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電話や来客対応の最中に、「今ちょうど取り込み中で」と言葉を選びながら伝えた経験はありませんか。詳しい事情までは話せないけれど、手が離せないことだけは相手に分かってほしい、そんな場面は仕事でも日常でも度々訪れます。
そんな場面で使える「be in the middle of something」を、『ホワイトカラー』シーズン2第12話の冒頭、国務省からの呼び出しに応じたニールとピーターが、次官のウィルソンからミャンマーがらみの依頼を切り出されるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「be in the middle of something」の意味とニュアンス
be in the middle of something
意味:何かの真っ最中である、取り込み中である
be in the middle of somethingは、進行中の作業やプロセスの「まさにその途中」にいることを伝える口語表現です。仕事の電話、会議、家事など、まだ終わっていない物事の渦中にいる状況を説明する場面で幅広く使われます。
middleという「真ん中」を意味する語がそのまま「進行中の道のりの真ん中に立っている」という状況を表しており、始まってもいなければ終わってもいない、ちょうど宙ぶらりんの状態を的確に描写できるのが特徴です。何かを頼まれたときや電話に出られないときに、理由を手短に伝える定番フレーズとして重宝します。
somethingの部分は具体的な内容(dinner、a meeting、a projectなど)に置き換えることもでき、詳しく説明したくない場合はsomethingのまま濁すこともできる、便利な柔軟さを持った表現です。日本語の「取り込み中」がそうであるように、詳細を伏せたまま状況だけを角を立てずに伝えられるところに、この言い回しの使い勝手の良さがあります。
【ここがポイント!】
- 「be in the middle of something」の核は、進行中の道のりのちょうど真ん中に立っているイメージ
- 具体的に言いたくないときは「something」のまま濁せる、便利な柔軟さを持つ表現
- 電話や来客対応で「今は手が離せない」と手短に伝えたいときに使うのがコツ
『ホワイトカラー』S02E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
エピソード冒頭、国務省からの呼び出しに応じたニールとピーターは、次官のウィルソンからミャンマーの刑務所に収監された大学生クリスの件を持ちかけられます。宝石密輸容疑は「でっち上げ」の可能性が高いと聞かされたニールが、その裏にある事情を尋ねる場面です。
Neal: Gem smuggling in Burma… That’s serious.
(ミャンマーでの宝石密輸か……それは深刻ですね。)Wilson: We believe the charges are trumped up.
(その容疑はでっち上げだと、我々は見ています。)Neal: You think they grabbed him to embarrass the U.S.?
(アメリカに恥をかかせるために、彼を拘束したと考えているんですか?)Wilson: It’s possible. Our relations with Burma aren’t good. We’re in the middle of trade negotiations that aren’t moving.
(あり得ますね。ミャンマーとの関係は良好とは言えません。今まさに、進展のない貿易交渉の真っ最中なんです。)White Collar Season2 Episode12 (What Happens in Burma…)
シーン解説と心理考察
ニールが続けて投げる二つの問いかけには、まだ状況を測りかねている捜査官らしい慎重さがにじんでいます。「宝石密輸か、それは深刻ですね」という第一声には皮肉めいた軽さがあり、続く「でっち上げ」という説明への訝しさが、ニールが依頼の裏を疑っている様子として表れています。
ウィルソンの返答は簡潔ながら、事件の輪郭を一気に広げるものです。「アメリカとミャンマーの関係は良好ではなく、進展のない貿易交渉の真っ最中だ」という一言は、単なる宝石密輸事件ではなく、国家間の駆け引きに巻き込まれた可能性を淡々と提示しています。感情を交えずに事実だけを積み上げるウィルソンの語り口が、この依頼の重さを逆に際立たせる効果を持っています。派手な演出を挟まず、外交上の「進展のない交渉」という一言だけで政治的な緊張感を差し出すあたりに、次官という立場の重みが表れています。エピソード全体を貫く国際的な陰謀というプロットの土台が、この短いやり取りの中に手際よく仕込まれている場面と言えます。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
進行中の道のりのちょうど真ん中に自分が立っているイメージを思い浮かべてみましょう。まだゴールにもスタート地点にも近くない、まさに渦中にいる感覚です。
劇中でもウィルソンは、終わっていない貿易交渉の「真っ最中」にいると説明しており、途中で止まっている、まだ終わっていないというニュアンスがそのまま状況描写に使われています。会議室のテーブルの真ん中に取り残されたような感覚を思い浮かべると、be in the middle of somethingの持つ途中感が記憶に残りやすくなります。
例文で覚える「be in the middle of something」
仕事の場面から日常の家事まで、be in the middle of somethingを、3つの例文で確認していきましょう。
Sorry, I can’t talk right now. I’m in the middle of something.
