「cry wolf」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S03E13で学ぶ英会話

「cry wolf」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

以前に大げさな勘違いをした経験があるせいで、今度こそはと確証を得るまで動けなくなってしまう、ということはありませんか。

そんな心理にぴったりの「cry wolf」を、『ホワイトカラー』シーズン3第13話の中盤、無線の傍受をめぐる事情をピーターに問いただされたニールとエリザベスのやり取りから、一緒に見ていきましょう。

目次

「cry wolf」の意味とニュアンス

cry wolf
意味:嘘の警告をする、空騒ぎする

「オオカミ少年」の寓話に由来する表現で、実際にはいないのに「オオカミが来た」と嘘の警告を繰り返した結果、本当に危険が迫ったときに誰も信じてくれなくなる、という教訓を含みます。ここから転じて、根拠の薄い警告や大げさな訴えをすることを cry wolf と表現するようになりました。

このドラマのシーンでは「she wasn’t crying wolf」という否定の形で使われており、以前に大げさな勘違いだと思われた経験を踏まえ、今回はそうではないと確かめたかった心情が描かれています。

似た表現に jump to conclusions がありますが、こちらは根拠不十分なまま結論を急ぐ思考プロセスそのものを指し、cry wolf のような「警告の信頼性の欠如」という含みは持ちません。過去の言動が今の発言の信頼度に影響する、という時間の積み重ねを含んだ表現である点が、cry wolf の特徴です。

【ここがポイント!】

  • 「cry wolf」の核は、嘘や大げさな警告を繰り返して信用を失うイメージ
  • 一度失った信用が、次の訴えの受け止められ方にも影響することを示す表現
  • 否定形(not crying wolf)で使うと、今回は空騒ぎではないと訴える言い方になる

『ホワイトカラー』S03E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

無線傍受をきっかけに、エリザベスとモジーが隣人ベンの様子を探っていたことが発覚し、バーク家でピーターが事情を問いただす場面です。夫として少し呆れながらも、事の顛末を丁寧に確かめようとする様子がうかがえます。

Peter: You see a hypothetical gun, then decide to call in the cavalry.
(仮の話とはいえ銃を見たからって、それで応援を呼ぶ判断をしたのか。)

Neal: El wanted to make sure she wasn’t crying wolf.
(エルは自分が空騒ぎしてるわけじゃないって確かめたかったんですよ。)

Elizabeth: I was embarrassed about what happened earlier.
(この前のことがあって、恥ずかしい思いをしたから。)

Peter: Oh, yeah, well, I know the feeling. My wife recently used me as a patsy.
(ああ、その気持ちはわかるよ。うちの女房にも最近、体よく利用されたばかりだからな。)

White Collar Season3 Episode13 (Neighborhood Watch)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

「仮の話の銃を見ただけで応援まで呼んだのか」という、咎めるようなピーターの口調に対し、ニールは「エルは空騒ぎしてるわけじゃないと確かめたかったんですよ」とエリザベスを庇うように説明します。

エリザベス自身も「この前のことがあって恥ずかしい思いをしたから」と、以前ピーターに疑心暗鬼扱いされたことを引きずっていた本音を明かします。cry wolf という言葉の裏には、一度空振りに終わった通報の記憶が重なっており、彼女が今回は確証を得てから動きたかった心理が読み取れます。前回の反省を踏まえて慎重になっている様子と、それでも動かずにはいられなかった様子の両方が、この短いやり取りに同居しています。最後にピーターが「うちの女房にも最近利用されたばかりだ」と自虐的に返すことで、深刻になりすぎずに場の空気を和らげる、この家族らしいユーモアも見どころです。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

羊飼いの少年が「オオカミが来た!」と繰り返し嘘をつき、本当にオオカミが現れたときには誰も助けに来てくれなかった、というイソップ寓話の場面を思い浮かべてみましょう。cry(叫ぶ)と wolf(オオカミ)という単語そのものに、この物語のイメージが凝縮されています。

劇中でもエリザベスは、以前疑心暗鬼扱いされた経験から、今度こそ空騒ぎだと思われたくないという慎重さを持って行動していました。信じてもらえなかった経験とセットで覚えておくと、この表現の重みがつかみやすくなります。

