海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『フレンズ』シーズン5第18話は、職場の喫煙室と、赤ん坊のオーディション会場という、ふたつの背伸びの舞台が交差する回です。レイチェルは上司たちの喫煙休憩に焦りながらも、控えめな言い訳でその場をしのごうとします。一方ジョーイは、息子ベンの父親役オーディションに便乗し、見栄と本音の間で態度を揺らしていきます。縮こまるように我慢を装う言葉と、どんどん膨らんでいく強がりの言葉。その対照が、この回の英語には表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『フレンズ』シーズン5第18話では、息子ベンがCMのオーディションを受けることになり、ジョーイも便乗して「ベンの父親役」のオーディションに挑もうとする。レイチェルは、上司たちが喫煙休憩中に仕事の決定を進めてしまうことに焦り、苦手なタバコに手を出してしまう。裏では友人たちがレイチェルのために内緒でサプライズパーティーの準備を進めている。それぞれの背伸びと本音がすれ違う一日の物語。『フレンズ』S05E18のあらすじを追うときは、誰が本気で誰が強がっているだけなのかに注目すると、会話の温度差が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ10選
1. way to go
よくやった、でかしたという意味です。
Joey: I mean, “way to go, Ben!”
(「でかしたぞ、ベン!」ってね)
公園を歩いただけでオーディションの機会を得た赤ん坊ベンに対し、複雑な思いを抑えてジョーイが祝福する一言です。皮肉のニュアンスを隠すように、あえて明るい決まり文句で片づけています。
2. shut it down
(その言動を)やめる、切り上げるという意味です。
Joey: Oh, so I got to shut it down now?
(へえ、じゃあもうやめなきゃいけないってわけ?)
「それは僕の彼女だぞ」と釘を刺されたジョーイが、皮肉交じりに返す一言です。got toという義務の言い方をわざと使うことで、不満を茶化しながら伝えています。
3. steer clear of
(意識的に)避ける、近づかないようにするという意味です。
Joey: So I steered clear of her.
(だから彼女には近づかないようにしたんだ)
自分の演技を見たことがあるキャスティング担当を避けたと、ジョーイが説明する場面です。過去の失敗を隠すための行動を、さらりと言ってのけています。
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4. take credit for
~の功績を自分のものにする、手柄を横取りするという意味です。
Nancy: And then I take credit for them.
(それで、その手柄は私がいただくの)
部下の意見を自分の手柄にすると、上司ナンシーがあっさり明かす一言です。深刻になりそうな話を、あっさりとした言い方で流しています。
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5. hang around
(その場に)残る、居残るという意味です。
Carol: Is it a good sign that they asked us to hang around after the audition?
(オーディションのあと居残るように言われたのって、いい兆候なのかしら)
オーディション後に居残るよう言われたことの意味を、同じ役を狙う候補者同士で話し合う場面です。疑問形で確認する言い方に、結果を待つ側の緊張が表れています。
6. rue the day
(あのときのことを)後悔する日が来るという意味です。
Phoebe: Yeah, well, that’s ‘cause I’m in charge of cups and ice, and Monica is going to rue the day that she put me in charge of cups and ice.
(そう、だって私はカップと氷の担当だもの。モニカは私を担当にしたことを後悔する日が来るはずよ)
パーティー係を任されたフィービーが、大げさな調子で宣言する場面です。ささいな役目に大仰な未来形の予言を重ねることで、コミカルな脅し文句になっています。
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7. push past
(不快感・困難などを)乗り越えて先へ進むという意味です。
Chandler: Okay, but you got to push past this, okay?
(いいから、これを乗り越えないと)
タバコの気持ち悪さに耐えられないレイチェルを、チャンドラーが励ます場面です。okayと念を押す言い方に、背中を押そうとする勢いが表れています。
8. cut back
(量・頻度などを)減らす、控えるという意味です。
Rachel: I’m just really, really trying to cut back, you know.
(私、本当に本当に減らそうとしてるところなの)
タバコを吸う頻度を減らそうとしていると、レイチェルが言い訳がましく話す場面です。reallyを二度重ねる言い方に、自分自身にも言い聞かせるような響きがあります。
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9. no picnic
楽なことではない、一筋縄ではいかないという意味です。
Joey: Well, I got to tell you, it’s no picnic.
(言っておくけど、楽な仕事じゃないぞ)
赤ん坊のベンに向かって、俳優業の厳しさをジョーイが語りかける場面です。気楽なイメージの単語をnoで打ち消すことで、厳しさを軽妙に伝えています。
10. drag someone down
(悪い方向に)巻き込む、引きずり込むという意味です。
Nancy: That’s why we didn’t tell you, and we are not going to drag you down with us.
