海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
慌ただしい場面に限って、隣にいる人だけがやけに落ち着き払っていて、自分の焦りが余計に目立ってしまうことがあります。
そんな場面で使える「under pressure」を、『モダンファミリー』シーズン4第7話の前半、ヘイリーの逮捕を受けて移動する途中に、クレアが夫のフィルの落ち着きぶりについて語る場面から、一緒に見ていきましょう。
「under pressure」の意味とニュアンス
under pressure
意味:プレッシャーがかかった状況で、追い込まれて
under pressure は、under(〜の下で)と pressure(圧力)が組み合わさった表現で、重い圧力がかかった状態のもとにいることを表します。締め切りや試験、緊急の事態、周囲からの期待など、心理的な重圧を生む状況が広く対象になり、「追い込まれて」「プレッシャーのかかる状況で」と訳せます。
人の性質を描写する場面では、calm under pressure(追い込まれても冷静)、work well under pressure(重圧のもとでもよく働く)のように、形容詞や動詞と組み合わせて使います。台本の Sometimes it bothers me how calm Phil is under pressure も、この型です。
under pressure to のあとに動詞を続けると、「〜するよう迫られて」という意味になり、外から求められている状況を表せます。under pressure では、pressure の前に冠詞を置かない形が基本です。
また、under pressure だけで文を閉じて、They were under pressure.(彼らは追い込まれていた)のように、置かれた状態だけを言い切ることもできます。人の様子を描く場合も、状況を説明する場合も、同じ形のまま使えるのが便利なところです。
【ここがポイント!】
- 「under pressure」の核は、重い圧力の下に置かれた状態
- calm under pressure のように、人の落ち着きぶりを描く型が使いやすい
- under pressure to のあとに動詞を続けると、迫られている内容を示せる
『モダンファミリー』S04E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
移動の途中で、クレアとフィルがヘイリーの逮捕をめぐって言葉を交わす場面です。フィルは落ち着いた調子で構え、クレアはそのフィルの様子について率直な一言を語ります。続くフィルの促しに、クレアが強い言葉で返すまでの流れに注目です。
Phil: Yeah, and everyone goes a little crazy at first.
(そうだよ、最初はみんなちょっとハメを外すもんさ。)Claire: I’m not gonna lie. Sometimes it bothers me how calm Phil is under pressure. It’s like Like I’m the one who’s overreacting.
(正直に言うとね、追い込まれてもフィルが落ち着いていることが、ときどき気に障るの。なんだか……私のほうが大げさに反応してるみたいで。)Phil: That’s good. Let it out. It’s g–
(いいぞ、その調子。全部吐き出しちゃえ。それは、い――)Claire: I’m going to kill you.
(殺すわよ。)Modern Family Season4 Episode7 (Arrested)
シーン解説と心理考察
フィルは Yeah, and everyone goes a little crazy at first.(そうだよ、最初はみんなちょっとハメを外すもんさ)と、慌てた様子のない言い方で応じています。「みんな」と一般化して話す言い方に、物事を大きくしすぎない落ち着きが表れています。
クレアは I’m not gonna lie.(正直に言うとね)と切り出し、追い込まれてもフィルが落ち着いていることが、ときどき気に障ると語ります。さらに It’s like Like I’m the one who’s overreacting.(なんだか……私のほうが大げさに反応してるみたいで)と続けます。フィルの落ち着きが基準になり、自分の反応のほうが過剰に見えてしまうという感覚が、言いよどみとともに伝わってきます。
そのあとのフィルの That’s good. Let it out.(いいぞ、その調子。全部吐き出しちゃえ)に、クレアは I’m going to kill you.(殺すわよ)と返します。It’s g–(それは、い――)と途切れたところに、クレアの返事がそのまま続く流れです。落ち着いた口調で促すフィルと、苛立ちをそのまま言葉にするクレアとの温度差が、短いやり取りの中で際立っています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
重い板を頭の上に載せられて、それでも姿勢を崩さずに立っている人を思い浮かべてみましょう。pressure が上から押さえつける力、under がその下という絵になり、under pressure は、押さえつけられた状態そのものを表します。
クレアが語ったフィルの様子も、上から圧力がかかっているのに背筋が揺らがない姿として重ねられます。calm under pressure は、その姿勢を保っている人を描く言い方です。
逆に、自分が揺らいでいるときは、I’m not good under pressure のように、同じ型で言い表せます。上から押さえつける力の強さは、状況によって変わります。締め切りが近づくほど板が重くなる、といった絵にしておくと、圧力の度合いも表せます。板の下で立つ姿を思い浮かべておけば、落ち着いている人にも揺らいでいる人にも使える表現だと分かります。
例文で覚える「under pressure」
人の落ち着きぶりや働きぶりを語る場面で使える under pressure を、3つの例文で確認していきましょう。
She stays calm under pressure, so we always ask her to lead the meeting.
