海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
仲の良い友人にからかわれながらも、実はひそかに大事な知らせを抱えているという場面が、日常にはあるものです。
仲間うちで交わされるそんな場面から、「be up for a job」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン11第10話の前半、面接を控えたラージがハワードにからかわれつつ近況を明かすシーンを通して、一緒に見ていきましょう。
「be up for a job」の意味とニュアンス
be up for a job
意味:仕事の候補になっている、選考対象になっている
be up for a job は、その仕事を希望しているという段階を超えて、すでに応募・選考の対象として扱われている状態を表す口語表現です。be up for は「〜に対して乗り気である」「〜の対象になっている」という幅広い意味を持つ句動詞で、job の他にも様々な対象と組み合わせて使われます。
単に「その仕事が欲しい」と言うよりも一歩進んだ状況を指すのがポイントで、応募書類を出した、面接の日程が決まった、候補者リストに名前が載ったといった、具体的な選考プロセスに入っていることを示します。友人や同僚に近況を報告する場面や、昇進・転職の話題でよく使われる表現です。
be up for 自体は仕事に限らず「〜に乗り気だ」「〜の対象になっている」という広い意味で使える句動詞で、for の後ろに来る語によって対象が変わります。be up for a challenge であれば「難題に意欲的だ」という意味になり、be up for a job の場合はその challenge の部分が具体的な職を指している、という構造で理解すると覚えやすくなります。
【ここがポイント!】
- 「be up for a job」の核は、すでに選考のテーブルに名前が乗っている状態を表すこと
- 希望段階ではなく、応募・選考という具体的な進行を示す点が特徴
- 近況報告や昇進・転職の話題で自然に使えるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S11E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
集まった仲間うちで、ハワードがラージの面接をネタにからかい始めます。状況を理解できないシェルドンが割り込んだことで、ラージが自分の近況を明かす流れに注目です。
Howard: Oh, good. Raj is here to tell us today’s specials.
(おっと、よかった。ラージが来たから、今日のおすすめを教えてもらおう。)Raj: Very funny. I have my interview this afternoon.
(おもしろいね。今日の午後、面接があるんだ。)Howard: Oh. If it doesn’t work out, you’re ready to go on your Mormon mission.
(ああ。うまくいかなかったら、モルモン教の布教活動に行く準備はできてるな。)Sheldon: I-I don’t understand what’s going on here.
(い、今、何の話をしているのか分からない。)Raj: Oh, what’s going on here is I’m up for a job at the planetarium, and Howard is making fun of me.
(ああ、何の話かというと、僕はプラネタリウムの仕事の候補になっていて、ハワードがそれをからかってるんだ。)Sheldon: Oh, that’s great. You’re both doing what you love.
(ああ、それはいいことだ。二人とも好きなことをやっているんだね。)The Big Bang Theory Season11 Episode10 (The Confidence Erosion)
シーン解説と心理考察
ハワードがラージを店員扱いしてからかう冒頭のやり取りには、気さくな友人関係がにじんでいます。面接を控えていると明かしたラージに対し、ハワードはすぐにモルモン教の布教活動というネタで返すあたりも、二人の距離の近さを物語っています。
状況についていけないシェルドンが割り込んで初めて、ラージ自身の口からプラネタリウムの仕事の候補になっているという事実が明かされます。からかわれながらも、実は確かな一歩を踏み出しているというギャップが、この短いやり取りの面白さを支えています。
シェルドンの「二人とも好きなことをやっているんだね」という祝福の言葉は的確ですが、その直後にもハワードのからかいが続く構図が、軽妙さを保っています。ラージにとっては天体物理学者としてのキャリアに関わる大きな一歩であり、その重みとからかいの軽さの対比が見どころです。
面接という張り詰めた話題を仲間うちの軽い会話の中に置くことで、深刻になりすぎずに近況が共有されていく様子も、このやり取りの魅力の一つと言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
be up for a job を覚えるコツは、掲示板にピンで貼られた候補者リストに自分の名前が上がっている様子を思い浮かべることです。単なる希望ではなく、すでに選考のテーブルに名前が乗っている状態が up の一語に集約されています。
ラージが冗談半分のからかいの中で、実は確かな一歩を踏み出していたように、からかわれても実は前進している、というギャップのイメージとセットで覚えておくと、似た場面で使いやすくなります。掲示板に貼られた名前が一枚一枚増えていく様子を思い浮かべると、be up for の「対象になっている」という感覚がより具体的につかめます。
例文で覚える「be up for a job」
転職の近況報告から家族の話題まで、be up for a job を3つの例文で確認していきましょう。選考の途中経過を伝える場面でよく使われる表現です。
I’m up for a job at a tech company, so fingers crossed.
