海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン4第12話では、フリン一家を裏で操っていた黒幕の正体をめぐって、ピーターとチームが政治の中枢に近づく捜査を進めていきます。建築家に成りすましたニールが借り物の権威ある言葉で自分を大きく見せる話し方と、公の場では模範的な言葉を、私的な場では脅しに近い言葉を使い分けるプラットの話し方に対して、ピーターの言葉だけが終始、飾りのない事実の言葉であり続けます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン4第12話は、フリン一家の背後にいた上院議員プラットの正体が明らかになるところから動き出す。ピーターとチームは、ニールに建築家を装わせて不正契約の証拠集めに乗り出し、プラットとの距離を少しずつ詰めていく。並行してモジーは、亡きエレンが遺した謎の鍵の正体を探るため、奇妙な情報屋ジマーとの駆け引きに挑んでいく。捜査が政治の中枢に近づくにつれ、FBIチームの足元にも思わぬ波紋が広がっていく。『ホワイトカラー』S04E12のあらすじを追うときは、公の場と私的な場でニールとプラットの言葉づかいがどう変わるかに注目すると、緊張感の正体が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. come through
(待っていたものが)ようやく届く、期待に応える
Peter: The marshals finally came through.
(保安官局がようやく届けてくれたよ。)
亡き相棒エレンの遺品が保安官局からようやく届いたと、ピーターがニールに報告する場面。finallyを添えた過去形の一言に、長く待たされたあとの安堵がにじむ。
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2. stand a chance
見込みがある、勝ち目がある
Pratt: Kid never stood a chance.
(あの子には端から勝ち目などなかった。)
犯罪一家に生まれたフリン・ジュニアの人生を、父親のせいで最初から見込みがなかったと、プラットが突き放すように評する場面。neverで完全否定する言い方に、他人の人生を計算高く切り捨てる冷たさが表れている。
3. read up on
~について予習する、事前に調べておく
Peter: I read up on the D.C. Flynns.
(ワシントン時代のフリン一家について調べておいた。)
上院議員プラットとの面会の席で、ワシントン時代のフリン一家について調べてきた内容を、ピーターがプラット本人に向けて切り出す場面。過去形で淡々と切り出す言い方に、反応を探りながら核心に迫る捜査官らしい姿勢が表れている。
4. how much does … run?
~はいくらぐらいするか
Peter: How much does that run him?
(それはいくらぐらいするんだ?)
プラットが立ち寄る高級理髪店の伝統的なシェービングの値段を、ピーターが尋ねる場面。捜査とは関係のない細部まで気になる、率直な問いかけの言い方である。
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5. damn well
間違いなく、絶対に
Elizabeth: If you have to lie to his face to keep him safe, you damn well lie to his face.
(彼を守るために面と向かって嘘をつく必要があるなら、迷わずそうしなさい。)
ピーターに嘘をつくことをためらうニールに対し、彼を守るためなら迷うなとエリザベスが強く言い切る場面。you damn well ~という強い命令調の言い方に、正しさよりも大切な人を守ることを優先する彼女の意志が表れている。
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6. red flag
危険信号、要注意のサイン
Diana: Multiple change orders is a red flag for fraud.
(変更届が何度も出されているのは、不正の危険信号だ。)
建築計画の変更届が何度も出されていることが不正の兆候だと、ダイアナが指摘する場面。is a red flag forと言い切ることで、細かな書類の不備を事件の手がかりへと転換している。
7. make no promises
約束はしていない、確約はできない
Zimmer: I made no promises.
(約束などしていない。)
差し出した宝物を代償に得た手がかりがわずかだったとモジーに詰め寄られ、情報屋ジマーが端的に切り返す場面。made no promisesと過去形で言い切ることで、期待に応える義理はないと線を引いている。
8. lie to someone’s face
(人に)面と向かって嘘をつく
Peter: He just lied to me, right to my face.
(あいつは今、俺に面と向かって嘘をついたんだ。)
信頼していた相手に真正面から嘘をつかれていたと知ったピーターが、怒りを露わにする場面。right to my faceと言い添える言い方に、対面での裏切りへの強い衝撃が表れている。
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9. sign off on
(書類・計画などを)正式に承認する
Diana: City signed off on your building.
(市がお前の建物を正式に承認したよ。)
ニールが仕立てた建築計画に、市の許可がようやく下りたとダイアナが報告する場面。signed off onという事務的な言い方の裏に、思いがけない後ろ盾の存在も見え隠れする。
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10. put something on the table
(提案・条件などを)提示する
Hughes: An hour later, the Director phoned me and put early retirement on the table.
