海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン6第3話では、宿敵ケラーとの協力を強いられたニールが、ある企業の秘書に接触する任務に取り組む。得を示して相手を意のままに動かす交渉的な話し方と、一言で場を仕切る指示の話し方の対比が、この回の会話には表れている。
あらすじ(ネタバレなし)
かつての宿敵マシュー・ケラーがインターポールの情報提供者としてピンク・パンサーズに潜り込んでいたことが判明し、首謀者ウッドフォードの命令でニールはケラーとの協力を余儀なくされる。二人はハイテク企業アトラス・テックの金庫から謎のファイル「Exodus」を盗み出すため、CEOの秘書エイミーに近づく作戦を進めていく。並行してインターポールの捜査官ルノーがFBIの捜査に割り込み、ピーターは足並みの乱れた四者をまとめようと動く。モジーは骨董品まがいの古いディスクの解読に手を焼きながらも、盗み出す算段を練り上げていく。『ホワイトカラー』S06E03の展開を追うときは、誰が得を示して相手を丸め込もうとし、誰がそれを一言の指示に変えているかに注目すると、会話の駆け引きが見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. watch and learn
よく見て学べ、見て覚えろという意味です。
Keller: Watch and learn.
(よく見て学んでおけ。)
エイミーに近づく役目を巡り、自分の腕前を誇示するケラーがニールに向かって言う場面です。短い命令形をそのまま投げつける言い方に、腕前を疑われたくないケラーの自負がにじみます。
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2. under control
(状況などが)制御下にある、うまく収まっているという意味です。
Neal: I had it under control.
(ちゃんと自分でうまくやっていたさ。)
エイミーへの接近をひとりでやり遂げたと強がるニールに、ケラーがすかさず茶々を入れる場面です。had it under controlと過去形で強調する言い方に、手柄を横取りされたくないニールの意地がのぞきます。
3. trip over each other
互いに邪魔し合う、足並みが乱れるという意味です。
Peter: We can’t be tripping over each other.
(お互いに邪魔し合っている場合じゃない。)
FBI・インターポール・ケラー・ニールの4者が顔をそろえ、ピーターが協力体制を呼びかける場面です。We can’tと否定形で先に釘を刺す言い方に、この場を仕切る責任者としての姿勢が表れています。
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4. be in the wind
(誰にも気づかれず)姿をくらます、逃げおおせるという意味です。
Mozzie: And then we are in the wind with no one the wiser.
(それで、誰にも気づかれずに姿をくらませるってわけだ。)
清掃員に扮して得た情報をもとに、モジーがファイル窃盗の抜け道を説明する場面です。And then we areと計画の最終段階を淡々と締めくくる言い方に、抜け目のない計算高さが表れています。
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5. kill someone
(比喩的に)~をひどく落ち込ませる、たまらない気持ちにさせるという意味です。
Neal: It’s gonna kill her when she gets home and discovers that disk.
(家に帰ってあのディスクに気づいたら、彼女はひどく傷つくだろうな。)
偽のディスクを仕込んだことでエイミーが帰宅後にひどく傷つくはずだと、ニールがピーターに心情を吐露する場面です。It’s gonna killと比喩的な言い方で痛みの大きさを表すところに、作戦の駒として扱うだけでは済まないニールの後ろめたさがのぞきます。
6. get off scot-free
何のお咎めもなく済む、無罪放免になるという意味です。
Amy: You two get off scot-free.
(あなたたちは何のお咎めもなく済むってわけ?)
自分だけが罪をかぶり、ニールたちは無傷で済むのかとエイミーが問い詰める場面です。You twoと相手をひとまとめにして名指しする言い方に、置き去りにされる側の苛立ちが表れています。
7. climb the ladder
(地位などを)一段ずつ上がっていく、出世するという意味です。
Neal: You’re gonna climb the ladder.
(お前は出世していくんだよ。)
罪をかぶって自首しようとするエイミーを引き止め、ニールが別の道を示す場面です。You’re not going to jail.に続けて短く言い切る言い方に、相手を安心させながら次の行動へ誘導する交渉術が表れています。
8. in exchange for something
~と引き換えにという意味です。
Neal: He gets the disk back, no one will ever know it was gone, but in exchange for your silence, you get a promotion to the level you deserve.
(彼はディスクを取り戻し、それが消えたことは誰にも知られない。その代わり、君は黙っている引き換えに、ふさわしい地位への昇進を手に入れる。)
エイミーに罪をかぶらせず解決させようと、ニールが上司との交換条件を組み立ててエイミーに授ける場面です。but in exchange for ~と損得を並べて提示する言い方に、相手に選ばせる形を取りながら誘導する話術が表れています。
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9. put someone in harm’s way
~を危険にさらすという意味です。
Neal: I never should have put Amy in harm’s way.
(エイミーを危険にさらすべきじゃなかった。)
ルノーに平手打ちされたニールが、エイミーを危険に巻き込んだ自分を責める場面です。never should haveと過去の判断を悔いる言い方に、交渉の裏にあった後ろめたさがそのまま表れています。
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10. footloose and fancy free
何にも縛られず自由気ままなという意味です。
Keller: Because when you’re footloose and fancy free, those people that you love so much… they’re on death row.
