海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
買い物や契約の場で、気に入ったことが顔に出てしまい、値引きの話を切り出しにくくなった経験はありませんか。
そんな場面で役立つ「get the price down」を、『モダンファミリー』シーズン5第11話の前半、結婚式の会場を決めたミッチェルが、浮かれるキャメロンにくぎを刺すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「get the price down」の意味とニュアンス
get the price down
意味:(交渉して)値段を下げてもらう、値引きさせる
get the price downは、自分で値段を決めるのではなく、相手と話し合って価格が下がった状態を手に入れる言い方です。getは「〜の状態にする」という働きを持ち、the price downは「値段が下がった状態」を表します。つなげると、値段が下がった状態を手に入れる、という意味になります。
構文は、get + 目的語 + downの形です。目的語にpriceを置けば値段、costを置けば費用が対象になります。値引きの結果に注目した言い方なので、交渉に成功して下がった場面でも、これから下げられるか試す場面でも使えます。うまくいくか分からないときは、might be able toやtry toを前に添えて、見込みの強さを調整します。
日本語の「値段を下げる」と訳すと、誰が下げるのかが曖昧になります。この表現では、下げるのは相手側の売り手で、話しかける側が働きかけて下がる状態にします。訳すときは「値段を下げてもらう」「値引きさせる」と言い分けると、原文の向きが伝わります。購入や契約の見積もりの相談にも、そのまま広げて使えます。
【ここがポイント!】
- 「get the price down」の核は、値段が下がった状態を手に入れるというイメージ
- 自分で決めるのではなく、交渉して下げてもらうという向きがある表現
- get + 目的語 + downの型で、priceをcostなどに入れ替えて使える
『モダンファミリー』S05E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
婚約中のミッチェルとキャメロンが、結婚式の会場を下見している場面です。ミッチェルが「ここにしよう」と決めたあと、値引きの見込みがあるから浮かれないでほしいと頼みます。気持ちを顔にも声にも出さないよう求める、二人のやり取りの流れに注目です。
Mitchell: Okay, okay, it’s this place.
(よし、決まりだ。ここにしよう。)Cameron: Okay.
(うん。)Mitchell: But stop being so excited, all right? We might be able to get the price down a little bit.
(でも、そんなに浮かれるのはやめてくれよ、いいね? 値段を少し下げてもらえるかもしれないんだから。)Cameron: Okay, okay, poker face, poker face.
(わかった、わかった、ポーカーフェイス、ポーカーフェイス。)Mitchell: Yeah, now work on your poker voice.
(ああ、次はポーカーボイスの練習だな。)Cameron: Poker voice.
(ポーカーボイス。)Modern Family Season5 Episode11 (And One to Grow On)
シーン解説と心理考察
ミッチェルは「ここにしよう」と決めた直後に、キャメロンへ浮かれるのをやめるよう頼みます。理由として挙げるのが、値段を少し下げてもらえるかもしれないという見込みです。気に入ったことを表に出さないほうが交渉に有利になる、という考えがこの一言の裏にあります。
キャメロンは「ポーカーフェイス」と繰り返して素直に応じます。ところがミッチェルは、そこで終わらせずに「次はポーカーボイスの練習だな」と切り返します。表情だけでなく声の出し方まで気にする細かさが、この場面の見どころです。
最後にキャメロンが復唱する「ポーカーボイス」は、ミッチェルが口にした言い回しの繰り返しです。気持ちを抑えて交渉に臨みたいミッチェルと、浮かれている様子のキャメロンの温度差が、短い応酬の中に収まっています。get the price downは、その狙いを「値段を下げてもらう」という一言で言い表す言葉として働いています。決まったばかりの会場を前にした、期待と作戦のせめぎ合いが伝わってくる場面です。短い返事を重ねるだけのキャメロンに対して、注文を足していくミッチェルという構図も、二人の役割の違いをよく見せています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
getは「手に入れる」、the price downは「値段が下がった状態」です。天びんの片側に載っている値札を、相手と話し合いながら少しずつ下へ押し下げていく絵を思い浮かべてみましょう。押し下げる相手は自分ではなく、売り手側です。
ミッチェルが「値段を少し下げてもらえるかもしれない」と口にしたのも、天びんを下へ動かすための作戦でした。そのために、気に入った気持ちを声にまで出さないようにキャメロンへ頼んでいます。
覚えるときは、「手に入れる」+「値段が下がった状態」の2つの部品を並べて唱えるのがコツです。get the price downと言うたびに、値札が下へ動く様子を思い浮かべてみてください。
例文で覚える「get the price down」
交渉で値段を下げてもらう場面のget the price downを、3つの例文で確かめてみましょう。
Do you think we can get the price down if we pay in cash?
