海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
家庭でも仕事でも、手に負えなくなりかけた状況を、なんとか収拾させようと頭を悩ませた経験はありませんか。
そんな場面で使われる「get something under control」を、『モダンファミリー』シーズン3第2話の中盤、リリーの「共有が苦手」という話をきっかけに、自分自身とパートナーの振る舞いを見つめ直すミッチェルのやり取りから、一緒に見ていきましょう。
「get something under control」の意味とニュアンス
get something under control
意味:何かを抑える、収拾をつける
get something under controlは、混乱していたり手に負えなくなっていたりする状況や問題を「制御できる状態に持っていく」ことを表す表現です。すでに管理下にある状態を指すのではなく、そうなっていない状態からそうなった状態へと持っていく、変化の過程そのものに焦点があるのが特徴です。
感情・状況・問題行動など、対象を幅広く取ることができる汎用性の高い表現で、子育てでの困った行動、仕事での混乱した状況、感情の高ぶりを抑えたい場面など、日常のさまざまな場面で登場します。
似た意味を持つ表現に置き換えられそうに見えますが、get something under controlはあくまで「抑えていない状態から抑えた状態へ」というプロセスを描く言い方です。すでに落ち着いている状態を継続的に維持する表現とは、焦点の当て方が異なる点に注意しておくと使い分けがしやすくなります。
【ここがポイント!】
- 手綱を握って自分の管理下に収めるイメージが核にある表現
- すでに抑えている状態ではなく、抑えるまでの変化の過程を表す
- 対象を幅広く取れるため、感情にも状況にも問題行動にも使える
『モダンファミリー』S03E02のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
エレイン先生が、親からその癖を身につけた子どもの名前を明かすのを、冗談めかして先延ばしにする場面です。名前を教えてもらえないミッチェルが、物を独り占めしがちな自分自身の傾向に話の矛先を向けていく流れに注目です。
Elaine: Of course, I can’t share those names with you until I get a glass of wine in my hand.
(もちろん、その名前を教えるのは、ワインを一杯やってからじゃないと無理だけどね。)Mitchell: I have been told that I might have the teensiest issue with sharing. But is that something Lily would even pick up on? My chicken. My pillow.
(僕にも、ほんの少しだけ、物を独り占めしがちなところがあるって言われたことがあるんです。でも、それって果たしてリリーがそこから学ぶようなことなんでしょうか? 僕のチキン。僕の枕。)Cameron: Ow! Mmm.
(痛っ! うーん。)Mitchell: Daddy’s pen. Okay, it’s possible. And I suppose for Lily’s sake, I-I should work on that privately, because right now we really need to get Cam’s coddling problem under control.
(パパのペン。……そうだね、あり得るかもしれない。リリーのためにも、そこは個人的に直していくべきなんだろうけど、今はまず、キャムの甘やかしすぎの問題を抑える方が先だから。)Modern Family Season3 Episode2 (When Good Kids Go Bad)
シーン解説と心理考察
エレイン先生が「その名前を教えるのは、ワインを一杯やってからじゃないと無理だけどね」と冗談めかして答える場面から、肩の力を抜いて話せる空気がうかがえます。ミッチェルは「僕にも、ほんの少しだけ、物を独り占めしがちなところがあるって言われたことがあるんです」と、自分自身にも心当たりがあることを認めます。
「僕のチキン」「僕の枕」「パパのペン」という短い言葉が続き、その合間にキャメロンの「痛っ!」という声も入ります。そのあとミッチェルは「……そうだね、あり得るかもしれない」と認め、「リリーのためにも、そこは個人的に直していくべきなんだろうけど、今はまず、キャムの甘やかしすぎの問題を抑える方が先だから」と締めくくります。
自分の欠点を認めながらも、当面はパートナーの問題を優先しようとする理屈っぽさに、ミッチェルらしい思考の運び方が表れています。こうした短い言葉の連なりが、独り占めの癖を具体的に見せています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
暴れ馬の手綱を握って(control)、自分の管理下(under)に収めるイメージを思い浮かべてみましょう。混乱した状況や感情を、手綱を引くように「抑え込む」様子がget something under controlのイメージです。
キャメロンの「甘やかしすぎ」という手に負えなくなりかけた問題を、ミッチェルが手綱を締め直すように立て直そうとする姿は、まさにこのイメージそのものです。暴れ出す前に手綱を握り直す、そんな一場面として覚えておくと、似た状況に出会ったときにすっと言葉が浮かんできます。
例文で覚える「get something under control」
混乱した状況を立て直したいときに使えるget something under controlを、3つの例文で確認していきましょう。
We need to get this situation under control before it gets worse.