(だから黙ってたのよ。私たちと一緒に引きずり込むつもりはないの)
禁煙を頑張るレイチェルを、同僚が自分たちの喫煙に巻き込むまいとする場面です。禁煙の再開を隠していた理由を、相手を気遣う言葉として言い直しています。
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このエピソードの英語学習ポイント
喫煙室で交わされる会話には、cut backのような控えめな言い訳から、Actually, I thought to myself, “Wow, those guys are crazy!” But, no, actually, I smoke the regular ones all… all the time.のように、周囲に合わせるための即興の言い訳まで、さまざまな抑制と取り繕いの言葉が登場します。drag someone downのように、その裏で同僚がレイチェルを気遣う場面もあり、我慢と本音がせめぎ合う職場の空気がよく伝わってきます。
一方オーディション会場では、way to goやno picnicのように、見栄と本音の間で揺れる言葉が目立ちます。Because this commercial belongs to me and Mitch.と、赤ん坊に架空の名前まで与えて張り合うジョーイの言い方には、大人げなさと本気とが同居しています。hang aroundのように結果を待つ側の緊張を映す表現から、rue the dayのような芝居がかった大仰な宣言まで、この回はテンポの良い誇張表現の宝庫でもあります。
聞き取りの際は、レイチェルの言葉が小さく縮こまっていくのに対し、ジョーイの言葉がどんどん大きく膨らんでいく対照に注目すると、同じ「本音を隠す」場面でも方向がまるで逆であることに気づきます。ドラマを見返すときは、字幕を外して、声のトーンが照れ隠しなのか強がりなのかを聞き分けてみてください。
キャラクター別|英語の特徴
レイチェル|焦りから抑制の言葉を重ねる
上司たちが喫煙休憩中に仕事の話を進めてしまうことに焦り、レイチェルはついタバコに手を出してしまいます。Yeah, but you know what? I’m just really, really trying to cut back, you know.という一言は、reallyを二度重ねる言い方に、自分自身にも言い聞かせるような響きがあります。周囲に合わせるためには、Actually, I thought to myself, “Wow, those guys are crazy!” But, no, actually, I smoke the regular ones all… all the time.と、その場しのぎの言い訳まで口にしてしまいます。
追い詰められるほど言葉数が増え、本当らしく聞こえるように細部を付け足していくところに、レイチェルらしい焦りの表れ方があります。抑制しようとする言葉と、取り繕おうとする言葉が同じ場面で入り混じるところが、この人物の話し方の癖といえます。喫煙室に加わる前には、同僚からRachel, you can go down there. You don’t have to smoke. Just say you want to get some… fresh air.と抜け道を示されていましたが、レイチェルはその通りに動きません。用意されていた無難な言い訳を使わず、あえて本物のタバコに手を伸ばしてしまうところに、抑制のつもりが裏目に出ていく展開が表れています。
ジョーイ|見栄と本音の間で揺れる
息子ベンの父親役オーディションに便乗したジョーイは、I mean, “way to go, Ben!”と、複雑な思いを抑えながら祝福の言葉を口にします。しかし競争が本格化すると、Because this commercial belongs to me and Mitch.と、架空の名前まで持ち出して張り合い始め、So you want to be an actor, huh? Well, I got to tell you, it’s no picnic.と、赤ん坊相手に俳優業の厳しさを説く場面まで見せます。
祝福の言葉から張り合いの言葉、そして先輩風を吹かせる言葉へと、場面ごとに態度が変わっていくところに、見栄と本音の間で揺れ動くジョーイらしさが際立っています。そもそもの発端は公園で出会った男性がベンを気に入ったという偶然であり、そのささやかなきっかけをここまで大げさに膨らませていくところにも、この回らしい連鎖が表れています。強がって見える瞬間ほど、本心では焦っている様子が言葉の端々ににじみ出ています。実の父親であるロスに対しては、I look more like him than you do.とまで言い張り、明らかに無理のある主張を平然と口にします。事実の正しさよりも、その場で自分を有利に見せることを優先する話し方に、見栄っ張りな一面がよく浮かび上がっています。
フィービー|任された役割を大げさに語る
パーティーの雑用係を任されたフィービーは、Monica is going to rue the day that she put me in charge of cups and ice.と、大げさな予言口調で宣言します。カップとアイスという小さな役目に、rue the dayという歴史的な言い回しを重ねるところに、フィービーらしいユーモアがのぞいています。
当日にはUm, cup hat, cup banner, cup chandelier and the thing that started it all– the cup.と、カップにまつわる装飾を次々と紹介し、役割への熱の入れようをさらに誇張して見せます。小さな役目をここまで大きく語れるところに、状況を面白がりながら本気で取り組む、フィービーらしい話し方の持ち味がにじんでいます。
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