(自由気ままに過ごしているつもりでも、その間、お前が大切にしている人間たちは死刑囚も同然なんだ。)
自由を手に入れたつもりでも、大切な人が危険にさらされ続けると、ケラーがニールに不穏な忠告を残す場面です。those people that you love so muchと相手の弱みを名指ししてから脅す言い方に、ケラーらしい容赦のなさが表れています。
このエピソードの英語学習ポイント
罪をかぶって自首しようとするエイミーに、ニールはまず「You’re gonna climb the ladder.」と出世という得を示して引き止める。続けて交渉の場では「He gets the disk back, no one will ever know it was gone, but in exchange for your silence, you get a promotion to the level you deserve.」と、損得を並べて選ばせる形に持ち込む。相手を追い詰めるのではなく利益を提示して望む方向へ誘導する話し方には、コンゲーム師としてのニールの手口がそのまま映し出されている。ケラーが「Watch and learn.」と自分の腕前を誇示して見せるのとは対照的に、ニールは手口を宣言せず静かに実践する。
一方でピーターの言葉は、得を示すのではなく前提を言い切ることで場を動かす。FBI・インターポール・ケラー・ニールの四者が顔をそろえた緊張した場で、ピーターは「We can’t be tripping over each other.」と一文だけで足並みの乱れを戒め、金庫から持ち出されたディスクの件では「That should have never left the vault.」と判断の誤りをその場で正す。長々と説得する代わりに、守るべき前提を短く言い切るところに、複数の思惑が絡む現場を仕切る手際が表れている。
モジーの言葉は、この二人のどちらとも違う働きをしている。ファイル窃盗の段取りを「And then we are in the wind with no one the wiser.」と締めくくり、古いディスクの解読に手間取る場面では「It’s not like loading a dishwasher. It’s more like making a seating arrangement for a wedding, putting the right people together so that they might actually talk to each other.」と身近なたとえに置き換えて説明する。誰かを動かすためではなく、複雑な状況を分かりやすい形に翻訳するための言葉である。
この回を見返す際は、その一言が相手を得で誘導しようとしているのか、前提を言い切って場を統制しようとしているのか、それとも状況をかみ砕いて説明しようとしているのかを聞き分けてみると、同じ交渉ごとでも人物ごとに異なる言葉の使い方が見えてくる。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|相手に得を示して自分の意のままに動かす交渉巧者
罪をかぶって自首しようとするエイミーを、ニールは「You’re gonna climb the ladder.」とまず出世という得を示して引き止める。続けて交渉の場では「He gets the disk back, no one will ever know it was gone, but in exchange for your silence, you get a promotion to the level you deserve.」(彼はディスクを取り戻し、それが消えたことは誰にも知られない。その代わり、君は黙っている引き換えに、ふさわしい地位への昇進を手に入れる。)と、損得を並べて選ばせる形の交渉に持ち込む。相手を追い詰めるのではなく利益を提示して自然に望む方向へ誘導する話し方は、コンゲーム師としてのニールの手口をそのまま映している。
だが同じ口で、ニールは自分の手口の代償も認める。ルノーに平手打ちされたあと「I never should have put Amy in harm’s way.」と漏らす一言には、交渉の駒として扱ったエイミーへの後ろめたさがにじむ。人を言葉で動かす技術と、その代償への自覚が同居するところに、ニールらしい複雑さが表れている。
ピーター|多くを語らず一言で指示を通す仕切り役
FBI・インターポール・ケラー・ニールの四者が顔をそろえた緊張した場で、ピーターは「We can’t be tripping over each other.」(お互いに邪魔し合っている場合じゃない。)と一文だけで足並みの乱れを戒める。長々と説得する代わりに、まず全員が守るべき前提を短く言い切るところに、複数の思惑が絡む現場を仕切る手際が表れている。
盗み出したディスクが金庫から持ち出されたと知った際にも「That should have never left the vault.」と即座に指摘し、判断の誤りをその場で正す。ニールが得を示して相手を動かすのに対し、ピーターは前提や規則を短く言い切って場を統制する、対照的な話し方がここにはある。
モジー|複雑な仕掛けを軽妙なたとえで解き明かす相棒
ファイル窃盗の段取りを、モジーは「And then we are in the wind with no one the wiser.」(それで、誰にも気づかれずに姿をくらませるってわけだ。)と締めくくり、計画の最終段階を涼しい顔で語る。得体の知れない古いディスクの解読に手間取る場面でも、「It’s not like loading a dishwasher. It’s more like making a seating arrangement for a wedding, putting the right people together so that they might actually talk to each other.」と、身近なたとえに置き換えて説明する。
交渉で人を動かすニールや、指示で場を仕切るピーターとは違い、モジーの言葉は誰かを動かすためではなく、複雑な状況を分かりやすい形に翻訳するために使われている。骨董品まがいの技術と軽妙な比喩を同居させる話し方が、この回でも変わらぬモジーらしさを保っている。
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