「get someone thinking」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S12E10で学ぶ英会話

「get someone thinking」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

何気なく見ていた映画の一場面が、思いがけず自分の将来について考えるきっかけになるような瞬間が、ドラマには時々あります。

そんな瞬間にぴったりの「get someone thinking」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第10話の中盤、落ち込むシェルドンが過去に自分自身へ向けて録画をした理由を語る場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「get someone thinking」の意味とニュアンス

get someone thinking
意味:人に考えるきっかけを与える

get someone thinkingは、何かをきっかけに人が考え始めることを表す使役的な構文です。get + 目的語 + -ingという形を取ることで「(結果として)〜し始めさせる」という意味になり、強制ではなく自然な流れの中で考えを促すニュアンスがあります。何かに直接命じられて考えるのではなく、出来事や言葉に触れたことがきっかけとなって、頭の中で自然と思考が動き出す様子を表しています。

映画や本、誰かの一言などがきっかけで新しい発想や疑問が浮かんだことを説明する場面で幅広く使われる表現で、話し手自身がまだ結論を出しきっていない、思考の途中経過を語るときにも向いています。きっかけとなる出来事を主語に置ける柔軟さも特徴で、人だけでなく体験そのものが考えを動かした、という語り方ができる点も便利です。

【ここがポイント!】

  • 「get someone thinking」の核は、出来事がきっかけで自然に思考が動き出すイメージ
  • 強制ではなく、自分の内側から考えが湧き上がってくる穏やかなニュアンスを持つ
  • 結論そのものより、考え始めたという過程を語るときに使うのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S12E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

理論の否定に落ち込むシェルドンを元気づけようと、エイミーが子供の頃に彼自身が録った激励のビデオを持ってくる場面です。最後に見たのはいつかとエイミーに尋ねられたシェルドンが、意外な映画の記憶をきっかけにこのビデオを作った理由を語り始めます。

Amy: Well, I got something that I think might cheer you up. It is the emergency pep talk you made when you were a kid.
(元気が出るかもしれないものを持ってきたの。あなたが子供の頃に録った、非常時用の激励のビデオよ。)

Sheldon: Oh, that. I was saving it for the day they stop making Star Wars movies. I don’t think that’s ever gonna happen.
(ああ、あれか。スター・ウォーズの新作が作られなくなる日のために取っておいたんだ。でも、そんな日が来るとは到底思えない。)

Amy: How long has it been since you’ve seen it?
(最後に見てからどれくらい経つの?)

Sheldon: Not since the day I recorded it. No, I had just watched Back to the Future II, where Marty McFly gets a glimpse of his future self and that got me thinking, the day may come where I needed my help, like they did with that movie. That was not great.
(録画したあの日以来、一度も見ていない。……いや、違う。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』を観たばかりだったんだ。マーティ・マクフライが未来の自分をちらりと見る場面があってね、それで、いつか映画と同じように自分自身の助けが必要になる日が来るかもしれないと考えさせられたのだ。あまり良い話じゃなかったな。)

The Big Bang Theory Season12 Episode10 (The VCR Illumination)

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シーン解説と心理考察

「元気が出るかもしれないものを持ってきたの。あなたが子供の頃に録った、非常時用の激励のビデオよ」とエイミーが切り出すと、シェルドンは「ああ、あれか。スター・ウォーズの新作が作られなくなる日のために取っておいたんだ」といつもの皮肉交じりの返しをします。深刻な状況でも軽口を忘れない様子が見どころです。

「最後に見てからどれくらい経つの?」とエイミーが尋ねると、シェルドンは一瞬「録画した日以来、見ていない」と答えかけますが、すぐに『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』を観たばかりだったことを思い出します。マーティ・マクフライが未来の自分をちらりと見る場面がきっかけとなり、いつか自分自身の助けが必要になる日が来るかもしれないと考えて、少年時代の自分に向けてこのビデオを録っていたことが明かされます。SF映画の一場面から発想を得て実生活に取り入れる、シェルドンらしい思考回路が浮かび上がる瞬間です。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

get(〜させる)+someone(誰か)+thinking(考えている状態)という並びを、そのまま頭の中のスイッチが「考え中」に切り替わる様子としてイメージしてみましょう。きっかけとなる出来事が、そのスイッチを押す指の役割を果たしています。

