「get away with something」の意味と使い方|『ホワイトカラー』S02E09で学ぶ英会話

「get away with something」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

信頼していた相手から疑いの目を向けられて、身に覚えのないことをどう説明しても平行線のまま、というやり取りに覚えはありませんか。お互いに引かないまま、緊張だけが積み重なっていくような場面です。

そんな緊迫したやり取りにぴったりの「get away with something」を、『ホワイトカラー』シーズン2第9話の中盤、大切なオルゴールが忽然と消えたことを巡ってピーターがニールを問い詰める場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「get away with something」の意味とニュアンス

get away with something
意味:(悪いことをして)うまく逃げ切る、罰を逃れる

get away with somethingは、不正行為やルール違反をしても発覚しない、あるいは発覚しても罰を受けずに済むことを表す口語表現です。犯罪のような重い文脈でも、サボりや悪ふざけといった軽い文脈でも幅広く使われます。

with something の部分には「何かを持ったまま」という所持のニュアンスが含まれており、単に逃げるだけでなく、不正の証拠や利益を抱えたまま罰を免れるイメージが根っこにあります。

誰かのごまかしや不正が見過ごされている状況を指摘するときにも、自分の失敗や小さな悪事が発覚しなかったことを話すときにも使える、日常でも頻出の表現です。次の【ここがポイント!】で要点を整理していきます。

【ここがポイント!】

  • 「get away with something」の核は、何かを抱えたまま咎められずに逃げ切るというイメージ
  • 犯罪のような重い文脈から日常の小さなごまかしまで、幅広い場面に対応できる懐の深さ
  • get away with this のように、目の前の具体的な出来事を指して使われることが多い

『ホワイトカラー』S02E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

何か月もダイアナのアパートで無事に保管されていたはずのオルゴールが、何者かに持ち去られる事件が起こります。その一報を受けたピーターは、すぐさまニールのもとへ向かい、疑いをぶつけます。

Peter: Don’t do this, Neal. Tell me you didn’t do this.
(こんな真似はよせ、ニール。お前がやったんじゃないと言ってくれ。)

Neal: Do what?
(何のことだ?)

Peter: Tell me you didn’t steal the music box.
(オルゴールを盗んだんじゃないと言ってくれ。)

Neal: What are you talking about? I’m right here.
(何を言ってるんだ? 俺はずっとここにいるじゃないか。)

Peter: It’s been safe in Diana’s apartment for months, and the minute I tell you about it, it disappears.
(何か月もダイアナの部屋で無事に保管されていたのに、俺がお前にその話をした途端に消えたんだぞ。)

Neal: I didn’t take it.
(俺は盗ってない。)

Peter: You’re not gonna get away with this. You’re not.
(これを誤魔化して逃げ切れるとは思うなよ。絶対にな。)

White Collar Season2 Episode9 (Point Blank)

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シーン解説と心理考察

「Don’t do this, Neal.」という切実な呼びかけには、単なる疑いだけでなく、これまで築いてきた信頼関係を壊してほしくないという思いが滲みます。「Do what?」ととぼけるニールに対して、ピーターは「オルゴールを盗んだんじゃないと言ってくれ」とさらに核心へ踏み込んでいきます。

ニールの「What are you talking about? I’m right here.」という反論は、自分がずっとピーターのそばにいたのだから盗みようがない、という一見筋の通った主張です。しかしピーターは「何か月も無事だったのに、話した途端に消えた」という状況証拠を突きつけ、疑いを崩しません。最後の「You’re not gonna get away with this. You’re not.」という念押しからは、長年の相棒であるニールに対してさえ容赦しない、捜査官としてのピーターの厳しさが表れています。オルゴールが特別な意味を持つ品であるだけに、単なる捜査上のやり取り以上の緊張感を帯びた対峙になっています。積み重ねてきた信頼関係があるからこそ、疑いを向けることにためらいが生まれる一方で、それでも問い詰めずにはいられないピーターの葛藤も、この短いやり取りの端々ににじんでいます。

『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ

何かを盗んだ人が、それを抱えたままこっそり逃げ去っていく姿を思い浮かべてみましょう。get away自体に「逃げ去る」という意味があり、そこにwith somethingが加わることで「何かを持ち逃げする」というイメージがはっきりします。