(一時間後、長官から電話があって、早期退職の話を持ちかけられた。)
プラットの圧力によりFBI長官から早期退職という選択肢を突きつけられたと、ヒューズが説明する場面。put ~ on the tableという言い方が、選べるはずのない条件を選択肢のように差し出す皮肉を映している。
このエピソードの英語学習ポイント
建築家「ウィリアム・グレイ」に成りすましたニールは、まず自作の建築案を語りながら「Honesty and clarity on 70 floors.」と短く売り込む。そこへプラット到着の一報が入ると、足止めの間をつなぐようにフランク・ロイド・ライトの言葉を持ち出すが、言い終わらないうちに遮られてしまう。自分の言葉で始め、権威ある他人の言葉を土壇場の時間稼ぎに使うところに、偽の身分を演じている本人が誠実さを語るという皮肉が重なっている。
上院議員プラットも、公と私で言葉を使い分ける。記者会見では「Public corruption is something I cannot tolerate.」と模範的な建前を語る一方、フリン・ジュニアの死については「Kid never stood a chance.」と、父親のせいで最初から見込みがなかったと突き放す。さらにニールに対しては「I’m aware of your situation, Mr. Caffrey, your background, your father.」と、穏やかな口調のまま父親の件をちらつかせる。公の場での断固たる建前と、私的な場での冷淡な計算とが、同じ人物の中で違和感なく同居している。さらに言えば、フリン・ジュニアを評するときも、ニールを揺さぶるときも、プラットは「父親」という同じ材料を持ち出している。他人の弱みを見つけて言葉の武器に変える計算高さが、公私どちらの場面でも変わらず働いている。
これに対し、ピーターの言葉は場面が変わっても揺らがない。「I read up on the D.C. Flynns.」とプラット本人に向けて調べてきた内容を切り出し、「How much does that run him?」と気になる細部を率直に尋ね、裏切りを知った場面では「He just lied to me, right to my face.」と飾らない怒りを吐き出す。演技も建前も持ち込まず、事実かどうかだけを問題にする話し方が、この回を通じて変わらない。
この回を見るときは、ニールとプラットの声のトーンが、公の場と私的な場でどう切り替わるかに耳を傾けてみてほしい。同じ人物が別の顔を見せる瞬間の間の取り方には、台詞の意味だけでは伝わらない緊張感が表れているはずだ。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|借り物の権威を纏って自分を大きく見せる英語
建築家「ウィリアム・グレイ」に成りすましたニールは、この回を通じて演技力そのものを武器にする。エドワーズを口説く場面ではまず自作の建築案を語り、「Honesty and clarity on 70 floors.」(70階建ての誠実さと明快さです。)と短い決め台詞で売り込む。
プラット到着の一報が入り足止めを強いられると、ニールは間をつなぐようにフランク・ロイド・ライトの権威ある言葉を持ち出すが、言い終わらないうちに遮られてしまう。自分の言葉で場を掴んだあと、他人の言葉を土壇場の時間稼ぎとして使う組み立てには、偽の身分を演じている本人が誠実さを語るという皮肉も重なっている。権威も誠実さも、この場面のニールにとっては相手を動かすための道具として扱われている。
ピーター|捜査に徹し、事実だけを一直線に告げる英語
上院議員プラットとの面会の席で、ピーターは「I read up on the D.C. Flynns.」(ワシントン時代のフリン一家について調べておいた。)とプラット本人に向けて切り出し、理髪店の値段が気になれば「How much does that run him?」(それはいくらぐらいするんだ?)と率直に尋ねる。
信頼していた相手に裏切られたと知った場面でも、「He just lied to me, right to my face.」(あいつは今、俺に面と向かって嘘をついたんだ。)と、飾らない言葉で怒りを吐き出す。報告・質問・怒りのいずれの場面でも、ピーターの英語には演技や建前が入り込む余地がなく、事実かどうかだけを問題にする話し方が一貫している。
プラット|公の建前と私的な脅しを使い分ける英語
記者会見に立つプラットは、「Public corruption is something I cannot tolerate.」(汚職は断じて容認できません。)と模範的な建前を語る。ところがフリン・ジュニアの死については「Kid never stood a chance.」(あの子には端から勝ち目などなかった。)と、父親のせいで最初から見込みがなかったと突き放す。
疑いをかけられた場面では、ニールに向けて「I’m aware of your situation, Mr. Caffrey, your background, your father.」(君の立場は承知しているよ、キャフリー君。君の経歴も、君の父親のこともね。)と、穏やかな口調のまま父親の件をちらつかせる。cannot tolerateという断固たる公式見解と、I’m aware of ~という穏やかな私的な脅しは、語調こそ正反対だが、どちらも自分の立場を守るための計算された言葉である点で一致している。
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