「drunk with power」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E22で学ぶ英会話

「drunk with power」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

ちょっとした決定権を手にした人が、急に張り切って周りに指図を始める場面に出くわして、思わず苦笑いした経験はありませんか。

そんなときに登場する「drunk with power」を、『モダンファミリー』シーズン5第22話の序盤、ピクルスを食べさせようとするジェイに、マニーが皮肉を返すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「drunk with power」の意味とニュアンス

drunk with power
意味:権力に酔っている、手にした力で調子に乗っている

drunk with power は、力や権限を手にしたことで気分が高ぶり、振る舞いが行き過ぎている人を評する表現です。drunk は「酔った」、with は「〜で」、power は「権力」で、直訳すると「権力で酔っている」になります。お酒に酔った人が気が大きくなるように、立場や権限を持った人が我を忘れて威張っている状態に重ねた言い方です。

この表現は、相手の状態を外から評する形で使います。You’re drunk with power. のように相手に向けて言えば、「その立場を得て調子に乗っているね」というからかいや皮肉になります。He is drunk with power. のように第三者について述べれば、その人の言動が行き過ぎていることを指摘する言い方になります。

drunk with のあとに置く名詞は power に限りません。drunk with success なら「成功に酔っている」、drunk with joy なら「喜びで我を忘れている」という意味になり、with のあとの名詞が、気分を高ぶらせている原因を示します。

なお、この drunk は実際に飲酒した状態を指すわけではありません。あくまで「酔ったように我を忘れている」という比喩の使い方で、power と組み合わさることで、権力や権限に対する高揚感を表します。

【ここがポイント!】

  • 「drunk with power」の核は、権力に酔って気が大きくなった状態のイメージ
  • 目の前の相手にも、第三者にも使える、からかいや皮肉の表現
  • with のあとの名詞が、気分を高ぶらせている原因を示す

『モダンファミリー』S05E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

グリュイエールチーズやイチジクの話をするマニーに、ジェイが「座れ」と告げるやり取りです。ジェイがピクルスを一口は食べるまでそこに座っていろと言い渡すと、マニーが短い一言で切り返し、ジェイがそれに答えます。二人の返しの速さに注目です。

Manny: I think I saw some gruyere in there. Do we have any fig?
(あそこにグリュイエールチーズがあったと思うんだけど。イチジクはある?)

Jay: Sit down. This whole persnickety thing is not gonna fly in the world. Never hand people another reason to make fun of you.
(座れ。そうやってえり好みばかりしていても、世の中じゃ通用しないぞ。人に笑われる理由を、これ以上わざわざ増やすな。)

Manny: You mean like all the cool kids with their leather jackets and their pickles?
(革ジャンにピクルスっていう、イケてる連中みたいに、ってこと?)

Jay: Well, you’re gonna sit there until you at least try a pickle.
(まあいい、とにかく一口はピクルスを食べるまで、そこに座ってろ。)

Manny: You’re drunk with power.
(権力に酔ってるね。)

Jay: You got that right.
(そのとおりだ。)

Modern Family Season5 Episode22 (Message Received)

シーン解説と心理考察

ジェイは、マニーのえり好みが世の中で通用しないと話し、人に笑われる理由をこれ以上増やすなと続けています。ピクルスをめぐる小さなやり取りの中でも、言い分の中身は、この先を見据えた注意になっています。

マニーは、その言い分をまっすぐ受け止めず、「革ジャンにピクルスっていう、イケてる連中みたいに、ってこと?」と切り返します。ジェイの言う「笑われる理由」に、皮肉で応じた形です。

続くジェイの「一口はピクルスを食べるまで座っていろ」は、席を立たせないという指示です。ここで、食べるかどうかの主導権がジェイの側にあることがはっきりします。マニーの「権力に酔ってるね」は、その主導権を握ったジェイの態度への一言で、深刻な非難というより、からかいの調子がにじみます。

ジェイの答えは「そのとおりだ」です。指摘を否定せず、そのまま受け取る返しになっています。マニーの茶化しをジェイが認めて終わる流れが、この場面の見どころです。二人のやり取りは、食べる食べないの小さな駆け引きを、大げさな言葉で包んだ形になっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

酔った人がふらふらと気が大きくなる姿を思い浮かべて、酔いの原因がお酒ではなく権力だと置き換えてみましょう。drunk は「酔った」、power は「権力」なので、力を手にして足取りまで大きくなる人の姿が、そのまま意味になります。

