海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
うまくいかないことが重なって、何から手をつければいいのか分からなくなった経験はありませんか。
そんなときに使える「one … after another」を、『モダンファミリー』シーズン4第7話の中盤、審問を控えたヘイリーにフィルが言葉を強める場面から、一緒に見ていきましょう。
「one … after another」の意味とニュアンス
one … after another
意味:次から次へと、次々に
one … after another は、one と after another の間に名詞を入れて、同じ種類のものが1つずつ、間を置かずに続いていく様子を表す型です。one bad decision after another なら「悪い判断が次から次へと」、one meeting after another なら「会議が次々と」になります。
間に入る名詞は単数形で、bad のような修飾語を加えることもできます。修飾語の内容しだいで、悪いことが続く場合にも、よいことが続く場合にも使えます。one problem after another なら「問題が次々と」、one surprise after another なら「驚きが次々と」です。
「1つ、また次の1つ」と続く連続感が中心にあり、出来事をひとまとまりとして眺めるのではなく、1つずつ順に現れるものとして描く点に特徴があります。
日本語に訳すときは、「次から次へと」「次々に」「立て続けに」と、文脈に合わせて言葉を選びます。よくない意味の名詞と組み合わさる場合は、「重ねて」「繰り返して」のように動詞へ寄せると自然です。台本の You made one bad decision after another も、「悪い判断を次から次へと重ねて」と、動詞の made を「重ねる」の意味で受けています。
【ここがポイント!】
- 「one … after another」の核は、同じ種類のものが1つずつ途切れず続く連続感
- one のあとの名詞は単数形で、bad などの修飾語も入れられる
- 修飾語しだいで、悪いことの連続にも、よいことの連続にも使える
『モダンファミリー』S04E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
審問を控えたヘイリーに、フィルとクレアが服装とメイクを改めるよう促す場面です。直前にヘイリーが映画の登場人物を引き合いに出したのを受けて、フィルは現実の話だと返します。「私のほうが被害者」と言い返すヘイリーに、フィルが one … after another を使う流れに注目です。
Phil: Haley, this is real life, not an excellent movie.
(ヘイリー、これは現実の話だ。名作映画じゃないんだよ。)Claire: Honey, just put on something else, and take down the makeup.
(ねえ、別の服に着替えて、メイクも落としなさい。)Haley: Why are you guys acting like this is my fault? Everybody was drinking, everybody ran. I just got caught. If anything, I’m the victim here.
(なんでみんな、これが私のせいみたいな言い方するの? みんな飲んでたし、みんな逃げたのに。私はたまたま捕まっただけ。どっちかっていえば、私のほうが被害者じゃん。)Phil: You’re not the victim here. You’re the one who screwed up! You made one bad decision after another, and now you’re about to blow everything your mother and I worked so hard to give you.
(被害者じゃない。しくじったのは君だ。悪い判断を次から次へと重ねて、しまいには、お母さんと俺が君のために必死に築いてきたものを全部ふいにしようとしている。)Modern Family Season4 Episode7 (Arrested)
シーン解説と心理考察
フィルの Haley, this is real life, not an excellent movie.(ヘイリー、これは現実の話だ。名作映画じゃないんだよ)は、直前にヘイリーが映画の登場人物を引き合いに出したことへの返しです。クレアは Honey, just put on something else, and take down the makeup.(ねえ、別の服に着替えて、メイクも落としなさい)と、身なりを整えるよう促します。
ヘイリーは Everybody was drinking, everybody ran.(みんな飲んでたし、みんな逃げたのに)、I just got caught.(私はたまたま捕まっただけ)と自分の言い分を述べ、I’m the victim here.(私のほうが被害者じゃん)と結びます。これを受けたフィルは、You’re not the victim here. You’re the one who screwed up!(被害者じゃない。しくじったのは君だ)と切り返し、You made one bad decision after another(悪い判断を次から次へと重ねて)と続けます。
ここでの one bad decision after another は、悪い判断が1つだけではなく、連続していると指摘する言い方です。しくじった1回の出来事ではなく、積み重なった流れとして言い表すことで、フィルの語気が強まっています。さらに、You を主語に置いた言い切りが3回並ぶ点も見どころです。You’re not…、You’re the one…、You made… と同じ主語を重ねることで、指摘の相手がヘイリーに絞られていきます。両親が築いてきたものを全部ふいにしかけていると続ける点が、会話の温度を変えています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
1つ、また次と、同じものがベルトコンベアで次々に流れてくる絵を思い浮かべてみましょう。流れてくるものが one のあとの名詞で、前後の並びが one … after another という型です。
フィルの one bad decision after another なら、悪い判断が1つずつ流れてきて、途切れずに続いている絵になります。
型で覚えるコツは、one のあとの名詞を入れ替えて言ってみることです。one meeting after another、one cookie after another と入れ替えると、ベルトコンベアの上に流れてくる物が変わります。名詞を替えても、1つずつ続いていく絵は同じままなので、使える場面を自分の周りの出来事に広げやすくなります。組み合わせる動詞も、make one mistake after another、have one meeting after another のように入れ替えられるため、名詞と動詞をセットで動かして練習できます。
例文で覚える「one … after another」
失敗の連続から日々の忙しさまで使える one … after another を、3つの例文で確認していきましょう。
He made one mistake after another, and the project fell behind.
