に描かれる回です。結末には触れずに、相手に関心を向ける言い回しや、最後まで話を聞く姿勢を表す表現を追っていきます。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. take an interest in
意味:興味を持つ。
Leonard: Take an interest in their lives.
(彼らの生活に興味を持つんだよ。)
友達の作り方をシェルドンに真剣に説くレナードの一言です。カフェや美術館に行き、人と話し、相手の生活に関心を向けるという、ごく普通の助言をアルゴリズムに頼らず伝えようとしています。
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2. pick up on
意味:気づく。
Leonard: Aw, you picked up on that huh?
(ああ、それに気づいちゃった?)
質問票の選択式回答を「ABBAC」の規則的なパターンで埋めていたことを、シェルドンに見抜かれたレナードが観念する一言です。友情を測ろうとする質問票そのものを軽く見ていた態度が透けて見えます。
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3. hear someone out
意味:人の話を最後まで聞く。
Howard: Hear him out.
(彼の話を最後まで聞いてやれよ。)
「友達作りにアルゴリズムなんてない」と切り捨てるレナードに対し、ハワードがひとまず最後まで聞こうと割って入る一言です。本気で信じているというより、うまくいけば商売になるという打算がのぞきます。
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4. hit it off
意味:意気投合する。
Sheldon: We were really hitting it off.
(僕たちは本当に意気投合していたんだ。)
公園で見知らぬ少女に「新しい友達」だと名乗ったシェルドンを、レナードが慌てて引き離す場面での一言です。周囲の反応をまったく気にせず、自分の中では順調だったと言い張るところにシェルドンらしさが出ています。
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5. give someone credit
意味:〜を評価する。
Howard: You gotta give him credit for sticking with it.
(最後までやり通したことは評価してあげなきゃ。)
クリプキとの計画がことごとく空回りしているのを見て、ハワードが呆れ半分でこぼす一言です。うまくいっていないことは承知のうえで、それでも投げ出さない粘り強さだけは認めてやろうという言い方になっています。
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6. off to a terrific start
意味:幸先のよいスタートを切る。
Sheldon: Well I think we’re off to a terrific start.
(幸先のいいスタートが切れていると思うよ。)
「君の友達になる気はない」とクリプキに面と向かって断られた直後、シェルドンが大真面目に返す一言です。噛み合っていない会話をあえて前向きに解釈してみせるところに、この回らしいずれたユーモアがあります。
7. let him finish
意味:彼に最後まで話させる。
Leonard: Alright this is cruel, we better let him finish before his head explodes.
(さすがにこれは酷だ、頭が爆発する前に彼に最後まで話させてあげよう。)
ひげのスタイル談義に脱線したハワードたちに対し、タピオカ談義を続けたいシェルドンが割り込みを繰り返すのを見て、レナードが半ば冗談で仲裁する一言です。「〜させてやろう」という使役の形が、面倒なシェルドンにあえて付き合う空気をよく表しています。
8. follow up on
意味:〜について経過を確認する。
Sheldon: I’m following up on our pending friendship, and I look forward to hearing from you regarding its status.
(保留中の友情について経過を確認しています。状況についてご連絡いただけるのをお待ちしております。)
クリプキ宛ての留守電に残す伝言の締めくくりで、シェルドンが使うビジネス文書さながらの一言です。友情の進捗を「保留中の案件」のように扱う堅苦しさが、この回のシェルドンの奇妙な律儀さを象徴しています。
9. make friends
意味:友達を作る。
Leonard: If you want to learn how to make friends, then just go out to a coffee shop or a museum.
(友達の作り方を知りたいなら、カフェや美術館にでも行けばいいんだよ。)
1の台詞と同じ、レナードがシェルドンに友達の作り方を説くくだりの一部です。理論やアルゴリズムに頼ろうとするシェルドンに対し、レナードはあくまで普段の行動から始めるようにと促しています。
10. on the face of it
意味:一見したところでは。
Sheldon: That’s insane on the face of it.
(それは一見して馬鹿げているね。)
カフェや美術館へ行けばいいというレナードの単純な助言を、シェルドンが一蹴する一言です。実践的なアドバイスをあえて突飛な提案であるかのように扱うところに、シェルドンの独特な価値基準が表れています。
このエピソードの英語学習ポイント
この回の英語表現は、友達作りを大まじめに体系化しようとするシェルドンと、それを見守る仲間たちの反応の落差から成り立っています。クリプキに面と向かって断られた直後に「off to a terrific start」と言ってのける場面のように、台詞の字面だけを追うと意味を取り違えるので、直前のやり取りとセットで聞くことが欠かせません。
シェルドンのセリフには、友情や人間関係をビジネス文書のように扱う癖が表れます。留守電で使う「follow up on」や、少女に自己紹介したあとの「hit it off」は、どちらも本来くだけた場面で使うにはやや堅すぎる言葉選びで、そのずれ自体がこの回の笑いどころになっています。
音読するときは、タピオカ談義のような専門的な語り口を無理に再現する必要はありません。「take an interest in」から「make friends」までのレナードの助言は諭すような口調のまま続けて読み、シェルドンが「on the face of it」で切り返す間を意識すると、この回特有のかけあいが体感できます。「give someone credit」でハワードが皮肉半分に評価する場面や、「hear someone out」でひとまず話を聞こうとする場面も、仲間内の呼吸をつかむ手がかりになります。
キャラクター別|英語の特徴
シェルドン|状況を言葉で組み立てる話し方
シェルドンは、「First off, that is axiomatically wrong, because the best pudding is chocolate.」と、プリンの好みという主観的な話題にまで公理を持ち出して反論します。雑談さえも正誤の問題として扱う姿勢が、この回の友達作りへのアプローチにもそのまま表れています。
この回のシェルドンは、質問票やアルゴリズムを駆使して友達候補を選び出し、留守電でも「follow up on」と業務連絡のような言葉を使います。クリプキの食べていたチェフズサラダについてまで長々と講釈を垂れる伝言のように、感情の機微を数式や書式に置き換えようとする話し方が、終始一貫しています。
レナード|相手との距離を測る話し方
レナードは、ハワードのひげを生やす計画に「Ah, no kidding! A Fu Man Chu? A handlebar pencil?」と驚きながら食いつきます。シェルドンのタピオカ談義とは対照的に、突然出てきた雑談にも即座に具体的な選択肢を挙げて乗っかる、軽いノリのよさが表れています。
この回のレナードは、シェルドンの友達作りにも根気強く付き合い、「take an interest in their lives」と実践的な助言を重ねます。突飛な提案を「on the face of it」とにべもなく返されても、車で本屋まで付き合ってやるなど、辛抱強く関わり続ける姿勢が一貫しています。
クリプキ|場面を動かす話し方
クリプキは、「Heard about your watest pwoton decay expewiment, twenty thousand data wuns and no statistically significant wesults.」と、失敗続きだったシェルドンの実験を皮肉たっぷりにあてこすります。最後に付け加える「Vewy impwessive!」という一言まで含めて、rの音がwに置き換わる独特の発音のまま、遠慮のない当てこすりを続けるのがクリプキらしいところです。
この回のクリプキは、シェルドンから友達になろうと持ちかけられても「I have no intewest in becoming your fwiend.」ときっぱり拒みます。マシンの利用時間について尋ねられても「公式のスケジュールがあるだけで自分には権限がない」とそっけなく答えるなど、挑発にも勧誘にも態度を変えない素っ気なさが、シェルドンとの噛み合わなさをいっそう際立たせています。
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