「push for」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S03E14で学ぶ英会話

「push for」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

嬉しい出来事のはずなのに、なぜか心の準備が追いつかず、もう少しだけ今のペースでいたいと感じたことはありませんか。

そんな心境にぴったりの「push for」を、『ホワイトカラー』シーズン3第14話の前半、恋人からプロポーズされたばかりのダイアナが、婚約期間を長く取ってほしいと上司に打ち明ける場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「push for」の意味とニュアンス

push for
意味:〜を強く求める、〜を推し進める

push for は、push(押す)と for(〜に向けて)が組み合わさった句動詞で、実現に向けて積極的に働きかける、要求するという意味を表します。単に何かを望むだけでなく、相手や状況に対して能動的に働きかけ、実現を目指して行動を続けるニュアンスが加わるのが特徴です。

主語には個人だけでなく、委員会や労働組合といった集団を置くこともでき、交渉の場面や社会的な主張の場面でもよく使われます。日本語の「〜を強く求める」「〜を推し進める」に近い響きを持ちながら、押しの強さの度合いは文脈によって幅があり、控えめな要望から強い主張まで柔軟に対応できる表現です。

似た形の press for と比べると、push for の方がやや口語的で、家庭内の希望から職場の交渉まで幅広い場面に馴染みやすい語感を持っています。for のあとには名詞だけでなく、push for doing のように動名詞を続けることもでき、「〜することを求める」という形でも自然に使えます。

【ここがポイント!】

  • 「push for」の核は、望みの実現へ向けて押し続ける継続的な働きかけ
  • 単なる希望より一歩踏み込んだ、能動的な要求のニュアンスを持つ表現
  • 家庭の希望から職場の交渉まで、押しの強さを状況に合わせて調整できるのがコツ

『ホワイトカラー』S03E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

恋人のクリスティからプロポーズされ、周囲から祝福を受けたばかりのダイアナに、ピーターが指輪選びに行くよう勧め、ニールの見張りはジョーンズに任せればいいと申し出ます。ところがダイアナは、その申し出をやんわりと固辞し、意外な本音を打ち明けます。

Diana: No, no. This is an important assignment.
(ううん、これは大事な任務なの。)

Peter: Hey, hey, hey. Do not let Caffrey hijack your bling moment.
(おいおいおい。キャフリーに、お前の晴れ舞台を奪わせるなよ。)

Diana: No, I want to help with Neal. I’m kind of pushing for a longer engagement. Things are moving faster than I thought they would.
(いいえ、私はニールの担当を続けたいの。実は、婚約期間を長くしてほしいって強く求めてるところなのよ。思ったよりずっと早く話が進んじゃって。)

Peter: Oh, completely understand. Yeah. Been there, been there.
(ああ、よくわかるよ。俺も、経験あるからな。)

White Collar Season3 Episode14 (Pulling Strings)

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シーン解説と心理考察

婚約という祝福ムードのすぐ後に続くこのやり取りには、浮かれてばかりはいられないダイアナの現実的な一面が表れています。ピーターの気遣いをそのまま受け取らず、まずは仕事を優先したいという姿勢を崩さない返し方に、彼女らしい生真面目さが表れています。

pushing for a longer engagement という一言には、プロポーズ自体を喜びながらも、話の展開の速さに戸惑う本音が重なっています。指輪選びよりも先に仕事を続けたいと申し出る判断からは、私生活の急激な変化を、慣れた仕事のペースの中で受け止め直そうとする心理が読み取れます。

ピーターが茶化さず「よくわかるよ、俺も経験あるからな」と静かに共感を返す短いやり取りには、部下の心情を汲み取る上司としての懐の深さがにじみます。浮かれた祝福ムードから一転、二人だけの落ち着いた会話に切り替わる呼吸の変化が、この場面の見どころです。派手な言葉で励ますのではなく、多くを語らずに受け止める対応そのものが、二人の間に積み重ねられてきた信頼関係を物語っています。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

push for を覚えるコツは、何かの実現に向けて、手のひらで押し続ける動作をイメージすることです。一度押して終わりではなく、実現するまで押し続ける持続性が、この表現の核にあります。