(IT企業の仕事の候補に挙がっているから、うまくいくといいな)
転職活動の近況を友人に話すカジュアルな場面です。fingers crossed を添えることで、結果を楽観視しつつ祈るような気持ちが伝わります。
My brother is up for a job overseas, so the whole family is a little nervous.
(弟が海外の仕事の候補になっているから、家族みんな少し緊張してる)
家族の転機について話す日常会話の場面です。the whole family を添えることで、本人だけでなく周囲にも影響が及んでいることが伝わります。
A: Any news on the promotion?
B: Actually, yeah. I’m up for a job as team lead.
(A:昇進の話、何か進展あった?)
(B:実はあるんだ。チームリーダーの候補に挙がってる。)
職場での昇進の話題を尋ねられたビジネスの場面です。Actually, yeah. と一度受けてから伝えることで、控えめに近況を明かすニュアンスが出ます。
あわせて覚えたい関連表現
apply for a job
(仕事に応募する)
apply for a job は応募するという行動そのものを指しますが、be up for a job は候補として検討されているという応募後の状態を指します。
be in the running
(選考などで有力候補に残っている)
be up for a job は仕事という対象に限定されますが、be in the running は仕事以外の競争・選考全般に使える表現です。
be considered for a position
(ポジションの検討対象になる)
be up for a job よりも形式的で、ビジネス文書にも使いやすい響きを持つ表現です。
Note|be up for a job / apply for a job / be considered for a position のフォーマル度の幅
選考に関わる状況を伝える表現は、カジュアルな会話からビジネス文書まで、フォーマル度に応じていくつかの言い方が使い分けられています。
be up for a job は友人同士の会話で気軽に使える口語表現で、ラージがハワードに近況を明かした場面のような、くだけた友人同士の会話にちょうど合う響きを持ちます。apply for a job はそれよりもやや中立的で、応募したという事実を伝える場面ならビジネスでも日常でも使えます。これに対して be considered for a position は、履歴書や人事関連の文書、フォーマルな会議の場で使われることが多く、position という語自体がビジネス文脈を強く帯びています。
同じ「選考に関わっている」という状況でも、相手や場面によって言葉の堅さを調整できるのがこの3表現の便利さです。友人への近況報告なら be up for a job、履歴書や面談の説明なら be considered for a position というように、フォーマル度の幅を意識して選ぶと、場面に合った自然な言い方になります。apply for a job はその中間に位置し、社内の同僚への報告にも、やや丁寧な場面にも対応できる汎用性の高さが特徴です。
選考の状況を伝えるときは、相手との距離感に応じて言葉の堅さを調整してみましょう。
まとめ|からかわれながらの一歩
be up for a job は、希望している段階を超えて、すでに選考の対象として扱われている状態を表す表現です。up という一語に、候補者リストに名前が挙がっているという具体的な進行が込められています。
ハワードにからかわれながらも近況を明かしたラージの姿のように、大事な知らせは軽い会話の中でふと明かされることもあります。転職や昇進の話題が出たときには、この一言で自分の立ち位置を端的に伝えられるでしょう。まだ結果が出ていない段階でも、現在地をはっきり言葉にできる表現として役立ちます。
選考の候補に挙がっているという一歩を、近況報告の表現の引き出しに加えてみてください。


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