『ビッグバン★セオリー』S02E12「The Killer Robot Instability」は、友人たちがロボット格闘技大会に向けて自作ロボット「MONTE」を組み立てる一方、ハワードがペニーの何気ない一言を引きずって部屋にこもってしまう回です。ロボット制作の高揚感と、ハワードの意外にもろい一面が交互に描かれます。ライバルはw音とr音がうまく発音できないクリプキで、その特徴的な話し方の映像にレナードたちがおびえる場面から対決の空気が高まっていきます。
この回で押さえておきたいのは、ハワードが平静を装いながら本音をこぼす場面と、ロボット製作にのめり込むシェルドンをペニーがたしなめる場面の違いです。「get over oneself」や「try too hard」は自分に言い聞かせる強がりの言葉、「call spoiler alert」はラージがシェルドンの無神経なネタバレに毎回振り回される場面から出てくる表現で、同じ「行き過ぎを指摘する」場面でも向いている相手が違います。
以下ではこの回の結末には触れずにあらすじを紹介したあと、台本のセリフをもとに10個の表現を取り上げます。強がりの裏にある本音や、ロボットへの入れ込みぶりを意識しながら読むと、この回特有の温度差が見えてきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ビッグバン★セオリー』シーズン2第12話「The Killer Robot Instability」では、仲間たちがロボット格闘技大会に向けて手作りの殺人ロボット「MONTE」を完成させます。並行して、ペニーの発言に傷ついたハワードが平静を装いながら本音を隠しきれずにいる様子が描かれます。大会が近づくにつれ、シェルドンの強気な姿勢がチームの判断を難しくしていきます。結末には触れずに、強がりや行き過ぎを指摘する言い回しと、ロボット制作にまつわる表現を追っていきます。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. get over oneself
意味:自意識過剰をやめる。
Howard: I mean, get over yourself.
(つまり、自意識過剰はやめなよってこと。)
ペニーから謝られたハワードが「自分は傷つくタイプじゃない」と虚勢を張りながら返す一言です。この直後、ペニーが部屋を出た途端に泣き声が聞こえてくる場面につながっており、強がりの薄さが際立ちます。
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2. try too hard
意味:頑張りすぎる。
Penny: Howard, do you think maybe sometimes you try too hard?
(ハワード、時々頑張りすぎだと思わない?)
からかわれ続けた学生時代の武勇伝を語るハワードに対し、ペニーが遠回しに指摘する一言です。この後ハワードが「頑張りすぎなければ勝ち目がない」と開き直る返しをするところまで含めて、彼の自己防衛の癖が見えてきます。
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3. call it off
意味:中止する。
Leonard: Sheldon, we have to call it off.
(シェルドン、これは中止しないと。)
クリプキのロボットの映像を見て怖じ気づいたレナードが、シェルドンに撤退を持ちかける一言です。シェルドンが「選択肢はない」と即座に拒む返しと合わせて聞くと、二人の温度差が伝わります。
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4. make up for
意味:埋め合わせる。
Leonard: Well, so much for making up for the emotional wounds of childhood.
(まあ、子供時代の心の傷を埋め合わせるどころじゃなかったね。)
MONTEが無残に壊された直後、レナードが皮肉交じりにこぼす一言です。ロボット作りに込めていたはずの「子供時代の心の傷の埋め合わせ」が、あっけなく失敗に終わったことへの脱力がにじんでいます。
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5. get carried away
意味:調子に乗る。
Penny: Sheldon, honey, aren’t you getting a little carried away?
(シェルドン、ちょっと調子に乗りすぎてない?)
壊れたMONTEのために葬儀まで計画し始めたシェルドンに、ペニーがあきれ気味に釘を刺す一言です。「たかがおもちゃのロボット」という言葉に、シェルドンが気色ばんで言い返す場面へとつながります。
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6. call spoiler alert
意味:ネタバレ注意と言う。
Raj: Man, call spoiler alert before you say things like that.
(おい、そういうことを言う前にネタバレ注意って言ってくれよ。)
マジック8ボールの中身を推理したかったラージの前で、シェルドンが即座に答えを明かしてしまった直後の一言です。ラージのがっかりした調子から、シェルドンの無神経さがいつものことだと分かります。
7. run away from a fight
意味:戦いから逃げる。
Sheldon: We can’t run away from a fight.
(僕らは戦いから逃げるわけにはいかない。)
撤退を提案したレナードに対し、シェルドンがきっぱりと拒む一言です。すでに挑戦を受けてしまった以上引けないという、シェルドンなりの意地が表れています。
8. talk to anybody
意味:誰かと話す。
Howard: I don’t want to talk to anybody.
