海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
家族や身近な人が、こちらの話にすぐには賛成してくれず、気まずい空気が残ってしまった経験はありませんか。
そんなときに登場する「come around」を、『モダンファミリー』シーズン5第22話の終盤、父ジェイの反応を詫びるミッチェルが、フィルとクレアが家族になる前に残された古いメッセージの中で語る場面から、一緒に見ていきましょう。
「come around」の意味とニュアンス
come around
意味:(はじめは反対・抵抗していた人が)考えを改めて受け入れる、態度が軟化する
come around は、はじめは反対したり抵抗したりしていた人が、時間をおいて考えを改め、受け入れる方向へ変わることを表します。come は「来る」、around は「ぐるりと回って」なので、直訳すると「こちらへ回ってくる」です。向きの違う場所にいた人が、ぐるりと回ってこちら側へやって来る動きを、態度の変化に重ねた言い方です。
受け入れる対象を言うときは、come around to のあとに名詞や動名詞を続けます。He came around to our plan. なら「彼は私たちの計画を受け入れるようになった」という意味になります。対象を省いて He’ll come around. とだけ言えば、「そのうち考えを改めるよ」という意味になります。
変わる方向にも特徴があります。change one’s mind は変わる方向を問いません。それに対して come around は、反対から受け入れる方向へ変わる場合に使います。
もう一つ、時間の経過が含まれる点も見逃せません。「今すぐ」ではなく、「時間をおいて」変わるという含みがあり、「時間をあげれば大丈夫」と励ますときにも合う表現です。
【ここがポイント!】
- 「come around」の核は、向きの違う人が、ぐるりとこちら側へ回ってくるイメージ
- 反対から受け入れる方向への変化で、時間の経過を含む表現
- 受け入れる対象は come around to のあとに続け、省くこともできる
『モダンファミリー』S05E22のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ミッチェルがフィルに向けて残した、家族になる前の古いメッセージの中で、フィルとクレアの妊娠をめぐって、自分の父が見せた反応を詫びている場面です。父ジェイの反応を悪く受け取らないでほしいと話すミッチェルが、父のこれからをどう見立てているかに注目です。
Mitchell: I’m sorry my dad didn’t have a better reaction.
(うちの父が、もっとましな反応をしなくてごめん。)Mitchell: Don’t take it personally.
(悪く受け取らないでほしい。)Mitchell: He’s just like that.
(父はああいう人なんだ。)Mitchell: He’ll — he’ll come around.
(そのうち、きっと考えを改めるよ。)Mitchell: And if not Well his loss.
(もしそうならなくても、まあ、損をするのは父のほうだ。)Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)
シーン解説と心理考察
ミッチェルは、まず「うちの父が、もっとましな反応をしなくてごめん」と詫びます。詫びる相手はフィルで、詫びる中身は、父の反応です。自分の言動ではなく、身内の言動を詫びる形になっています。
続く「悪く受け取らないでほしい」は、相手への気づかいの言葉です。父の反応を、フィルとクレアに向けた否定として受け取らないでほしい、という願いがにじみます。「父はああいう人なんだ」と、父の人柄をひとことでまとめているのも、深刻に受け止めすぎないよう軽く添える言い方になっています。
ここで He’ll come around. が出てきます。ミッチェルの見立ては、父はそのうち考えを改めるだろう、というものです。ただ、言い切りで終わらせず、And if not… と続けています。
「もしそうならなくても、まあ、損をするのは父のほうだ」は、期待がかなわなかった場合も含めた、二段構えの言い方です。期待と割り切りを並べることで、相手の気を軽くしようとする様子が伝わってきます。
come around するかどうかは、この語りの中では、ミッチェルの見立てとして語られています。結果がどうなるかは、この場面では示されていません。見立てとして語られているからこそ、He’ll come around. は断定ではなく、時間をおいた変化への期待として響きます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
反対の向きに立っていた人が、ぐるりと回って、こちら側に向き直ってくる様子を思い浮かべてみましょう。around は「ぐるりと向きを変える」イメージで、come around は、態度の向きがこちら側へ回ってくることを表します。
ミッチェルの言葉は、父を見守る側の見立てとして、この動きを言い当てたものでした。父の向きが変わるまでには時間がかかる、という前提を含んで、「そのうち」と語られています。
動作のイメージとして、人差し指を体の前でくるりと一周させて、こちら側へ向ける仕草を添える方法もあります。向きが回って自分のほうへ来る動きと一緒に He’ll come around. と口にすると、時間を含む態度の変化が、意味とセットで残ります。
例文で覚える「come around」
家族、職場、友人への励ましと、場面ごとに表情が変わる come around を、3つの例文で確認していきましょう。
She didn’t like the idea at first, but she came around.
