「give someone that one」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S12E23で学ぶ英会話

「give someone that one」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

議論や軽い言い合いの中で、相手の主張全部には納得できないけれど、その一点だけは正直「それは認めざるを得ない」と思ってしまった経験はありませんか。

そんなときに使える「give someone that one」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第23話の前半、ノーベル賞委員会からの電話を待つ4人が交わす朝の会話から、一緒に見ていきましょう。

目次

「give someone that one」の意味とニュアンス

give someone that one
意味:議論の中で、相手の言い分のうち一点だけを認める

give someone that oneは、相手の主張全体には同意しないものの、指摘された特定の一点についてだけは「それは確かにそうだ」と譲歩する際に使われる口語表現です。giveという動詞が使われているとおり、議論というやり取りの中で、複数ある論点のうち一つだけを相手に手渡すようなイメージを持つ表現です。

“I’ll give you that one.”や”I’ll give you that.”という形でよく使われ、全体としては自分の立場を保ちながらも、部分的な譲歩を示せる便利な言い回しです。相手の指摘が的を射ていたときに、真正面から「あなたが正しい」と認めるほど大げさではなく、あくまで一点に限定した認め方であることがポイントです。thatという指示語が、話の流れの中で出てきた特定の論点だけを指しているところにも、この表現の限定性がよく表れています。

家族や友人同士の軽い言い合いから仕事上の議論まで幅広い場面で使われ、相手との関係を保ちながら議論を続けたいときに重宝します。相手の主張を全面的に受け入れたわけではないと示しつつ、認められる部分は素直に認める。そのバランス感覚こそが、この表現がよく使われる理由だと言えます。

【ここがポイント!】

  • 「give someone that one」の核は、複数ある論点のうち一つだけを相手に手渡すイメージ
  • 全面降伏ではなく、あくまで一点に限定した部分的な譲歩を表す表現
  • 相手との関係を保ちながら軽く認めたいときに使うのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S12E23のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。ノーベル賞委員会からの電話を今か今かと待つ朝、ペニーがコーヒーを配ろうとする場面です。徹夜明けで理屈っぽくなっているシェルドンに、エイミーが科学的な指摘を返しつつ、最後に見せる小さな譲歩に注目です。

Penny: Leonard, coffee?
(レナード、コーヒーは?)

Leonard: Black and strong, like Luke Cage.
(ブラックで濃いめに。ルーク・ケイジみたいにタフな感じでね。)

Penny: I’m too tired to even be disturbed by that. Sheldon?
(もう疲れすぎて、そのボケに構う気力もないわ。シェルドンは?)

Sheldon: Mm, absolutely not, no. The Nobel committee will be making the calls to inform the winners at any minute, so the only drug I need is the endorphins pumping through my brain in anticipation of our victory.
(いや、絶対にいらないよ。ノーベル賞委員会はもういつ受賞者に電話をかけてもおかしくない。だから僕に必要な”ドラッグ”は、勝利を予感して脳内を駆け巡るエンドルフィンだけだ。)

Amy: Well, technically, anticipation wouldn’t be mediated by endorphins as much as dopamine, but, you know, you’ve been up all night, so I’ll give you that one.
(厳密に言えば、期待感を媒介するのはエンドルフィンよりドーパミンのほうが近いのだけれど……まあ、あなたは徹夜しているから、そこは譲っておくわ。)

The Big Bang Theory Season12 Episode23 (The Change Constant)

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シーン解説と心理考察

コーヒーを配ろうとするペニーに対し、シェルドンは「ノーベル賞委員会からの電話を待つ興奮だけで十分だ」と返します。徹夜明けにもかかわらず理屈を並べ立てるところに、シェルドンらしい高揚感が表れています。エイミーはすかさず「期待感を担うのはドーパミンのほうだ」と科学的に訂正し、夫婦そろって理屈で応酬する普段どおりのやり取りが続きます。

しかし続けてエイミーは「あなたは徹夜しているから、そこは譲っておくわ」と締めくくります。科学的な正確さにこだわりながらも、相手が寝不足で気が立っていることを察して、指摘を最後まで押し通さずに一歩引くこの譲り方には、エイミーの人間味がにじみます。訂正そのものを取り下げるのではなく、正確さを保ったまま条件つきで一点だけ譲る言い方を選んでいるところに、彼女らしい理屈っぽさと優しさの両方が表れていると言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