(ごめん、今話せないんだ。取り込み中で。)
電話や声かけに、今は手が離せないことを伝える場面です。somethingのまま濁すことで、詳しい説明を省ける気軽さがあります。
The two companies are in the middle of merger negotiations.
(その2社は合併交渉の真っ最中だ。)
ニュースや会議で進行中の案件を説明するビジネスの場面です。具体的な内容を後ろに続けることで、フォーマルな報告にも使えます。
A: Can you call back later? I’m in the middle of cooking dinner.
B: Sure, no problem. Talk soon.
(A:あとでかけ直してもらえる? 今夕食を作っている最中なんだ。)
(B:もちろん、大丈夫だよ。またあとで話そう。)
家事の最中に電話を受けるカジュアルな会話です。忙しさを角を立てずに伝え、相手も快く応じる自然なやり取りになっています。
あわせて覚えたい関連表現
be in the process of doing something
(〜している最中である、〜のプロセス中である)
be in the middle of somethingと近い意味を持ちますが、手続きや段階をより意識した表現で、ビジネス文書などフォーマルな場面で好まれます。
be tied up
(手が離せない、忙しくしている)
be in the middle of somethingが「作業の途中」に焦点を当てるのに対し、be tied upは「予定でふさがっている」という状況面を強調する違いがあります。
be caught up in something
(何かに巻き込まれている、没頭している)
be in the middle of somethingが単純に「作業や物事の途中」であるのに対し、be caught up inは望まない状況に巻き込まれるニュアンスが強く表れます。
Note|”in the middle of” と “in the process of” の分かれ道
be in the middle of somethingとよく似た表現に、be in the process of doing somethingがあります。どちらも「〜の途中である」という進行中の状態を表しますが、使われる場面には微妙な温度差があります。
be in the middle ofは口語的で、電話や立ち話などその場の状況をとっさに説明するときに向いています。一方のbe in the process ofは、手続きや段階を意識したやや硬い響きを持ち、ビジネスメールや公式な報告書のような文脈で好まれる傾向があります。たとえば採用担当者が候補者に「選考プロセスの途中です」と伝える場合はbe in the process ofが自然ですが、同僚に「今取り込み中なんだ」と伝えるときはbe in the middle ofの方がしっくりきます。この違いは、middleが空間的な「真ん中」のイメージを持つのに対し、processが段階を踏む「手続き」のイメージを持つという、それぞれの核となる語感の違いに由来していると考えられます。
劇中でウィルソンが使ったbe in the middle ofも、国家間交渉というフォーマルな話題でありながら、あえて口語的な言い回しを選ぶことで、堅苦しくなりすぎない伝え方になっています。
場面のフォーマル度に応じてこの2つを使い分けられると、進行中の状況を伝える語彙に幅が生まれます。とっさに口をついて出るくだけた一言と、書類や報告に添える硬めの一言、その両方を持っておくと、状況に応じた説明の仕方に迷わずに済みます。
まとめ|真っ最中を、角を立てずに伝える一言
be in the middle of somethingは、進行中の物事のただ中にいることを、詳細を語らずに手短に伝えられる表現です。somethingのまま濁せる柔軟さが、日常のあらゆる場面で使い勝手の良さを支えています。
電話中や来客対応で手が離せないとき、あるいは仕事の交渉が長引いているときなど、状況を簡潔に説明したい場面でこの一言があれば角が立ちません。事情を細かく説明する余裕がないときほど、この一言の便利さが実感できます。
国家間の駆け引きという重い文脈でこの表現をさらりと使ったウィルソンの語り口のように、深刻な内容でも構えすぎずに切り出せる、そんな一言として表現の引き出しに加えてみてください。


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