海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
急に大きな決定権を任されて、つい気が大きくなってしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
そんな高揚感がにじむ「on one’s own time」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第7話の中盤、研究費配分の権限を得て次々と申請を却下していくレナードのやり取りから、一緒に見ていきましょう。
「on one’s own time」の意味とニュアンス
on one’s own time
意味:自分の時間に、勤務時間外に、私用の時間で
on one’s own timeは、業務時間や共有の時間ではなく、個人の自由な時間に何かをすることを表す口語表現です。onが「〜の時に」、one’s own timeが「自分自身の時間」を示し、みんなの時間とは切り離された個人の枠組みを表します。
会話の中では、単なる時間の区別というより「勝手にやってくれ」「業務とは無関係に処理してくれ」というやや突き放したニュアンスで使われることも多くあります。上司が部下に指示する場面や、公私を区別したい場面で耳にする表現で、命令口調とセットで使われると、その突き放し感がより強く伝わります。逆に、自分について「on my own time」と言えば、業務外の努力や自主的な取り組みを控えめにアピールする言い方にもなります。
誰の時間なのかを示す所有格の部分を入れ替えるだけで、指示の相手にも自分自身にも使い回せる柔軟さも、この表現が幅広い場面で耳にされる理由のひとつです。your own timeにすれば相手への指示に、my own timeにすれば自分の行動の説明に、そのまま形を変えて使えます。
【ここがポイント!】
- 「on one’s own time」の核は、共有の時間ではなく個人の時間という枠組みを示すこと
- 命令調で使われると「勝手にやってくれ」という突き放したニュアンスが強まる
- 自分について使うと、自主的な努力をさりげなく伝える言い方にもなる
『ビッグバン★セオリー』S12E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。研究費の配分権を手にしたレナードが、次々と申請を却下していく「ボス」ぶりを発揮する場面です。普段は気弱なレナードが強気になっていく様子に注目です。
Penny: Yeah, just so decisive.
(そうそう、すごく決断力があるって感じ。)Leonard: Well, check this out. A standing desk. Denied!
(じゃあ、これを見てくれよ。スタンディングデスクの申請だ。却下!)Penny: Ooh!
(おおっ!)Leonard: If you wanna stand, do it on your own time. Cause I’m the boss.
(立ちたいなら、自分の時間にやってくれ。だって僕がボスなんだから。)Penny: Yeah, you are!
(ほんとだ、あなたがボスね!)The Big Bang Theory Season12 Episode7 (The Grant Allocation Derivation)
シーン解説と心理考察
研究費の配分権を与えられて気をよくしたレナードは、次々と申請を却下していく様子をゲームのように楽しんでいます。ペニーが「すごく決断力があるって感じ」と持ち上げると、レナードは「スタンディングデスクの申請だ。却下!」と、まるでオーディションの審査員のように申請を切り捨てていきます。普段は優柔不断な一面が強調されがちなレナードが、慣れない権限に浮かれて強気になっている様子が滑稽に映ります。
続けてレナードが「立ちたいなら、自分の時間にやってくれ。だって僕がボスなんだから」と冗談めかして命令すると、ペニーも「ほんとだ、あなたがボスね!」とノリよく合わせます。二人のやり取りには、普段とは違うレナードの姿を面白がりながら受け止めるペニーの余裕と、束の間の権力を無邪気に楽しむレナードの様子がよく表れています。ちょっとした裁量を手にしただけで口調まで変わってしまう人間らしさも、このやり取りの見どころのひとつです。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
「自分自身の(one’s own)時間(time)の上に(on)乗せる」イメージで、みんなの時間ではなく自分だけの時間の枠に押し込む様子を思い浮かべると覚えやすくなります。共有の領域から個人の領域へと線を引き直す、そんな仕切り直しの動作として捉えるとイメージがつかみやすくなります。
レナードが「立ちたいなら、自分の時間にやってくれ」と言い放った場面も、業務時間という共有の枠から、相手個人の時間へとその話題を押し出す動きそのものでした。線を引く側に立つと少し強気な響きになる、そんな力関係の感覚とセットで覚えておくと、実際の会話でもニュアンスを込めて使いやすくなります。
例文で覚える「on one’s own time」
on one’s own timeは、業務時間と私用の時間を線引きする場面でよく使われます。3つの例文で使い方を確認していきましょう。
You can check your phone on your own time, not during the meeting.
(携帯は自分の時間にチェックしてくれ、会議中はだめだ。)
会議中の注意場面です。not during the meetingを添えることで、何と対比しているのかがはっきり伝わります。
Employees are allowed to study for certifications on their own time.
(社員は自分の時間で資格の勉強をすることが認められている。)
就業規則を説明するフォーマルな場面です。会社の制度を客観的に説明する際にも使いやすい言い方です。
A: Can I use the office gym now?
B: Sure, just do it on your own time.
(A:今オフィスのジムを使ってもいい?)
(B:いいよ、自分の時間にね。)
職場での気軽なやり取りです。条件付きの許可を出すときに便利な言い回しです。
あわせて覚えたい関連表現
on company time
(勤務時間中に)
on one’s own timeの対義的な表現で、会社の時間を使っていることを指します。今回のフレーズとセットで覚えておくと、公私の区別を伝える語彙の幅が広がります。
in one’s spare time
(余暇に、暇な時間に)
on one’s own timeが「本来の業務時間ではない」ことを強調するのに対し、こちらは単に「自由時間に」という中立的な言い方です。
off the clock
(勤務時間外で)
主に労働時間の管理を意識した表現で、on one’s own timeよりもやや事務的なニュアンスを持ちます。タイムカードのオンオフを連想させる、勤務管理寄りの言い回しです。
Note|on one’s own timeとin one’s free time、「自分の時間」の伝わり方の違い
「自分の時間に」を表す言い方は、on one’s own time以外にもあります。
似た意味を持つ表現にin one’s free timeがあります。どちらも業務や義務から離れた個人の時間を指しますが、伝わる響きには違いがあります。in one’s free timeは、単純に「暇な時間、余暇の時間」という中立的な情報を伝える言い方で、趣味や休息の話題に自然になじみます。一方でon one’s own timeは、本来なら共有されるべき時間や場所から意識的に切り離された時間というニュアンスを帯びやすく、「業務時間中はだめだが、自分の時間ならいい」という線引きの文脈で使われることが多い表現です。命令や指示の中で使われると、その線引きの強さがより際立ちます。
レナードが「自分の時間にやってくれ」と言った場面も、単に暇な時間を指していたわけではなく、業務の場から相手の私的な時間へと話を押し出す線引きの意味合いが込められていました。同じ「自分の時間」でも、どちらの表現を選ぶかで会話の温度が変わってきます。純粋に予定を尋ねたいだけならin one’s free timeの方が角が立たず、線引きの意図を伝えたいならon one’s own timeの方が意図がはっきり伝わるという使い分けの目安になります。
自由な時間を語る言葉ひとつにも、こうした細かな線引きの違いが潜んでいるのは興味深いところです。
まとめ|「自分の時間」という一言で引く、境界線
on one’s own timeは、共有の時間から切り離された個人の時間を示す表現です。
業務時間と私用の時間を区別したい場面で使うと、公私の線引きを一言でさりげなく伝えられます。
「立ちたいなら、自分の時間にやってくれ」と冗談めかして権限を振りかざしたレナードの一言のように、状況に応じた線引きの言葉として、ぜひ会話の中で使ってみてください。公私の境目をやわらかく示したいときにも、きっぱり示したいときにも役立つ一言です。誰の時間なのかを一言添えるだけで、指示や許可の伝わり方も大きく変わってきます。


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