(彼女は追い込まれても落ち着いているから、会議の進行はいつも彼女にお願いしている。)
同僚の頼もしさを説明するビジネスの場面です。calm under pressure の型で、人の性質を描いています。会議の進行という役割を任せる理由として、追い込まれても崩れない点が挙げられています。
I don’t do my best work under pressure, so I like to finish things early.
(プレッシャーの中では力を出しきれないから、早めに終わらせるようにしている。)
自分の仕事の進め方を話す日常の場面です。do my best work のような動作を表す語とも組み合わせられます。
A: How do you sleep before a big match?
B: I try not to think about it. I actually play better under pressure.
(A:大事な試合の前によく眠れるの?)
(B:考えないようにしてる。実は追い込まれたほうがいいプレーができるんだ。)
試合前の心構えを尋ねる往復の会話です。play better のように比較の語を添えると、重圧が力になる場合も表せます。「よく眠れる?」という問いへの答えとして、緊張との付き合い方まで伝わる一言です。
あわせて覚えたい関連表現
under stress
(ストレスを受けて)
under stress は心身の負担に焦点があり、under pressure は締め切りや期待など、外からかかる圧力の意味合いが強くなります。
in a crisis
(危機的な状況で)
in a crisis は状況の深刻さを指し、under pressure は状況が本人に与える重圧を指します。
when things get tough
(状況が厳しくなったとき)
when things get tough は「時」を表す節の形です。under pressure は前置詞句なので、calm under pressure のように語のあとへそのまま足せます。
Note|under pressureと類似表現、焦点の違い
under pressure に近い言い方はいくつもあり、どこに焦点を置くかで使い分けが生まれます。職場の場面を例に、3つを並べてみましょう。
under pressure は、締め切りや上司の期待、時間の制約のように、外から迫ってくる圧力に焦点があります。The team was under pressure to deliver the project by the end of the month.(チームは月末までにプロジェクトを仕上げるよう求められていた)のように、to のあとへ迫られている内容を続けられる点も特徴です。
under stress は、心や体にかかっている負担そのものに焦点があります。I’ve been under a lot of stress at work.(仕事で強いストレスを抱えている)のように、負担の大きさを語る文脈で選ばれます。in a crisis は、状況の深刻さに焦点があり、人の内面よりも置かれた状況を指します。The company was in a crisis.(その会社は危機的な状況にあった)のように、主語は人にも組織にもなります。
3つの違いは、話し手が何を強調したいかにあります。同じ職場の場面でも、外からの求めを語るなら under pressure、内側の負担を語るなら under stress、状況の深刻さを語るなら in a crisis と、焦点で選び分けられます。
クレアの Sometimes it bothers me how calm Phil is under pressure も、追い込まれる状況で人がどうふるまうかを語る文です。人の落ち着きぶりを描くときは under pressure の型が合い、under stress や in a crisis に置き換えると、焦点が変わります。
焦点が変われば、選ぶ言葉も変わります。
まとめ|追い込まれた場面で見える、落ち着きと苛立ち
under pressure は、重い圧力のもとに置かれた状態を表す表現で、追い込まれて、プレッシャーのかかる状況で、と訳せます。
calm under pressure のように人の落ち着きぶりを描いたり、under pressure to のあとに迫られている内容を続けたりと、型ごと覚えると使える幅が広がります。外からの圧力なら under pressure、内側の負担なら under stress と、焦点で選び分けられる点も手がかりになります。冠詞を置かない形と、to のあとに動詞を続ける形も、あわせて押さえておくと使いやすくなります。
ヘイリーの逮捕を受けて移動する途中に、落ち着いたフィルの様子と、それが気に障るというクレアの率直な一言が並んだ場面でした。促す夫と、苛立ちをそのまま返す妻の温度差が、この表現の使われ方と一緒に記憶に残ります。表現の幅を広げてみてください。


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