劇中でもピーターは「盗んだものを持ってうまく逃げられると思うな」という文字通りの意味に近い形でこの表現を使っていました。直訳のイメージがそのまま活きる好例として、対象物を抱えたまま逃げていく姿とセットで記憶しておくと、いざというときにすっと出てくるはずです。

例文で覚える「get away with something」

学校での不正行為から企業の姿勢まで、get away with somethingが使われる幅広い場面を、3つの例文で確認していきましょう。

He thought he could get away with cheating on the test, but the teacher noticed.
(彼はカンニングをしてもバレないと思っていたが、先生に気づかれた。)
不正行為が発覚する場面です。get away with somethingの最も基本的な「悪事がバレる/バレない」の使い方が表れています。

The company got away with underpaying its workers for years.
(その会社は何年も従業員に低賃金を強いながら、罰を逃れてきた。)
企業の不正が長年見過ごされてきたことを説明する、ニュース寄りのフォーマルな場面です。

A: I can’t believe she wore pajamas to the office and nobody said anything. B: Yeah, she really got away with that one.
(A:彼女がパジャマでオフィスに来たのに誰も何も言わなかったなんて信じられない。 B:うん、あれは本当にうまく逃げ切ったよね。)
ちょっとした規則違反が見過ごされたことに驚く日常会話です。that oneのように具体的な出来事を指して軽く使う場面がよく見られます。

あわせて覚えたい関連表現

off the hook
((責任・罰から)逃れる、免れる)
get away withが「不正行為そのものが発覚しない」ことに焦点があるのに対し、off the hookは「一度疑われた状況から解放される」という結果に焦点があります。

pull something off
((困難なことを)成功させる、やり遂げる)
必ずしも悪事とは限らず、難しい計画や大胆な行動を成功させるという中立的から肯定的なニュアンスが強い表現です。get away withの持つ「不正」の色合いはありません。

slip through the cracks
((見落とされて)見過ごされる、すり抜ける)
意図的な逃げというより、システムやチェックの不備によって偶然見逃される場合に使われることが多い表現です。get away withの持つ「意図的な回避」というニュアンスとは対照的です。3つの表現を並べてみると、逃れ方の「意図の有無」と「発覚の有無」という2つの軸で整理できることが見えてきます。

Note|容疑者に突きつける定番フレーズとしてのget away with this

アメリカの捜査ドラマや刑事ドラマを見ていると、容疑者や悪役に向かって「You’re not gonna get away with this.」と言い放つ場面に何度も出会います。日本語の字幕では「そんなこと許さない」「逃がさない」などと訳されることが多いこの一言は、法執行の場で使われる定番の警告フレーズとして定着しています。

この言い回しが繰り返し使われる背景には、get away with somethingという表現そのものが持つ「不正の証拠や利益を抱えたまま罰を免れる」というイメージが、捜査官の立場と正反対にあることが関係していると考えられます。捜査官にとって「相手をget away with somethingさせない」ことこそが仕事の核心であり、この一言はその職務意識をそのまま言葉にした宣言のような役割を果たしています。淡々とした報告調のセリフが多い法執行ドラマの中で、この一言だけは感情の温度が一段上がる瞬間として描かれることも少なくありません。

劇中でピーターがニールに向けて放った「You’re not gonna get away with this. You’re not.」という念押しも、まさにこの定番の言い回しをそのまま踏襲しています。長年の相棒に対してさえ容赦しないという姿勢が、この決まり文句によって一段と際立って伝わってきます。

定番フレーズだからこそ、捜査官の職務意識がそのまま凝縮された一言として記憶に残ります。同じ響きの警告を別の作品で耳にしたときも、そこに込められた「逃がさない」という強い意志を思い出しやすくなるはずです。

まとめ|疑いを崩さない一言に宿る、捜査官としての矜持

get away with somethingは、不正行為が発覚しない、あるいは罰を免れることを表す表現です。何かを抱えたまま逃げ切るというイメージを持っておくと、犯罪のような重い文脈から日常の小さなごまかしまで、幅広い場面で応用が利きます。

誰かのごまかしを指摘したいときも、自分の失敗が見過ごされたことに驚くときも、この一言があれば状況を的確に言い表せます。犯罪のような重い場面でも、日常のちょっとした失態でも、対象を選ばず使える懐の深さが魅力です。

長年の相棒であるニールに対してさえ「You’re not gonna get away with this.」と念を押したピーターの姿には、信頼関係よりも職務を優先せざるを得ない捜査官としての矜持が表れていると言えます。

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