(彼は間違いを次から次へと重ねて、プロジェクトは遅れてしまった。)
仕事の遅れの原因を説明するビジネスの場面です。one mistake のように、単数形の名詞が入っています。and のあとに結果を続けると、連続した失敗と遅れが原因と結果としてつながります。
I ate one cookie after another until the box was empty.
(私はクッキーを次から次へと食べて、箱が空になった。)
つい食べすぎた話をするカジュアルな場面です。1枚ずつ手が伸びていく様子が伝わります。
A: You look tired.
B: I had one meeting after another all day. I didn’t even have time for lunch.
(A:疲れて見えるよ。)
(B:1日中、会議が次々と入っていたの。昼ごはんの時間もなかった。)
同僚と疲れの理由を話す往復の会話です。予定が隙間なく続いたことを、one meeting after another が一言で伝えています。
あわせて覚えたい関連表現
one by one
(1つずつ)
one by one は順番に1つずつ処理する感じで、one after another は間を置かずに次々と続く連続性に焦点があります。Please answer the questions one by one.(質問に1つずつ答えてください)のように、順序立てて進める場面によく合います。
in a row
(連続して)
in a row は同じことが並んで続く回数に注目し、one … after another は「次々に起こる」流れを描きます。
back to back
(立て続けに、間を置かずに)
back to back は予定や出来事が隙間なく続くことを言い、one after another は別々のものが順に現れる様子を言います。
Note|one … after anotherの型、名詞は単数で後ろに回す言い方も
one … after another は、間に入る名詞の形と位置に決まりがあります。台本の one bad decision after another を出発点に、型を整理します。
間に入る名詞は単数形で、one bad decision after another のように、修飾語を加えても単数のままです。one bad decisions とは書きません。名詞を先に言う形もあり、He made bad decisions, one after another. のように、名詞のあとに one after another を添えます。この場合は名詞が複数形になり、one after another が「次々に」という副詞のような働きを持ちます。
2つの形は、意味はほぼ同じですが、伝わり方が少し違います。1つ目は one のあとの名詞に注目が集まり、1つずつ数える感覚が出ます。2つ目は先に出来事をまとめて示し、あとから連続の様子を足す形になります。名詞を省いて one after another だけで使うこともでき、The guests arrived one after another. のように、何が続くのかが文の中から分かる場合に使えます。名詞を省いた形は短く言い切れるため、会話の中で前の話を受けて続けるときにも収まりのよい形です。
フィルの You made one bad decision after another は、1つ目の形です。名詞が単数形の decision で、bad が間に入っています。同じ内容を2つ目の形で言えば、You made bad decisions, one after another. になります。
型が分かれば、続くものを自由に入れ替えられます。
まとめ|連続の型で言い表す、フィルの指摘
one … after another は、同じ種類のものが1つずつ、間を置かずに続く様子を表す型で、次から次へと、次々に、と訳せます。
間に入る名詞は単数形で、修飾語を加えれば、悪いことの連続にもよいことの連続にも使えます。名詞を先に言って one after another を後ろに添える形や、名詞を省いた形も、あわせて押さえておくと使いやすくなります。one by one や in a row との焦点の違いも、手がかりになります。
審問を控えたヘイリーに、フィルが悪い判断の連続を指摘した場面は、この型が持つ連続感をそのまま言葉にした一言でした。1つずつ続いていく流れとして言い表すことで、語気の強さも一緒に伝わっていました。場面の温度と型の連続感が重なるため、表現の形も思い出しやすくなります。自分の周りの出来事にも当てはめながら、表現の引き出しに加えてみてください。


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