『ビッグバン★セオリー』シーズン6第9話「The Parking Spot Escalation」を、英語学習の視点から整理します。ハワードが新しく手に入れた駐車スペースを巡ってシェルドンと対立し、仕返しの応酬がエスカレートしていく一方、エイミーとバーナデットも思わぬ形で争いに巻き込まれていきます。ちょっとした不満が大きな衝突に発展していく過程が会話にも表れる回なので、対立の温度が上がっていく様子に注目しながら表現を見ていきます。
あらすじ(ネタバレなし)
国際宇宙ステーションへの搭乗歴を評価されたハワードが、大学からシェルドンの専用駐車スペースを譲り受けたことで、二人の間に小さな対立が生まれます。シェルドンは自宅にまで押しかけて大学の学長に直談判しますが取り合ってもらえず、代わりにハワードの車を邪魔したり、大切にしているアイアンマンのヘルメットを勝手に持ち去ったりして仕返しに出ます。仕返しの応酬は次第にエスカレートし、周囲の人間関係まで巻き込んでいきます。エイミーとバーナデットも、駐車をめぐるいざこざがきっかけで思わぬ言い合いに発展し、間に入ろうとしたペニーまで巻き添えを食ってしまいます。小さな不満がどのように大きな対立へと膨らんでいくのか、そして最後にどう収まっていくのかが見どころの回です。ネタバレを避けつつ、対立や仲直りをめぐる会話でよく出てくる言い回しを取り上げます。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. a slippery slope
意味:一度始めると歯止めがきかなくなる危険な流れ。
Sheldon: No, no, this is a slippery slope, Leonard.
(訳:いや、これは危険な流れだよ、レナード。)
駐車スペースのことは放っておけとレナードに諭されたシェルドンが、飲酒運転を許せば子どもに車の運転をさせることまで許すようになるという、いかにも突飛な父親の教えを引き合いに出し、ひとつの譲歩が際限のない悪化につながると力説する場面です。小さな許容が次々と悪い方向に広がっていく様子を表す表現です。
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2. bury the hatchet
意味:和解する/矛を収める/いがみ合いをやめる。
Howard: I’d like to propose a toast, to burying the hatchet.
(訳:乾杯しよう。仲直りに。)
取り上げていたアイアンマンのヘルメットをシェルドンが返し、ハワードが「お前の方が大人だな」と持ち上げたあと、チーズケーキ・ファクトリーで乾杯を持ちかける場面です。争いをやめて仲直りしようという気持ちを表す表現です。
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3. get out of hand
意味:手に負えなくなる/収拾がつかなくなる。
Bernadette: Amy, you think maybe this has gotten a little out of hand?
(訳:エイミー、これってちょっとやりすぎたと思わない?)
自分の車をレッカー移動させたのがバーナデットだったと知ったエイミーが、腹いせに振り回したハンドバッグがペニーの顔に当たってしまったあと、バーナデットが事の深刻さに気づいて発する場面です。物事が収拾のつかない状態になったことを表す表現です。
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4. lock horns
意味:角突き合わせる/激しく対立する。
Amy: At some point, they’re bound to lock horns.
(訳:いつかは角を突き合わせる運命だったのよ。)
前夜も、シェルドンがロボットのようなマスクをかぶって延々と駐車スペースの言い合いを聞かされ続けたことをバーナデットに愚痴られたエイミーが、シェルドンとハワードについて「気性の荒い男同士だから仕方ない」と皮肉交じりに評する場面です。互いに激しく対立する様子を表す表現です。
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5. play dumb
意味:とぼける/しらを切る/知らないふりをする。
Amy: Don’t play dumb with me, sister.
(訳:とぼけないでよ、あなた。)
自分の車がシェルドンの駐車スペースからレッカー移動され、200ドルもの費用を払わされたと訴えるエイミーに対し、バーナデットが白々しく「シェルドンには駐車スペースなんてないでしょ、もしかしてハワードの場所だったんじゃない」ととぼけたのを見て、エイミーが鋭く切り返す場面です。知っているくせに知らないふりをする相手に対して使われる表現です。
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6. as long as
意味:〜する限り。
Howard: For as long as I can keep my mother out of it.
(訳:母さんを車に近づけない限りはね。)
新車を手に入れたことをレナードとラージに報告し、「新車の匂い」はいつまで持つのかとラージに尋ねられたハワードが、母親を車に近づけない限りその匂いを保てるだろうと冗談めかして答える場面です。ある条件が続く間はという意味で使われています。
7. what’s going on
意味:何が起きているの?
Howard: Hey, fellas, what’s going on?
(訳:おい、お前ら、何の話をしてるんだ?)