例文で覚える「cry wolf」

cry wolf は、繰り返しの大げさな警告で信用を失うことを表す表現です。日常・ビジネス・往復会話の3つの場面で見ていきましょう。

He’s cried wolf so many times that no one takes him seriously anymore.
(彼は何度も大げさな警告をしてきたから、もう誰も本気にしていない。)
繰り返す虚偽の警告で信用を失った人を説明する、日常会話の場面です。

I don’t want to cry wolf, but something feels off about this deal.
(大げさに騒ぎたいわけじゃないけど、この取引には何か引っかかる。)
懸念を伝えつつも慎重に前置きする、ビジネスの場面です。

A: Are you sure this isn’t just another false alarm?
B: I know I’ve been wrong before, but I’m not crying wolf this time.
(A:これもまた勘違いの空騒ぎじゃないよね?)
(B:前に間違えたのはわかってるけど、今回は空騒ぎじゃないよ。)
過去の失敗を踏まえて訴える、往復会話形式の例文です。以前の失敗を素直に認めながらも、今回は違うと言い切る、その誠実さがそのまま伝わってきます。

あわせて覚えたい関連表現

jump to conclusions
(早合点する、早計に結論を出す)
cry wolf が「嘘や大げさな警告を発すること」に焦点があるのに対し、jump to conclusions は根拠不十分なまま結論を急ぐ思考プロセスそのものを指す表現です。

sound the alarm
(警鐘を鳴らす)
cry wolf が警告の信頼性の欠如を含意するのに対し、sound the alarm は警告自体の正当性を問わず、中立的に注意を促す、より広く使える表現です。

make a mountain out of a molehill
(些細なことを大げさに騒ぎ立てる)
cry wolf が繰り返しの虚偽警告による信用喪失を含意するのに対し、こちらは一回の出来事を過大に扱うことに焦点がある表現です。

Note|イソップ寓話「オオカミ少年」から生まれた英語表現

cry wolf という言い回しは、古代ギリシャに起源を持つとされるイソップ寓話「オオカミ少年」の物語に由来しています。

羊飼いの少年が退屈しのぎに「オオカミが来た!」と嘘をつき、驚いて駆けつけた村人たちをからかう、ということを繰り返した末、本当にオオカミが現れたときには誰も彼の叫びを信じず、助けが来なかったという寓話です。この教訓的な物語は、口承や翻訳を通じて英語圏にも古くから伝わり、「嘘の警告を繰り返すと、本当に必要なときに信じてもらえなくなる」という戒めとして、cry wolf という慣用表現に定着しました。単なる子ども向けの寓話に由来していながら、日常会話やニュース報道など幅広い場面で「繰り返された警告への不信感」を表す言葉として使われ続けている点が、この表現の息の長さを物語っています。教訓を伝えるための短い物語が、時代や文脈を超えて使い回される慣用句にまで育つのは、言葉の歴史として見ても興味深い成り行きです。一つの寓話が長い時を経て、今も日常会話の中の一言として使われ続けているのは、興味深いことです。

エリザベスが気にしていた「空騒ぎだと思われたくない」という心理も、この寓話が示す信用の失われやすさをそのまま体現したものでした。一度疑われた側は、次に本当のことを訴えるときほど、確証を積み重ねてから声を上げようとするものです。

一度失った信用を取り戻すのは、いつの時代も簡単ではありません。

まとめ|信用を取り戻そうとするエリザベスの慎重さ

cry wolf は、根拠の薄い警告を繰り返して信用を失うことを表す表現で、否定形で使えば「今回は空騒ぎではない」と訴える言い方にもなります。

以前の勘違いを引きずって動けなくなりそうなときも、この表現を知っていれば、自分の状況を的確に言葉にできます。

以前疑心暗鬼扱いされた記憶を抱えながらも、確証を得てから動こうとしたエリザベスの慎重さには、信用を取り戻そうとする姿勢が静かに示されていたと言えます。慎重さと行動力のバランスを取ろうとするその姿は、信頼を積み直していく過程そのものにも重なります。会話のレパートリーに、この一言を加えてみてください。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「cry wolf」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次