海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誰かの助言をありがたく思いながらも、最終的には自分の流儀を通したくなるような場面が、日常にはよくあります。
そんな場面にぴったりの「do something one’s own way」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第10話の後半、オーディションへの向き合い方を巡ってハワードとバーナデットが本音をぶつけ合う場面から、一緒に見ていきましょう。
「do something one’s own way」の意味とニュアンス
do something one’s own way
意味:自分のやり方で物事を行う
do something one’s own wayは、他人のやり方や指図に従うのではなく、自分自身の方法・スタイルで物事を進めることを表す表現です。one’sの部分は主語に応じてmy own way、his own wayなどに変化し、誰の視点から語られているかによって形が変わります。
周囲からの助言や干渉を受けつつも、最終的には自分の判断・スタイルを貫きたいと主張する場面でよく使われる表現で、相手のやり方を否定するというより、自分の関わり方を選び直すという前向きなニュアンスがあります。助言をくれた相手への感謝と、自分の意思を通したいという気持ちの両方を同時に伝えられる、バランスの取れた言い回しでもあります。
【ここがポイント!】
- 「do something one’s own way」の核は、他人のレールから自分の足で降り、自分の道を選ぶイメージ
- one’sがmy/his/her/theirと主語に応じて変化する所有格の柔軟さを持つ
- 相手を否定せずに、自分の関わり方だけを選び直すという前向きな響きがあるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S12E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
マジックのオーディションを巡ってハワードが本音を明かした後、バーナデットが自分の過干渉を認める場面です。夢を応援するつもりが、いつの間にか演出まで支配しようとしていたと打ち明けるバーナデットに、ハワードが自分の姿勢を伝えます。
Bernadette: Why didn’t you say something earlier?
(どうしてもっと早く言ってくれなかったの?)Howard: You seemed like you were so happy, and then when I tried to say something, you seemed like you were so mad.
(君がすごく楽しそうにしてたし、それに何か言おうとするたびに、君がすごく怒ってるように見えたんだ。)Bernadette: Hey, this isn’t about me. I just wanted you to have your dream, and I wanted to control everything about how you looked and acted so that your victory was mine.
(ねえ、今は私の話じゃないでしょ。ただ、あなたに夢を叶えてほしかっただけ。それに、あなたの見た目や振る舞いのすべてを私がコントロールして、あなたの勝利を私の勝利にしたかったのよ。)Howard: Well, that’s honest. But if I’m gonna go through with this, I have to do it my own way.
(まあ、正直だな。でも、本当にやるなら、自分のやり方でやらないと。)Bernadette: I respect that, and I’m glad that I helped lead you to this moment.
(その気持ちは尊重するわ。それに、あなたをここまで導けたことを嬉しく思ってる。)Howard: Stop trying to make this your victory!
(これを君の勝利にしようとするのはやめてくれ!)The Big Bang Theory Season12 Episode10 (The VCR Illumination)
シーン解説と心理考察
「どうしてもっと早く言ってくれなかったの?」とバーナデットが尋ねると、ハワードは「君がすごく楽しそうにしてたし、何か言おうとするたびに、君がすごく怒ってるように見えたんだ」と、本音を言い出せなかった理由を説明します。バーナデットが「ねえ、今は私の話じゃないでしょ。ただ、あなたに夢を叶えてほしかっただけ。それに、あなたの見た目や振る舞いのすべてを私がコントロールして、あなたの勝利を私の勝利にしたかったのよ」と、干渉の裏にあった本心を正直に打ち明ける流れです。
ハワードは「まあ、正直だな。でも、本当にやるなら、自分のやり方でやらないと」と、バーナデットの告白を受け止めつつも自分の意思を貫く姿勢を見せます。バーナデットが「その気持ちは尊重するわ。それに、あなたをここまで導けたことを嬉しく思ってる」となおも自分の功績を主張すると、ハワードは「これを君の勝利にしようとするのはやめてくれ!」と声を荒げます。母親のようにハワードをコントロールしようとするバーナデットの癖と、ついに自分の意思を通そうとするハワードの成長がぶつかり合う瞬間です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
他人が敷いたレールの上ではなく、自分だけの地図(one’s own way)を頼りに道を進んでいくイメージで捉えてみましょう。誰かに手を引かれるのではなく、自分の足で選んだ道を歩く様子が、このフレーズの芯にあります。
ハワードが「自分のやり方でやらないと」と告げた場面も、バーナデットに手を引かれたレールから、自分の足で降りようとする瞬間そのものでした。誰かの好意を受け止めながらも、進む道筋だけは自分で選び直す感覚を持っておくと、似た場面でこの表現がすっと出てくるはずです。地図そのものを取り上げるのではなく、進む道だけを自分の手に取り戻すイメージを持つと、相手との関係を壊さずに伝えられます。
例文で覚える「do something one’s own way」
do something one’s own wayは、周囲の助言を受け止めつつ自分のスタイルを貫きたいときに便利な表現です。3つの例文で使い方を確認していきましょう。
I appreciate the advice, but I need to do this my own way.