レナードとラージが「ミイラとゾンビは同じ存在かどうか」で本気で言い争っているところに、ハワードが割って入って尋ねる場面です。状況がのみ込めないときに使う、くだけた聞き方です。
8. turn into
意味:〜に変わる。
Sheldon: If a zombie bites you, you turn into a zombie.
(訳:ゾンビに噛まれたら、ゾンビになる。)
ミイラとゾンビは同じかどうかというラージとレナードの言い争いに、シェルドンが「ゾンビに噛まれればゾンビになるが、ミイラに噛まれてもミイラにはならない」と理屈っぽく仲裁に入る場面です。ある状態から別の状態に変化する様子を表す表現です。
9. feel like
意味:〜したい気がする、〜のように感じる。
Amy: I feel like I’m five pounds lighter.
(訳:体重が5ポンド軽くなった気がする。)
初めてのブラジリアンワックスを終え、施術に時間がかかったことを心配するペニーに、エイミーが施術後の感想を伝える場面です。断定ではなく、そう感じるという主観的な印象を表すときに使われる言い方です。
10. make sense
意味:筋が通る、意味をなす。
Bernadette: That doesn’t make sense.
(訳:それはおかしいわね。)
ハワードの姿が見当たらないことを気にするエイミーに、事情を尋ねられたバーナデットが、車が「シェルドンの駐車スペース」でレッカー移動されたと聞いて、シェルドンには駐車スペースなどないはずだと矛盾を指摘する場面です。話のつじつまが合わないときに使う表現です。
このエピソードの英語学習ポイント
この回の英語表現は、対立がエスカレートしていく場面と、それを収めようとする場面という、正反対の2つの流れから生まれています。「a slippery slope」や「lock horns」は、駐車スペースという些細なきっかけが際限のない対立に発展していく様子を表す表現で、シェルドンとハワードの意地の張り合いにぴったり重なります。ヘルメットや博士号の学位記といった持ち物の奪い合いにまで発展していく流れは、まさに「一度始めると止まらない」を絵に描いたような展開です。
一方、「bury the hatchet」や「get out of hand」のように、行き過ぎた状態に気づいて仲直りへ向かう表現も後半に集中しています。バーナデットの「that doesn’t make sense」やエイミーの「don’t play dumb」のように、女性陣の会話にも、男性陣とは違う角度から対立を眺める視点が表れています。誰が何をしたのかを一つずつ確認していく落ち着いた言い方が、男性陣の感情的な言い合いとは対照的です。感情をぶつけ合うのではなく、事実関係を整理してから相手を問い詰める進め方も、女性陣ならではの会話の運び方といえます。
シェルドンとハワードが意地を張り合う言い方と、バーナデットとエイミーが状況を冷静に見つめ直す言い方を比べてみると、同じ「対立」というテーマでも、当事者と傍観者とでは使う英語がまったく違うことがよく分かる回です。男性陣は駐車スペースという些細な出来事を延々と引きずり、女性陣はそれに巻き込まれながらも意外と早く仲直りへ向かう対比も見どころです。巻き添えを食ったペニーの視点から眺めると、この対立全体がいかにばかばかしいものかがよく伝わってきます。
キャラクター別|英語の特徴
シェルドン|この回での話し方
Sheldon: I always listen to myself.
(訳:僕はいつも自分の話を聞いているよ。)
駐車スペースについて自分は間違っていないのかとハワードに問われても、まったく動じずに自画自賛するシェルドンらしい場面です。相手の指摘を受け流し、自分の考えを疑わない態度が短い言い切りに表れています。
ハワード|この回での話し方
Howard: Give it back.
(訳:返せよ。)
ラージから「シェルドンがヘルメットを持ち去るのを見た」と聞いたハワードが、シェルドンの部屋に乗り込み、500ドルの限定コレクターズアイテムだと訴えながらその場で取り返そうとする場面です。回りくどい言い方をせず、要求をそのまま短く伝える言い方です。
エイミー|この回での話し方
Amy: In some weird way, I kind of feel like it brought us closer.
(訳:不思議なことに、これでかえって私たちの仲が深まった気がする。)
ハンドバッグが顔に当たってペニーに両目の周りにあざができてしまうほどの騒ぎになった一件を含め、駐車スペースをめぐる一連の騒動を振り返って、エイミーが皮肉のような本音のような感想をこぼす場面です。ひどい目に遭ったはずなのに、そこに意外な効果を見出そうとする独特の視点が表れています。
バーナデット|この回での話し方
Bernadette: Didn’t see that one coming, did ya?
(訳:まさかって思ったでしょ?)
シェルドンの駐車スペースには元々何もないはずだと矛盾を突かれ、実は自分がエイミーの車をレッカー移動させたのだと明かし、驚くエイミーに向かって悪びれずに言う場面です。相手の反応を面白がるような、くだけた確認の言い方です。
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