「not for someone to say」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S12E03で学ぶ英会話

「not for someone to say」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

友人の恋愛や結婚生活について本音では思うところがあっても、それを口に出さずに「それは自分が言うことじゃない」と一歩引いてしまった経験はありませんか。

そんな場面にぴったりの「not for someone to say」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第3話の前半、友人スチュアートの交際についてバーナデットに尋ねられたハワードの返答から、一緒に見ていきましょう。

目次

「not for someone to say」の意味とニュアンス

not for someone to say
意味:(自分が)口出しすべきことではない

not for someone to sayは、判断や評価を口にする権利や資格が自分の側にはないという立場を示す表現です。someoneの部分にme、us、youなどの代名詞を入れて使います。本音では意見を持っていても、それを口にするのは自分の役目ではないと一歩引いて見せるニュアンスが核にあります。

forの後ろに置かれる語がその判断の「主体」を表すという構造も押さえておきたいポイントです。not for me to sayなら「私が言うべきことではない」、not for us to sayなら「私たちが言うべきことではない」という具合に、誰の立場から見て口を出す資格がないのかが変わります。誰かの私生活や他部署の決定など、自分が当事者ではない事柄について感想を求められた時に、角を立てずに一歩引く言い方として重宝されます。

似た構文にit’s not up to me(私が決めることではない)がありますが、こちらは決定権そのものの所在を示すのに対し、not for me to sayは判断や評価を「口にする」行為そのものへの遠慮を表す点で少し役割が異なります。

【ここがポイント!】

  • not for me to sayの核は、判断する資格が自分にはないと一歩引く姿勢
  • 本音を隠しつつ角を立てない、大人の距離感が出る言い回し
  • forの後ろの語で「誰の立場から見て言えないのか」が変わる点に注目

『ビッグバン★セオリー』S12E03のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

読書やスマートフォンでくつろいでいたハワードとバーナデットのところへ、スチュアートが交際相手のデニースと一緒に戻ってきます。二人が部屋にこもったことを気にかけるバーナデットが、ハワードにその感想を尋ねる場面です。

Bernadette: How do you feel about this?
(ねえ、それについてどう思う?)

Howard: That she can clearly do better, but that’s not for me to say.
(彼女ならもっといい相手を見つけられると思うけど、それは俺が言うことじゃないよな。)

Bernadette: No, with them in his room, doing stuff.
(違うわよ、二人があの子の部屋で、そういうことをしてるかもってことよ。)

Howard: Come on, we’re sitting right out here. They’re not gonna do anything. I’d like to change my answer.
(おいおい、俺たちはすぐ外に座ってるんだぞ。二人とも変なことするわけないだろ。……さっきの答え、変えさせてくれ。)

The Big Bang Theory Season12 Episode3 (The Procreation Calculation)

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シーン解説と心理考察

バーナデットに問われたハワードは、デニースの交際相手としてスチュアートが本当にふさわしいのかという評価を求められたと受け取り、内心の見立てを持ちながらも「それは俺が言うことじゃない」と評価を差し控えます。友人夫婦らしい気安さの中にも、他人の交際に口を出すことへの遠慮がにじむ返答です。

ところがバーナデットの真意は交際そのものの是非ではなく、二人が部屋にこもって何をしているかという心配でした。質問の意味を取り違えていたと気づいたハワードは、慌てて「さっきの答え、変えさせてくれ」と態度を一変させます。一つの問いかけがまったく違う意味で受け取られていく展開の落差が、この短いやり取りの面白さを生んでいます。友人の交際について評価を差し控えようとした慎重さが、まったく別の心配事の前であっさり崩れてしまう様子も、このやり取りならではの人間味です。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

自分の意見という言葉を、口の前に置いた手でそっと押しとどめている場面を思い浮かべてみましょう。not for me to sayは、本音を飲み込んで一歩引く仕草をそのまま言葉にしたような表現です。