(アドバイスはありがたいけど、これは自分のやり方でやらせてほしいんだ。)
助言を受け止めつつ自分の意思を伝える場面です。I appreciate the adviceと前置きすることで、相手を否定せずに自分の意志を伝えられます。
He always insists on doing things his own way, even at work.
(彼は仕事でも、いつも自分のやり方でやることにこだわる。)
同僚の仕事の進め方を説明するビジネスの場面です。insists onという言い方が、こだわりの強さを表しています。
A: Why don’t you follow the recipe exactly?
B: I’d rather do it my own way.
(A:どうしてレシピ通りに作らないの?)
(B:自分のやり方でやりたいんだ。)
料理の話をする日常会話の場面です。I’d ratherという言い方が、選択の余地を残しながら自分の流儀を選ぶ柔らかさを添えています。
あわせて覚えたい関連表現
in one’s own way
(それぞれのやり方で、自分なりに)
「それぞれ独自の方法で(何かをする・愛情を示すなど)」という副詞的な補足で使われることが多い表現です。do something one’s own wayは「〜を自分のやり方でやる」と目的語を明示する動詞表現である点が異なります。
call the shots
(采配を振るう、主導権を握る)
意思決定の主導権そのものに焦点がある表現です。do something one’s own wayは決定権よりも「進め方・スタイル」に焦点がある点が異なります。
march to the beat of one’s own drum
(自分のペースを貫く、人と違うやり方をする)
周囲と異なる生き方・価値観全般を表す比喩表現です。do something one’s own wayは特定の物事・作業に限定して使われることが多い点が異なります。
Note|子供の夢を応援する熱意が、時に行き過ぎてしまう理由
バーナデットがハワードの演出まで細かく決めようとした今回の一件は、誰かの夢を応援する立場にある人にとって、他人事とは思えない話かもしれません。
スポーツや習い事、オーディションなど、大きな挑戦の場面では、応援する側が本人以上に熱心になってしまうことがあります。良かれと思って準備を手伝ううちに、いつの間にか衣装や振る舞いまで細かく口を出すようになり、本人の意思よりも応援する側の理想が優先されてしまう、という構図です。バーナデット自身も「あなたの勝利を私の勝利にしたかった」と正直に認めているとおり、応援と支配の境界線は本人にもはっきり見えにくいものです。相手の挑戦を後押ししたいという気持ちそのものは尊いからこそ、どこまで関わるべきかという線引きの難しさが、こうした行き過ぎを生みやすくしています。
ハワードが「自分のやり方でやらないと」とはっきり伝えた場面は、応援してくれる相手の気持ちを否定せずに、自分の意思だけを取り戻そうとする試みでした。do something one’s own wayという表現が持つ「相手を否定せずに自分の関わり方を選び直す」というニュアンスが、そのままこの場面に重なります。
応援する側とされる側の距離感は、いつの時代も繊細なテーマなのですね。
まとめ|夢を応援する熱意と、本人の意思のはざまで
do something one’s own wayは、周囲の助言や好意を受け止めつつ、最終的には自分のスタイルで物事を進めることを表す表現です。
相手を否定せずに自分の関わり方だけを選び直せるため、助言への感謝と自分の意思の両方を伝えたい場面で役立ちます。
自分の勝利をハワードの勝利に重ねようとしていたバーナデットの本心が明かされ、それでも自分のやり方を貫こうとするハワードの姿には、支えてもらう感謝と自分を通す覚悟の両方が重なっていました。誰かの好意に応えながらも自分の流儀を通したいときの表現として、会話のレパートリーに加えてみてください。


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