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『メンタリスト』シーズン2第1話では、多額の使い込みが発覚した印刷会社のオフィスで、被害者の直属の上司だった男性への聴取が行われます。今回は、自分の落ち度を定型句で軽く受け流し、面倒な説明を要領よく切り上げるときに使われる「mea culpa」と「been there, done that」という言い回しに注目します。
誰が盗んだのかという事件そのものよりも、淡々とした受け答えの中にある話の切り上げ方や間合いの取り方に目を向けながら見ていきます。
mea culpa-自分の落ち度を定型句で認める言い方
聴取に遅れて現れたグレッグ・ハンフリーは、被害者の直属の上司だったかと問われ、言い訳を並べることなく率直にこう答えます。
Mea culpa. I-I should’ve known.
(私の落ち度です。気づいているべきでした。)The Mentalist Season2 Episode1 (Redemption)
mea culpa はラテン語由来の表現で、「私の過ちです、私の責任です」と自分の落ち度を認める際に使われる定型句です。もともとはカトリックの祈祷文に由来する言葉ですが、英語の日常会話にもそのまま取り入れられ、深刻な謝罪というよりも、やや形式ばった、どこか型どおりの響きを持つ言い回しとして使われることがあります。感情を込めて詫びるというより、事務的に非を認めるための決まり文句という位置づけです。このあとグレッグは、家族同然の間柄だったという趣旨のことを短く付け加え、続けてこう締めくくります。
We live, we learn, we move on.
(人は生きて、学んで、前に進むものです。)The Mentalist Season2 Episode1 (Redemption)
we live, we learn, we move on は、失敗や後悔を引きずらず前に進もうとする姿勢を表す定型句です。we live / we learn / we move onと、主語と動詞だけの短い文を三つ畳みかけるように重ねる構成が、深く立ち止まらずに話を先へ進めようとする話し方の特徴をよく表しています。mea culpaで一度きちんと非を認めたうえで、こうした前向きな決まり文句にすぐ切り替えるあたりに、この人物の話の運び方が見えてきます。
been there, done that-説明済みのことを面倒がる言い方
聴取はこのあとも続き、盗難の手口を素人にも分かりやすく説明するよう求められると、グレッグは面倒くさそうにこう応じます。
Uh, been there, done that with the top men from the FBI financial unit. Do we really need to go over it again?
(ええ、それはFBI金融班のお偉方相手にもう散々やりましたよ。また一から説明する必要が本当にあるんですか?)The Mentalist Season2 Episode1 (Redemption)
been there, done that は「それはもう経験済みだ、やったことがある」と、繰り返しにうんざりしている気持ちを伝える口語表現です。been thereとdone thatをセットで使うことで、単に「経験がある」と述べる以上に、「もう十分やった、これ以上は勘弁してほしい」という投げやりなニュアンスが加わります。同じ説明を何度もさせられることへの疲れが、この一言に表れています。go over ~は「~を(改めて)説明する、おさらいする」という意味で、面倒な作業を指して使われることが多い表現です。mea culpaで丁寧に非を認めておきながら、説明の段になると面倒がる態度への切り替わりが、この人物の要領のよさを物語っています。相手が誰であっても同じ温度感で受け答えする様子は、この場面を通じて一貫しています。
まとめ|非を認めつつ、話を切り上げる言い回し
mea culpaとwe live, we learn, we move onは自分の落ち度を定型句で軽く受け流す言い方で、been there, done thatは繰り返しの説明を面倒がる言い方です。丁寧な非の認め方と、そのあとの要領のよい切り上げ方が、この短いやり取りの中に同居しています。決まり文句を重ねながら会話のペースを自分の側に引き寄せていく様子が、この人物らしさとして見えてきます。
聴取という緊張感のある場面だからこそ、こうした要領のよい言い回しが際立って見えてきます。『メンタリスト』の会話から、これからも印象的な言い回しを見ていきます。
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