海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン2第1話は、これまで追いかけていたレッド・ジョン事件の担当を外されたジェーンとリズボンのチームが、新たな殺人事件の捜査に乗り出す回です。今回は、ジェーンが自分の捜査手法を語るときに使う「casting a wide, invisible net」と「a fishing expedition」という言い回しに注目し、罠を張ってじっと待つジェーン流の捜査スタイルの英語を読み解きます。
事件の真相そのものより、ジェーンならではの言葉選びと、その裏にある捜査への向き合い方に目を向けながら見ていきます。
casting a wide, invisible net-広くて見えない網を仕掛ける言い方
正体不明の「マイルズ・ソーセン」という人物についてしつこく尋ね回るジェーンに、リズボンが真意を問いただす場面があります。ジェーンは直接答えず、自分の捜査のやり方をこう説明します。
I am casting a wide, invisible net. The killer won’t even know he’s in it until it’s too late.
(広くて見えない網を仕掛けているんだ。犯人はそれに掛かるまで、自分が網の中にいることにすら気づかない。)The Mentalist Season2 Episode1 (Redemption)
cast a net は「網を仕掛ける」という意味の表現で、ここでは比喩的に「広く情報や手がかりを集める、罠を張る」という捜査のやり方を表しています。castという動詞は釣り糸や網を「投げる、広げる」動作を表す語で、wideを添えることで捜査の網羅範囲の広さが強調されます。invisibleという形容詞が加わることで、相手にまったく気づかれないまま網を広げているというニュアンスがさらに強まります。この直後、リズボンはマイルズ・ソーセンという名前と網の説明を結びつけて問い返し、ジェーンはそれに即答するやり取りへと続いていきます。答えをはぐらかしながらも、実は明確な狙いを持って動いているというジェーンの人物像がよく表れている一言です。誰か一人を名指しで追い詰めるのではなく、広く網を張って相手が自ら引っかかるのを待つという発想そのものが、この後の場面にも繰り返し登場します。
a fishing expedition-当たりが来るまでじっと待つ言い方
マイルズ・ソーセンの家での張り込み中、「事件はもう解決したのでは」と訝るチョウに対し、ジェーンは自分たちがここで何をしているのかを、釣りにたとえて説明します。
This is more of a fishing expedition. You know, maybe we get a bite. Maybe we don’t. That’s the fun of it. We just sit back, relax, dangle our feet in the water.
(これはむしろ、魚釣りのようなものだよ。当たりが来るかもしれないし、来ないかもしれない。それが面白いところさ。ただじっと座って、くつろいで、足を水に浸けているだけでいい。)The Mentalist Season2 Episode1 (Redemption)
a fishing expedition は、明確な確証がないまま広く探りを入れる捜査や調査を指す言い回しで、もともとは法律の文脈で「はっきりした根拠のないまま証拠を探し回る行為」を指す表現として使われてきた経緯があり、報道の文脈でもしばしば見かけます。get a biteは「(魚が)食いつく」が転じて「反応がある、手がかりが得られる」という意味になり、dangle one’s feet in the waterは「足を水に浸けてのんびり構える」様子を表す言い回しです。この場面のあとジェーンは、自分たちが用意した「とびきり美味しい餌」に自信があると付け加えており、ただ漫然と待っているのではなく、仕掛けを信じて待つという姿勢がうかがえます。じっと待つ捜査を退屈がるチョウとの温度差も、この言い回しをより印象づけています。急いで犯人に迫るのではなく、餌を仕込んで相手の動きを待つという構えは、H2-1のwide, invisible netの発想とも通じるものがあります。
まとめ|網を仕掛けて待つ、ジェーン流の言い回し
casting a wide, invisible netは気づかれないまま罠を広げる様子を、a fishing expeditionは当たりを気長に待つ姿勢を伝える表現です。どちらも、直接的に犯人を追い詰めるのではなく、相手が自ら動くのを待つジェーンの捜査スタイルを言葉の上でも映し出しています。
『メンタリスト』の捜査シーンから、これからも印象的な言い回しを見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


コメント