「pin ~ on someone」の意味と使い方|『BONES』S12E07で学ぶ英会話

「pin ~ on someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

自分がやっていないことなのに、状況証拠だけを理由に疑われそうになって、思わず「それは僕のせいじゃない」と訴えたくなった経験はありませんか。身に覚えのない疑いをかけられる場面は、日常でもドラマでも緊張感を伴うものです。

そんなときにぴったりのpin ~ on someoneを、『BONES』シーズン12第7話、取調室でマーク・コバッチがブースから尋問を受ける場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「pin ~ on someone」の意味とニュアンス

pin ~ on someone
意味:(罪や責任を)〜のせいにする、〜になすりつける

pin(ピンで留める、固定する)とon someone(誰かの上に)の組み合わせで、責任や罪状を特定の人物に貼り付けて動かせなくするイメージを表す言い回しです。多くの場合、その人物が実際には無実である、あるいは不当に疑われているというニュアンスを伴います。冤罪や濡れ衣を訴えるとき、責任転嫁を非難するとき、犯罪ドラマの尋問シーンなど、疑いをかけられた側の視点で使われることが多い表現です。

似た日本語の「濡れ衣を着せる」がまさにこの言い回しと重なるイメージを持っており、動かせない証拠のように罪状が固定されてしまう感覚が、pinという動詞ひとつに凝縮されています。誰が(who)ではなく誰の上に(on whom)固定するかに焦点が当たるため、非難する側の意図よりも、非難される側が置かれた状況を語るときに選ばれやすい表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は「罪や責任を誰かにピン留めして動かせなくする」イメージ
  • 「不当に」「無実なのに」というニュアンスを伴いやすい言い回し
  • 尋問・非難の場面で、疑いをかけられた側の視点から使われることが多い表現

『BONES』S12E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。FBIのもとへ自ら足を運んできたマーク・コバッチが、ブースから正式な取調べを受ける場面です。録音の同意を取るという手続き的なやり取りから始まり、コバッチが自らの疑いについて訴え始めるところに注目です。

Booth: Okay, you do realize that I’m recording us? You have to say “yes.”
(いいか、これは録音してる。「はい」と言ってくれ。)

Mark(Kovac): Yes.
(はい。)

Booth: Why don’t we start with why you’re here?
(まず、ここに来た理由から聞かせてもらおうか。)

Mark(Kovac): I know this is gonna sound nuts, but I think somebody’s trying to pin these murders on me.
(おかしく聞こえるとは思うけど、誰かがこの殺人を僕になすりつけようとしてるんだ。)

Booth: Wait a second, we only talked about one murder, Margaret Kwan.
(待てよ、俺たちが話したのはマーガレット・クワンの件、一件だけだぞ。)

BONES Season12 Episode7 (The Scare in the Score)

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シーン解説と心理考察

録音の同意を取るという手続き的なやり取りから始まる緊張感の中、コバッチは「誰かが自分に罪をなすりつけようとしている」と主張します。しかしブースは、まだマーガレット・クワンの事件についてしか話していないはずなのに、コバッチが「these murders(複数の殺人)」と口にしたことに即座に反応しています。

この短いやり取りの中に、コバッチの主張の真偽をめぐる緊張感が凝縮されています。「pin ~ on someone」という言い回しを使って自らの無実を訴える一方で、複数形の言い間違いともとれる発言が、捜査側に新たな疑念を抱かせる分かれ目になっている場面です。「僕は無実だ」という訴えの言葉そのものが、皮肉にも次の疑いを呼び込むきっかけになっている点に、この場面の緊張が集約されています。淡々とした事務的なやり取りの奥に、駆け引きの緊張が張り詰めています。

『BONES』流・覚え方のコツ

掲示板に貼られた紙を、ピンで動かないように固定する様子を思い浮かべてみましょう。pin(ピン留めする)という動詞が、「その人物に罪状を貼り付けて、そこから逃れられなくする」という比喩として使われています。劇中でコバッチが「誰かが自分にこれを着せようとしている」と訴える場面のように、多くの場合「不当に」「無実なのに」というニュアンスが伴う点を意識しておくと、単なる「非難する」との違いが記憶に残りやすくなります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「pin ~ on someone」