(現金で払えば、値段を下げてもらえると思う?)
中古の家具や車を買う場面で、友人に相談する日常の言い方です。ifの後ろに条件を添えると、交渉の切り口が具体的になります。
She got the price down by twenty percent after comparing three quotes.
(彼女は3社の見積もりを比べて、値段を2割下げさせた)
見積もりを比較して交渉に成功した、ビジネスの場面です。by twenty percentのように下げた幅を添えると、結果が伝わります。
A: Can you get the price down a bit?
B: Let me check with my manager.
(A:もう少し値段を下げてもらえますか?)
(B:店長に確認してみます。)
店頭で値引きをお願いする、やり取りの会話です。a bitを添えると、控えめなお願いの響きになります。
あわせて覚えたい関連表現
bring the price down
(値段を引き下げる)
bring the price downは、売り手が値付けを下げる場合にも、買い手が交渉で下げさせる場合にも使えます。get the price downは、交渉で下げてもらうという働きかけの向きがはっきり出る点が違います。
knock something off the price
(値段から〜を差し引く)
knock … off the priceは、値段から具体的な額を引くという口語表現です。get the price downは、下がった結果の状態に重点があります。
haggle over the price
(値段のことで値切る)
haggleは、値切りのやり取りそのものを指す動詞です。get the price downは、値切りが成功して下がった状態までを含んで言える点が違います。
Note|get the price down、bring the price down、lower the priceの使い分け
値段を下げる動作を言う表現は、get、bring、lowerのどれを使うかで、誰が動くのかという見え方が変わります。
3つを並べて比べてみます。get the price downは、話しかけて下がった状態を手に入れる言い方で、We got the price down.なら「こちらの働きかけで下がった」という含みが出ます。bring the price downは、値段を下がる方向へ動かす言い方で、誰が動かすのかは決まっていません。The sale brought the price down.のように、値引きの催しや競争といった原因を主語に置いた文でも使えます。lower the priceは、値段を決める側が値付けを下げる動作を直接述べる言い方で、The store lowered the price.なら店が自ら値段を下げたことになります。同じ値下がりでも、交渉の結果として言うのか、下がる方向への動きとして言うのか、値付けをした側の行動として言うのかで、動詞が変わります。
ミッチェルのWe might be able to get the price down a little bit.は、こちらが働きかければ下がるかもしれない、という見込みを言っていました。値付けをしているのは相手の側なので、lowerではなくgetを使う形が合っています。
3つの動詞の視点を頭に置いておくと、値段の話をするときに誰の動きを言いたいのかを選びやすくなります。
まとめ|気持ちを隠して、値段を動かす
get the price downは、相手と話し合って値段が下がった状態を手に入れる、という意味の表現です。getに「〜の状態にする」という働きがあるため、自分で決めるのではなく、交渉して下げてもらう向きが表れます。
購入や契約、見積もりの相談など、費用を抑えたい場面で使えます。get + 目的語 + downの型なので、priceをcostなどに入れ替えれば、対象を広げられます。うまくいくか分からないときは、might be able toを添えて見込みを調整する形も使えます。
気に入った気持ちを声にまで出さないよう頼むミッチェルの様子には、値段を動かすための作戦と、浮かれるキャメロンとの温度差がよく表れていました。表現の引き出しに加えてみてください。


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