ジェイの場合、手にしていたのは「食べるまで座っていろ」と言える立場でした。マニーが放った「権力に酔ってるね」は、その立場を持った瞬間の、ジェイの気の大きさを指した一言と重ねられます。

イメージの動作として、両手を大きく広げて胸を張る仕草を添えると、権力を握って気が大きくなった様子が浮かびます。動作と一緒に drunk with power を口に出すと、意味の芯が体に残りやすくなります。

例文で覚える「drunk with power」

部活、職場、ちょっとした場の仕切り役と、場面ごとに表情が変わる drunk with power を、3つの例文で確認していきましょう。

Ever since he became team captain, he has been drunk with power.
(キャプテンになってから、彼は権力に酔っている。)
部活の仲間の変化を語る場面です。ever since で「なってから」の起点を示すと、立場が変わったあとの様子を語る形になります。

The new manager seems drunk with power; he changed every rule in a week.
(新しいマネージャーは権力に酔っているようだ。1週間でルールを全部変えた。)
職場の新体制への不満を話す場面です。seems を添えると、断定を避けた言い方になり、セミコロンのあとの具体的な出来事が根拠として働きます。

A: Why are you telling everyone where to sit?
B: I’m the party host today.
A: You’re drunk with power!
(A:どうして皆の座る場所を指図してるの?)
(B:今日はパーティーの幹事だからね。)
(A:権力に酔ってるね!)
幹事役の友人を茶化す往復会話です。ジェイの場面と同じく、目の前の相手に You’re drunk with power! と向ける形の使い方です。

あわせて覚えたい関連表現

go on a power trip
(権力を振りかざして威張る)
drunk with power が「力に酔っている状態」を評する言い方であるのに対し、go on a power trip は「威張る行動」を動きとして述べる言い方です。

let something go to one’s head
((成功や地位などで)うぬぼれる、思い上がる)
権力に限らず、成功、称賛、お金など幅広い対象に使えます。drunk with power は対象が権力や権限に絞られる点が違いです。

throw one’s weight around
(権限や影響力を振りかざして威張り散らす)
周囲に対する具体的な振る舞いを述べる表現です。drunk with power が本人の心理状態を指摘するのに対し、こちらは表に出た態度を描く言い方です。

Note|「権力に酔っている」という訳の硬さと、場面の軽さ

drunk with power を辞書どおりに訳すと「権力に酔っている」になります。ただ、この日本語は少し硬く響くため、ドラマの軽いやり取りにそのまま当てると、印象がずれる場合があります。

ジェイとマニーの場面は、ピクルスを一口食べるまで座っていろ、という身近なやり取りへの一言です。「権力に酔ってるね」と訳すと、政治や組織の話のような重さが出ます。一方で、原文の You’re drunk with power. は、その場の主導権を握った相手への茶化しとして読めます。

そこで、訳し分けの選択肢を考えます。「偉そうだね」は、態度に焦点を当てた軽い言い方です。「調子に乗ってるね」は、気分の高ぶりに焦点を当てた言い方です。「権力に酔ってるね」は、原文の比喩をそのまま残した言い方で、大げさな響きがそのまま笑いにつながります。

どれを選ぶかは、場面の温度で決まります。今回のシーンは、ジェイの「そのとおりだ」で終わっており、二人の間で大げさな言い回しを承知のうえで受け取っているように読めます。直訳の硬さが、そのまま冗談の大きさとして働いている場面と言えます。

訳語の硬さと場面の軽さのずれに気づくと、drunk with power が持つ「大げさに評する」感覚も見えてきます。

まとめ|「権力に酔ってるね」の一言に込められたからかい

drunk with power は、力や権限を手にして気が大きくなっている人を評する表現です。目の前の相手に向ければからかいや皮肉になり、第三者について使えば、その人の言動が行き過ぎていることの指摘になります。

with のあとに置く名詞で、何に酔っているのかを言い換えられる点も、押さえておきたい特徴です。訳すときは、場面の軽さに合わせて「偉そうだね」「調子に乗ってるね」といった言い方も選べます。

マニーの一言に、ジェイが「そのとおりだ」と返した流れは、権力という大きな言葉を、ピクルスをめぐる小さな駆け引きに当てた場面でした。身近な場面で誰かの張り切りぶりを茶化したいときの表現として、引き出しに加えてみてください。

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