劇中でダイアナが見せた「婚約期間を長くしたい」という望みも、一度口にして終わりではなく、仕事を続けるという行動を通じて押し続けている本音でした。声高に主張するのではなく、静かに、でも一貫して望みを押し進める。そんな姿勢ごと覚えておくと、控えめな要求の場面でも自然に使える表現になります。押す力の強さよりも、押し続ける時間の長さに意味があると考えると、この表現の粘り強いニュアンスがより実感として掴めるはずです。

例文で覚える「push for」

日常の頼み事からビジネスの交渉まで、push for を3つの例文で確認していきましょう。

She’s been pushing for a raise all year.
(彼女は一年中ずっと昇給を強く求めている。)
職場での待遇改善を粘り強く主張する場面です。all year という期間の長さが、諦めずに求め続ける粘り強さを際立たせています。

My parents are pushing for me to go to grad school.
(両親は私に大学院進学を強く勧めてくる。)
家族から進路について強く勧められる場面です。強制ではないものの、繰り返し勧められている圧を感じさせる響きがあります。

A: Should we ask for a longer deadline?
B: I’ve already been pushing for that since last week.
(A:締め切りを延ばしてもらうよう頼んでみるべきかな?)
(B:先週からずっとそれを求めてるところだよ。)
同僚同士の相談場面です。since last week を添えることで、すでに継続的に働きかけている経緯が伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

press for
(〜を強く求める)
push for とほぼ同じ意味を持つ表現ですが、報道や交渉などのフォーマルな場面で使われやすく、やや硬めの響きを持ちます。

advocate for
(〜を支持・擁護する)
push for が自分自身の希望にも使えるのに対し、advocate for は他者や理念のために主張するというニュアンスが強く、公共性の高い場面で使われやすい表現です。

call for
(〜を求める、〜を必要とする)
push for のような継続的な働きかけよりも、一度の声明や状況として「〜が求められる」という響きに近く、継続性の有無が両者を分けるポイントです。

Note|push for・press for・call forの押しの強さくらべ

「求める」を表す英語には、push for のほかにも press for や call for など、似た形の句動詞がいくつも存在します。並べてみると、それぞれ押しの強さや継続性の度合いが少しずつ違っています。

push for は、家庭内の希望から労働組合の要求まで幅広く使われ、話し手自身が主体的に働きかけ続けているニュアンスを持ちます。press for は報道や公式な交渉の場でよく使われ、push for よりもやや硬めで、圧力をかけるような響きが強調される傾向があります。一方 call for は、”The situation calls for immediate action.” のように、状況そのものが何かを必要としているという構造を取ることが多く、話し手個人の粘り強さよりも、客観的な必要性を伝える場面に向いています。同じ「求める」でも、誰が主体的に働きかけているのか、それとも状況が求めているのかによって、選ぶべき表現が変わってきます。

劇中でダイアナが使った pushing for も、上司に向けて自分自身の希望を粘り強く伝える能動的な働きかけでした。3つの表現の違いを知っておくと、単に「求める」というだけでなく、誰がどんな立場でその要求をしているのかまで意識して使い分けられるようになります。交渉の場でどの語を選ぶかによって、相手に伝わる押しの強さの印象まで変わってくるのが、この3語の面白いところです。

似た形の句動詞ほど、使い分けの妙が学びの醍醐味になります。

まとめ|婚約したダイアナが見せた、譲れない本音

push for は、実現に向けて積極的に働きかける、押しの強い「求める」を表す表現です。家庭の希望から仕事の交渉まで、望みを一度で終わらせず粘り強く伝えたいときに役立ちます。

昇給の交渉や進学の相談など、身近な場面でもこの一言があれば、遠慮がちな希望をもう一歩踏み込んで伝えられます。

プロポーズという幸せな出来事の渦中でも、仕事を続けたいという自分の意志をはっきり伝えたダイアナの姿には、私生活の変化に流されすぎない芯の強さが表れていると言えます。表現の引き出しに加えてみてください。

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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



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