ハワードが最初に見せた「それは俺が言うことじゃないよな」という態度も、まさにこの押しとどめる仕草そのものでした。誰かの私生活について本音を持ちながらも、それを口にする資格は自分にはないと線を引く場面に出会ったら、この手のイメージとセットで思い出してみてください。手のひらで言葉を押しとどめる感覚が身につくと、日常のとっさの受け答えでも自然に口をついて出てくるようになります。

例文で覚える「not for someone to say」

not for someone to sayは、自分が当事者ではない事柄について感想を求められた場面で使い勝手のよい表現です。3つの例文で確認していきましょう。

She could definitely find a better job, but that’s not for me to say.
(彼女はもっといい仕事を見つけられるはずだけど、それは僕が言うことじゃない。)
友人のキャリアについて感想を求められた場面です。本音を持ちつつも評価を控える大人の距離感が伝わります。

Whether the plan will succeed is not for me to say at this stage.
(この計画が成功するかどうかは、今の段階で私が言うことではありません。)
プロジェクトの見通しについて意見を求められたビジネスの場面です。判断材料が不足している段階で断定を避ける言い方として使えます。

A: Do you think he made the right decision?
B: That’s not for me to say, but I hope it works out.
(A:彼の決断は正しかったと思う?)
(B:僕が言うことじゃないけど、うまくいくといいね。)
共通の知人の決断について話す場面です。判断を避けつつも相手への気遣いを添える返し方が自然に伝わります。結果を評価する言葉を控えつつ、相手の幸せを願う気持ちだけは素直に伝えられる言い回しです。

あわせて覚えたい関連表現

It’s not my place to say
(私が口を出す立場ではない)
not for me to sayとほぼ同じ場面で使えますが、not my place to sayは「役割・立場」に焦点が強く、自分の役目ではないという含みがより明確に出ます。

Who am I to say?
(私に言う資格があるだろうか)
反語的な疑問文になっており、謙遜のニュアンスがより強く出ます。not for me to sayよりも感情的・自嘲的な響きに寄る言い方です。

I’ll let you be the judge of that
(それはあなたが判断してください)
自分の意見を保留する点は共通していますが、判断を相手に直接委ねる分だけ、not for me to sayよりも会話の相手にボールを渡すニュアンスが強くなります。

Note|他人の私生活に一歩引く、アメリカのシットコムに見る距離感

not for me to sayという一言は、友人や同僚の私生活について感想を求められた場面でたびたび登場します。

アメリカのホームコメディでは、恋愛や結婚といった個人的な選択について、周囲の人物が一歩引いて見守る姿勢がしばしば描かれます。相手の判断そのものには口を出さず、必要とされたときだけ手を貸すという距離感は、自己決定を尊重する態度の表れとして繰り返し登場する型です。友人のパートナー選びについて本音では思うところがあっても、それを面と向かって指摘するのではなく、そっと胸の内にしまっておくという振る舞いは、日本語の会話文化における遠慮とも重なる部分がありながら、少し異なる角度から表現されているのが興味深いところです。

今回のハワードの返答も、まさにこの「口を出さない」型の一例です。友人の交際相手について内心では見立てを持ちながら、それを言葉にする資格は自分にはないと一歩引いたからこそ、後の会話がすれ違いに発展するおかしみにもつながっています。

角を立てずに一歩引く、その加減にこそ大人の会話の妙があります。線を引く場所を間違えなければ、友人との距離感を保ったまま本音を胸に留めておくことができます。

まとめ|口には出さない、けれど気にかけている

not for me to sayは、判断や評価を口にする資格が自分にはないと一歩引いて見せる表現です。

友人の私生活や自分が当事者ではない事柄について感想を求められた場面で、角を立てずに本音を控える言い回しとして会話に馴染みます。

デニースの交際相手としての適性を尋ねられたハワードのように、内心の見立てを持ちながらも一歩引く返し方は、表現の引き出しに加えてみてください。

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