海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
いたずらをされて落ち込んでいる相手に、周りの大人が「やられたらやり返せばいい」と発破をかける場面が、家庭の中にはよくあります。
そんな場面にぴったりの「give as good as you get」を、『モダンファミリー』シーズン1第4話の前半、友人にいたずら書きをされて帰宅したマニーに、ジェイが助言を送る場面から、一緒に見ていきましょう。
「give as good as you get」の意味とニュアンス
give as good as you get
意味:やられたらやり返す、受けた分だけ言い返す
give as good as you getは、asを使った同等比較の慣用句で、相手から受けた仕打ちに対して、同じくらいの強さで応じる態度を表します。「受け取る(get)のと同じくらい良いもの(as good)を与える(give)」という組み立てが、そのまま「対等にやり返す」という意味につながっています。相手より強く出るのではなく、あくまで同じ強さを目指す点が特徴です。
ネガティブな仕返しの場面だけでなく、口論や交渉で弱腰にならず対等に渡り合う強さを褒める文脈でも使われる、幅の広い表現です。相手に押し切られず、堂々と対応する姿勢を表す前向きな響きを持つこともあります。文脈次第で評価が180度変わる、扱いに面白みのある表現でもあります。
【ここがポイント!】
- 「give as good as you get」の核は、受けた分だけ同じ強さで返すイメージ
- 仕返しにも、対等に渡り合う強さの称賛にもなる、幅のある表現
- asを使った同等比較の形だと意識すると、構文ごと覚えやすくなる
『モダンファミリー』S01E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
お泊まり会から帰宅したマニーの顔に何か描かれていることに気づいたグロリアが事情を尋ね、いたずらだと分かった後、ジェイが対処法を助言する場面です。心配する母と、現実的な助言をする継父、それを受け止めるマニーの、思いのほか前向きな反応に注目です。
Manny: Oh. That’s why they were laughing. I thought it was my funny take on current events.
(あ。だから皆笑っていたのですね。時事問題に対する僕なりの面白い意見だと思われたのかと思っていました。)Gloria: Why would they do something like that?
(どうしてそんなことをするのかしら?)Jay: Don’t worry about it. Guys pull pranks like that all the time. You just got to prank ‘em back. Just got to show ‘em you’re willing to give as good as you get.
(気にするな。男同士のいたずらなんてしょっちゅうだ。やり返してやりゃあいい。やられたらやり返す気があるってところを見せてやるんだ。)Gloria: What do you think?
(どう思う?)Manny: Hmm, revenge I like it.
(ふむ、復讐ですか。いいですね。)Modern Family Season1 Episode4 (The Incident)
シーン解説と心理考察
お泊まり会から帰宅したマニーの顔を見て、グロリアはすぐに友人のいたずらだと気づきます。マニーは「時事問題に対する僕なりの面白い意見だと思われたのかと」と、大人びた解釈でその場をやり過ごそうとしますが、実際はただ笑いものにされていただけでした。
心配するグロリアに対し、ジェイは「気にするな、男同士のいたずらなんてしょっちゅうだ」と軽く受け流し、「やられたらやり返す気があるってところを見せてやれ」と仕返しを勧めます。母グロリアが「どう思う?」と水を向けると、マニーは「ふむ、復讐ですか。いいですね」と、思いのほか乗り気な様子を見せます。年齢に不釣り合いなほど落ち着いた口ぶりで仕返しを面白がるマニーの反応は、この後の展開への伏線としても効いてくる一言です。ジェイの現実的な助言と、それをすんなり受け入れるマニーの姿勢が重なり、家族ぐるみで事態を後押ししてしまう構図が浮かび上がります。普段はロマンチストで大人びた振る舞いを見せるマニーが、仕返しという直接的な行動にはあっさり乗り気になるという意外性も、この場面のおかしみを支えています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
give(与える)とget(受け取る)を、天秤の両側に同じ重さの分銅を乗せるように釣り合わせるイメージで思い浮かべてみましょう。受けた仕打ちと同じだけのものを、相手にそのまま返す様子がこの表現の芯にあります。どちらかに傾きすぎず、あくまで対等な重さを保とうとする姿勢がポイントです。
ジェイの助言を受けたマニーが「復讐ですか。いいですね」とすんなり乗り気になった様子は、天秤の片方に置かれた仕打ちに、もう一方から同じ重さを返そうとする心の動きそのものです。受けた分と同じだけ返す、という釣り合いの感覚を意識しておくと、この表現が自然に浮かんでくるようになります。相手が乗せた重さ以上でも以下でもなく、ちょうど釣り合う重さを返すというイメージを持っておくと、単なる仕返しとの違いも見えてきます。
例文で覚える「give as good as you get」
交渉から家庭内のやり取りまで幅広く使えるgive as good as you getを、3つの例文で確認してみましょう。
In a business negotiation, you have to give as good as you get.