職場の誤解から犯罪報道まで、責任の所在をめぐる場面で幅広く使える表現です。3つの例文で使い方の幅を見ていきましょう。

Someone’s trying to pin the mistake on me, but I wasn’t even there.
(誰かがそのミスを僕のせいにしようとしてるけど、僕はその場にすらいなかったんだ。)
劇中と同じ「濡れ衣を着せられる」構図をそのまま使える、身近な場面での一例です。自分の潔白を裏付ける事実とセットで語られることが多い形です。

The police tried to pin the crime on him, but the evidence didn’t add up.
(警察は彼にその罪をなすりつけようとしたが、証拠のつじつまが合わなかった。)
冤罪・誤認逮捕についての報道でも見られる、劇中の文脈に最も近いフォーマルな使い方です。証拠の矛盾が疑いを覆す決め手になる展開でよく登場します。

A: They’re saying you caused the delay.
B: I’m not going to let them pin this on me. I have the emails to prove it wasn’t me.
(A:あなたが遅延の原因だって言われてるよ。)
(B:彼らにこれを僕のせいにさせるつもりはない。僕じゃなかった証拠のメールもあるんだ。)
不当な非難への反論として、自分の意思をはっきり示す掛け合いの一例です。

あわせて覚えたい関連表現

blame ~ for
(〜のことで責める。)
pin ~ on someoneが「不当な濡れ衣」のニュアンスを強く伴うのに対し、blame ~ forはより中立的で、正当な非難にも不当な非難にも使える言い方です。日常のちょっとした失敗を指摘する場面でも気軽に使えます。

frame someone
(誰かを罠にはめる、はめられる。)
pin ~ on someoneが結果として罪を着せる状態を表すのに対し、frame someoneは意図的に証拠を捏造するなどして陥れる行為そのものを指す、より積極的な意味合いを持ちます。

take the fall for
(他人の代わりに責任を負う、身代わりになる。)
pin ~ on someoneが「他者から一方的に押し付けられる」視点であるのに対し、take the fall forは責任を負わされる側、あるいは自ら引き受ける側の視点で使われる表現です。

Note|blame・frame・pin on、責任をめぐる英語表現の違い

責任や罪の所在を語る英語表現には、似ているようで視点の異なるいくつかの言い方があります。

blame ~ forは中立的な非難全般に使える一方、pin ~ on someoneやframe someoneには「不当さ」や「意図性」といった追加のニュアンスが加わります。pin ~ on someoneは、結果として罪が固定されてしまった状態そのものを描写する言い方で、罪を着せた側の意図まで断定するわけではありません。一方frame someoneは、証拠を捏造したり状況を作り上げたりする、能動的で計画的な行為そのものを指します。つまり「pin」は結果に注目した表現、「frame」は行為のプロセスに注目した表現という違いがあり、犯罪ドラマの尋問シーンでは、疑いをかけられた側が使うのはpin、罪を着せた側の悪意を強調したいときに使われるのはframe、という使い分けの傾向が見られます。

劇中でコバッチが「pin」を選んで訴えていたことは、彼が「誰の仕業か」までは特定せず、あくまで自分が不当に疑われている状態そのものを訴えていた、という発言の焦点を映しています。

視点の違いを知っておくと、責任をめぐる英語のニュアンスがより立体的に見えてきます。

まとめ|濡れ衣を訴えるコバッチの一言から見える視点の違い

pin ~ on someoneは、罪や責任を特定の人物に貼り付けて動かせなくする様子を表す言い回しで、多くの場合「不当に」というニュアンスを伴います。

身に覚えのないミスを押し付けられそうになったとき、冤罪を報じるニュースを目にしたときなど、疑いをかけられた側の視点に立つ場面でこの一言が役立ちます。

取調室でコバッチが訴えた「誰かが自分に罪をなすりつけようとしている」という一言は、その真偽をめぐる緊張感とともに、責任の所在を語る英語表現の奥行きを映していました。不当な非難に直面したとき、この表現を会話のレパートリーに加えてみてください。

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