シェルドンが映画の一場面から将来への備えを思いついた過程も、まさにこのスイッチが切り替わる瞬間そのものでした。何かを見聞きした直後に頭の中で新しい考えが動き出す感覚を思い浮かべておくと、日常のふとした場面でもこの表現が自然に出てくるはずです。スイッチが切り替わった後にどんな考えが浮かんだのかまでセットで語ると、この表現がぐっと生きた言い回しになります。

例文で覚える「get someone thinking」

get someone thinkingは、何かをきっかけに考えが動き出したことを説明するときに便利な表現です。3つの例文で使い方を確認していきましょう。

That documentary really got me thinking about how I use plastic.
(あのドキュメンタリーを見て、プラスチックの使い方について本当に考えさせられた。)
映画や番組の感想を語る日常会話の場面です。reallyという一語が、思考が動き出した勢いの強さを添えています。

Her question got me thinking about my career choices.
(彼女の質問で、自分のキャリアの選択について考えさせられた。)
キャリアについて振り返るビジネスの場面です。questionという具体的なきっかけを添えることで、思考が動き出した理由が明確になります。

A: Why are you rearranging your bookshelf?
B: This article got me thinking about minimalism.
(A:なんで本棚を整理してるの?)
(B:この記事を読んで、ミニマリズムについて考えさせられたんだ。)
生活習慣の変化を語る友人同士の会話です。行動の変化とセットで使うと、考えが実際の行動にまでつながった様子が伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

make someone think
(人に考えさせる)
より直接的で強制的なニュアンスを持つ表現です。get someone thinkingは自然な流れで考え始めさせるという、やや穏やかなニュアンスを持つ点が異なります。

give someone food for thought
(人に考える材料を与える)
名詞表現で、考えるための「材料」を間接的に与えるという言い方です。get someone thinkingは動詞表現で、実際に考え始めるプロセスそのものを表す点が異なります。

spark an idea
(アイデアのきっかけになる)
アイデアが生まれる瞬間そのものに焦点があるのに対し、get someone thinkingは考え続ける状態そのものに焦点がある点が異なります。

Note|SF映画が科学者の発想に与える、意外と大きな影響力

シェルドンが『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の一場面をきっかけに将来への備えを思いついたエピソードは、実は現実の科学者たちにもよくある話です。

SF映画やSF小説が実際の科学的発想のきっかけになった例は数多く知られています。例えば携帯電話の開発者は『スタートレック』の通信機にヒントを得たと語っており、潜水艦の設計にはジュール・ヴェルヌの小説の描写が影響を与えたという逸話も残っています。フィクションの中で描かれる未来の技術や状況は、まだ実現していないからこそ、研究者にとって「こんなものが作れないか」「こんな事態にどう備えるか」を考えるための具体的な出発点になります。シェルドンが未来の自分からの助けを想像してビデオを残しておいたという発想も、フィクションが提示する仮定を自分の人生に応用した、ささやかな思考実験の一例といえます。

映画の一場面が実生活の備えにまでつながったシェルドンの経験は、まさにget someone thinkingという表現が捉えている「出来事がきっかけで自然に考えが動き出す」プロセスそのものです。

空想の物語が、思いがけず現実の行動を後押しすることもあるのですね。

まとめ|映画の1シーンから始まった、シェルドンなりの備え

get someone thinkingは、何かの出来事がきっかけで自然に考えが動き出したことを表す表現です。

映画や本、誰かの一言など、きっかけとなる対象を選ばずに使えるため、日常のさまざまな場面で活躍します。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の一場面から将来の自分への備えを思いついたシェルドンの発想には、SF好きらしい柔軟さと、不安を先取りして行動に移す真面目さの両方が重なっていました。ふとした気づきをそのまま言葉にしたいときに使える、そんな一言です。

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