(ビジネスの交渉では、やられたらやり返す姿勢が必要だ。)
交渉の場面です。have toを添えると、弱腰では通用しないという状況の切実さが伝わり、対等な立場を保つことの重要性も強調されます。
My little sister may be small, but she gives as good as she gets in an argument.
(妹は体は小さいけど、口論ではやられた分ちゃんとやり返すのよ。)
兄弟げんかを語る家族の話題です。may be small, butの対比が、見た目と実際の強さのギャップを際立たせ、頼もしさをユーモラスに伝えます。
A: He kept teasing her all night.
B: Well, she gave as good as she got, so it was fair.
(A:彼は一晩中彼女をからかい続けてたよ。)
(B:まあ、彼女もやり返してたから、おあいこね。)
友人同士のうわさ話です。so it was fairを添えると、対等なやり取りだったという評価がはっきり伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
get even with someone
(人にやり返す、仕返しをする)
give as good as you getが同等の強さで応じる態度全般を指すのに対し、get even withは特定の仕返し行為そのものを指す、より具体的な表現です。
tit for tat
(しっぺ返し、やられたらやり返すこと)
tit for tatは名詞句で、より直接的な報復の応酬を指すのに対し、give as good as you getは態度や姿勢を表す動詞句です。
stand up for oneself
(自分の立場を守る、毅然とした態度を取る)
受け身にならない点は共通していますが、stand up for oneselfには反撃・仕返しのニュアンスは薄く、防御的な姿勢に重点があります。
Note|「やり返す」にも段階がある
give as good as you getと似た意味を持つ表現には、get even withやstand up for oneselfがありますが、並べてみると「やり返す」の段階の違いが見えてきます。
stand up for oneselfは、相手に押し切られず自分の立場を守るという、防御寄りの姿勢を表します。攻撃ではなく、あくまで自分を保つことに重点があるため、対立を深めない穏やかな響きを持っています。get even withはその反対に、受けた仕打ちに対して具体的な仕返し行為を実行することを指し、報復の意図がはっきりと表れます。相手と同じ痛みを味わわせることに主眼が置かれた、踏み込んだ表現だと言えます。give as good as you getはちょうどこの中間に位置し、姿勢や態度そのものを指しながらも、実際に同じ強さで応じることを前提にした、対等さを重んじる表現です。
台本でジェイがマニーに送った助言も、単に我慢しろでも仕返しをしろでもなく、同じくらいのことをやり返せる強さを見せろという、対等な立場を取り戻すための助言でした。マニーがその助言をすんなり受け入れた背景には、対等に渡り合う強さへの憧れが透けて見えます。普段は理屈で物事を捉えがちなマニーが、この場面では理屈より先に行動への意欲を見せた点も興味深いところです。
「やり返す」という一言にも段階があることを知っておくと、状況に応じた表現選びがしやすくなります。
まとめ|対等さを取り戻す、小さな一言
give as good as you getは、受けた仕打ちに対して同じ強さで応じる、やられたらやり返すという意味の表現です。
仕返しの文脈だけでなく、口論や交渉で弱腰にならない態度を評する場面でも使える、幅のある言い回しです。
ジェイの何気ない助言に、マニーが「復讐ですか。いいですね」と乗り気な返事をしたこの場面は、対等さを取り戻そうとする小さな一歩が芽生えた瞬間でした。


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