(誰とも話したくない。)
母親から電話を取るよう急かされたハワードが、ドア越しに突き放す一言です。学校に行っていないと繰り返し指摘されるやり取りの中で放たれる否定文なので、「誰とも話したくない」という意味になります。
9. a big deal
意味:大したこと。
Howard: It’s a big deal.
(これは大したことなんだ。)
ロボット格闘技大会の招待について何も知らないペニーに、ハワードが力説する一言です。表彰式やダンスパーティーまであると畳みかけることで、この大会が仲間内でどれほど特別な出来事かが伝わります。
10. have a chance
意味:勝ち目がある。
Raj: But, Sheldon, we don’t have a chance.
(でもシェルドン、僕らに勝ち目なんてないよ。)
クリプキへの雪辱に燃えるシェルドンに対し、ラージが冷静に現実を突きつける一言です。改良点がリモコンの電池交換だけだったという指摘が、シェルドンの意気込みとの落差を際立たせています。
このエピソードの英語学習ポイント
この回の英語表現は、ハワードが虚勢を張る場面と、シェルドンがロボットにのめり込む場面という、二つの「行き過ぎ」を軸にしています。ペニーが部屋を出た途端に泣き声が聞こえてくるように、強い言葉の直後に本音が漏れる場面があるので、セリフの直後まで注意を向けると人物の本心が見えてきます。マジック8ボールの中身をラージが当てようとするたびにシェルドンが先回りして答えを明かしてしまう冒頭のやり取りも、軽いテンポの会話として押さえておくと、後半の対決の緊迫感との対比が際立ちます。
ハワードのセリフには、傷ついた自分を隠すための軽口が多く含まれます。「get over yourself」と自分に言い聞かせるような強がりから、母親の電話を拒む「talk to anybody」の否定文まで、家族や友人との距離の取り方に一貫した不器用さが表れています。
音読するときは、ロボット紹介のような専門的な語り口を無理に再現する必要はありません。「call it off」「run away from a fight」のような撤退をめぐるやり取りは、レナードとシェルドンの温度差を意識しながら緩急をつけて読むと、この回特有の掛け合いが体感できます。「a big deal」で盛り上がるハワードの声と、「have a chance」でラージが冷静に水を差す声を対比させて読むのも効果的です。
キャラクター別|英語の特徴
ハワード|状況を言葉で組み立てる話し方
ハワードは、「All right, that’s the last servo. Behold the Mobile Omnidirectional Neutralization and Termination Eradicator. Or…」と、仰々しい正式名称をあえてフルネームで読み上げてから頭文字の愛称に落とし込みます。おおげさな語りで場を盛り上げる、ハワードらしい自己演出の仕方です。
この回のハワードは、ロボットの紹介では饒舌に自分を大きく見せる一方、ペニーとのやり取りでは「get over yourself」と虚勢を張ったすぐあとに本音を隠しきれなくなります。学生時代にからかわれた思い出話を次々と語る場面も、笑い話に見せかけながら実は今も引きずっているという、誇張と傷つきやすさが表裏一体になっている話し方です。
ペニー|相手との距離を測る話し方
ペニーは、階段の踊り場で「No, I think I’m just going to stay in tonight and do laundry.」と、静かな夜を過ごすつもりだと話します。この直後、暴走したMONTEがドアを突き破って現れ、悲鳴を上げて逃げ出すという急展開が待っており、台詞と場面の落差がそのまま笑いになっています。
この回のペニーは、ハワードに謝るときも遠回しな言い方を避けて素直に非を認めており、「try too hard」や「get carried away」で人物をたしなめるときも、相手を追い詰めすぎず率直に指摘する言葉選びが一貫しています。
シェルドン|場面を動かす話し方
シェルドンは、完成したMONTEを前に「Is it wrong to say I love our killer robot?」と、殺傷力の高い兵器のようなロボットへの愛着を素直に口にします。倫理的な問いかけの形を取りながら、実際には自分の思い入れの強さを誇示する言い方になっています。
この回のシェルドンは、クリプキへの対抗心から一歩も引かず「run away from a fight」を拒み、MONTEが壊れたあとは葬儀まで計画します。「僕が話す。レナード、君はチェロを弾いてくれ」と役割まで割り振る徹底ぶりに、勝敗よりも自分の意地を通すことを優先する話し方が表れています。
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このエピソードを掘り下げたコラム記事は、公開でき次第この位置に追加されます。台本のもうひとつの側面を読み解く記事として、今後の更新もあわせてご覧ください。
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