議論というテーブルの上に並んだ複数の論点のうち、相手が勝ち取った一つだけを手渡すイメージを思い浮かべてみましょう。全部をまとめて譲るのではなく、あくまで「その一つだけ」を差し出す限定的な譲歩が、give someone that oneの芯にあります。

エイミーが最後に見せた小さな譲歩も、議論全体を降参したわけではなく、徹夜という条件つきで一点だけを手渡したものでした。テーブルの上の論点を一つずつ数えるようなイメージで覚えておくと、似た場面でもすっと言葉が浮かんできます。手渡す論点が一つだけであることを意識できれば、残りの論点まで一緒に差し出してしまうような使い方も避けられます。

例文で覚える「give someone that one」

日常の議論からビジネスの場面まで幅広く使えるgive someone that oneを、3つの例文で確認していきましょう。

You said the traffic would be terrible, and it really was. I’ll give you that one.
(渋滞がひどいって言ってたけど、本当にその通りだったね。そこは認めるよ。)
友人との軽い会話で、相手の予想が当たっていたことを認める場面です。全面的な白旗ではなく、あくまで一点だけを認めていることが伝わります。

A: I told you this project would take longer than planned.
B: Okay, I’ll give you that one, but the results were worth it.
(A:このプロジェクトは予定より時間がかかるって言ったでしょ。)
(B:わかった、そこは認めるよ。でも結果には見合う価値があったと思う。)
仕事の振り返りで使う往復会話の例です。相手の指摘を認めつつも、自分の主張も添えて話を続けています。

She’s not the most organized person, but I’ll give her that one—she never misses a deadline.
(彼女は几帳面なタイプではないけど、その点は認めるよ。締め切りは絶対に守るからね。)
同僚の仕事ぶりを評価する場面です。欠点を認めつつ、良い点だけを切り出して評価するニュアンスが出ています。

あわせて覚えたい関連表現

I’ll admit that
(それは認めるよ)
give someone that oneよりも直接的でフォーマルな響きを持つ表現です。カジュアルな軽さは薄れますが、より率直に非を認めたいときに使えます。

You’ve got a point there
(そこは一理あるね)
give someone that oneが「一つだけ手渡す」動作に近い表現であるのに対し、こちらは相手の主張の妥当性そのものを評価する表現です。

Fair enough
(まあ、それもそうだね)
give someone that oneより譲歩の対象が曖昧で、会話全体を一旦受け入れる相槌として使われることが多い表現です。

Note|部分的な譲歩から見える、アメリカ流の議論の作法

今回のシーンでエイミーが見せた「一点だけ認める」という譲り方には、アメリカの日常会話に根づいた議論の作法が透けて見えます。

アメリカの家庭やオフィスの会話では、意見が対立した際に一方が全面的に折れるのではなく、相手の主張のうち妥当な部分だけを切り出して認め合う場面がよく見られます。ディベートやディスカッションの授業で相手の主張の中から評価できる点を見つける訓練を受ける文化的背景もあり、”I’ll give you that one.”という一言は、対立を長引かせずに会話を前に進めるための実用的なクッション表現として定着しています。全否定でも全面降伏でもない、この中間地点の譲り方があることで、議論の相手が敵ではなく対話の相手であり続けられるとも言えます。

エイミーがシェルドンに対して見せた小さな譲歩も、まさにこの作法にのっとったものでした。ドーパミンとエンドルフィンの違いという科学的な正しさは譲らないまま、相手の状況(徹夜明け)にだけ配慮して一点を手渡す。give someone that oneは、そうした正しさと配慮の両立を一言で表せる便利な表現だと言えます。

議論の勝ち負けだけでは測れない、会話の温度を保つための一言です。

まとめ|議論の中の、小さな一歩

give someone that oneは、相手の主張全体には同意しないまま、指摘された一点だけを認めるときに使える表現です。

友人との軽い言い合いから仕事の振り返りまで、対立を長引かせずに会話を前に進めたい場面で自然に使うことができます。

エイミーがシェルドンに見せた小さな譲歩のように、正しさにこだわりながらも相手への配慮を忘れない一言として、会話のレパートリーに加えてみてください。

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