(悪化する前に、この状況を何とか抑える必要がある。)
トラブル対応を話し合う場面です。before it gets worseという条件を添えることで、対応の緊急性がはっきりと伝わります。
She finally got her anxiety under control with the help of therapy.
(彼女はセラピーの助けを借りて、ようやく不安をコントロールできるようになった。)
メンタルヘルスについて語る場面です。finallyという一言が、簡単には収まらなかった過程を暗に示しています。
A: The kids are out of control today.
B: I know, let’s try to get it under control before dinner.
(A:今日は子どもたちが手に負えないわね。)
(B:だね、夕食前には何とか抑えよう。)
子育ての大変さを語る場面の会話例です。out of controlという表現との対比で、under controlへ持っていく変化の方向性が分かりやすくなります。
あわせて覚えたい関連表現
keep something in check
(何かを抑制する、チェックする)
keep something in checkは継続的な抑制を指すのに対し、get something under controlは抑えていない状態から抑えた状態に持っていく変化のプロセスを表す点が異なります。
handle something
(何かに対処する)
handleはより一般的に「対処する」ことを指し、get something under controlほど「混乱を収拾する」という強いニュアンスは持ちません。
rein something in
(何かに手綱をかける、抑制する)
rein something inは行き過ぎたものを引き戻すニュアンスが強く、get something under controlはより広く「制御できる状態にする」ことを指します。
Note|「抑える」を表す表現の温度差、get something under controlの立ち位置
「何かを抑える」という意味を持つ英語表現は複数ありますが、それぞれが指す状態には温度差があります。
keep something in checkは、すでに一定の水準に抑えられている状態を、そのまま維持し続けることに重点があります。一方でhandle somethingは対処の広さを示す一般的な言葉で、必ずしも混乱を収拾するという強いニュアンスを持つわけではありません。これらと比べたとき、get something under controlは「まだ抑えられていない状態」から「抑えられた状態」への移行そのものを描く表現である点が際立ちます。手に負えなくなりかけている状況、あるいはすでに手に負えなくなってしまった状況を、意識的に立て直そうとする過程が言葉ににじんでいるのです。だからこそ、この表現は子育てや仕事のトラブル対応のように、何かが崩れかけている場面でよく選ばれます。単に「気をつける」というレベルを超えて、状況そのものに働きかけて立て直そうとする、能動的な姿勢が言葉の芯にあると考えると理解しやすくなります。
ミッチェルがキャメロンの「甘やかしすぎ」の問題に向き合おうとした場面も、まさにこの「立て直し」の過程そのものでした。自分の弱点を先に認めてから相手の課題に触れるという順番にも、ミッチェルなりの理屈の運び方が表れています。
温度差のある表現を並べてみると、それぞれの言葉が描く場面の緊迫度まで見えてきます。抑えるべき対象がどれくらい深刻かによって、選ぶべき言葉も自然と変わってくるはずです。
まとめ|手綱を握り直す、立て直しの一言
get something under controlは、混乱した状況や問題を「制御できる状態」へと立て直していく過程を表す表現です。すでに抑えられている状態ではなく、そこへ向かう変化そのものに焦点がある点を思い出しておくと使い分けやすくなります。
子育てでの困った行動から仕事でのトラブル対応まで、幅広い場面で「何とかしなければ」という気持ちを言葉にするときに使えます。
自分の欠点を認めつつも、まずはパートナーの「甘やかしすぎ」を立て直そうとするミッチェルの姿には、彼らしい理屈っぽさと家族への真剣さが同居していました。


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