(彼女は最初その案が気に入らなかったが、そのうち受け入れた。)
態度が変わった人の話をする場面です。at first と but が、最初の反対から受け入れへの変化を示しています。
It took him a while, but he finally came around to our plan.
(時間はかかったが、彼はようやく私たちの計画を受け入れた。)
意見が割れていた会議のあとの報告の場面です。to のあとに our plan を続けると、何を受け入れたのかがはっきりします。
A: Dad still refuses to move.
B: Give him time. He’ll come around.
(A:父はまだ引っ越しを嫌がっているの。)
(B:時間をあげようよ。そのうち納得するよ。)
家族の反対を見守る往復会話です。ミッチェルの場面と同じく、He’ll come around. と対象を省いた形で、相手を励ます使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
warm up to someone/something
((人や物事に)だんだん好意的になる)
気持ちが打ち解けていく感情の変化を表します。come around は、考えや態度を改めて受け入れる判断の変化を表します。
change one’s mind
(考えを変える)
変わる方向を問わない言い方です。come around は、反対から受け入れの方向に変わる場合に使う点が違います。
see reason
(道理を理解して受け入れる)
説得されて筋の通った見方をとる意味です。come around は、時間の経過を経て態度が変わる点に重点があります。
Note|come around の複数の意味と、ドラマでの使い方の見分け方
come around は、「態度を改める」のほかにも、いくつかの意味を持つ表現です。似た形の意味を辞書的な範囲で整理し、ドラマの He’ll come around. がどれにあたるかを見分けます。
一つ目は、「立ち寄る」の意味です。Come around to my place tomorrow. なら、「明日うちに来て」という意味になります。around が「周りを回って」の感覚で、人のところへ訪れる動きを表します。
二つ目は、「意識が戻る」の意味です。He came around after a few minutes. なら、「彼は数分後に意識を取り戻した」という意味になります。三つ目は、「巡ってくる」の意味です。Christmas comes around every year. なら、「クリスマスは毎年巡ってくる」という意味になります。
では、He’ll come around. はどれにあたるかです。ここでは、主語の He が父を指し、話題は父の反応です。人が場所を訪れるわけでも、意識を戻すわけでもなく、行事が巡るわけでもありません。反対していた人が受け入れる方向へ変わる意味と読めます。
意味を見分けるには、主語が人か行事か、話題が反応や態度か、という手がかりが役立ちます。
まとめ|そのうち回ってくる、という見立て
come around は、はじめは反対したり抵抗したりしていた人が、時間をおいて考えを改め、受け入れる方向へ変わることを表す表現です。受け入れる対象は come around to のあとに続けて、省いて使うこともできます。
ミッチェルは、He’ll come around. と、父の反応を詫びる語りの中で見立てを口にしました。And if not… と続けたことで、期待と割り切りを並べた、やわらかな励ましになっていました。
父の反応を深刻に受け止めすぎないよう、軽く言い添える語りは、家族への気づかいが言葉ににじむ場面でした。時間をおけば変わるかもしれない相手を思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。


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