海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
財布の中身を数えてみたら、思っていたよりずっと少なくて、「もうこれしか残っていない」と声に出したくなったことはありませんか。
そんな場面にぴったりの「be down to」を、『フレンズ』シーズン6第17話の前半、俳優のジョーイが友人たちに、手持ちの宣材写真がもう残りわずかだと打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「be down to」の意味とニュアンス
be down to
意味:(残りが)〜しかない、〜まで減っている
be down to は、数や量が少しずつ減っていって、最後に残ったのが〜だけになった、と伝える表現です。down は「下がって、減って」という方向を表し、to のあとには減った先の数量や、残ったもの自体を置きます。直訳すると「〜のところまで下がっている」となり、減っていった道のりの終着点を示す形だとつかめます。
使い方の型は2つあります。ひとつは be down to three(3つしか残っていない)のように、数量を置く型です。もうひとつは be down to the last two candidates(最後の2人の候補まで絞られた)のように、名詞を置く型です。主語には I や we のほか、the list(リスト)など数が減っていくものも置けます。今の残りを述べる表現なので、現在形の be down to が基本になります。
似た内容を have three left と言うこともできますが、こちらは残りの数を淡々と述べる言い方です。be down to は、もとはもっとあったものが減ってその数になった、という減っていく過程まで含んで伝わります。まだゼロではないものの、かなり少なくなっているという焦りや心細さも、ひとことに乗せやすい表現です。
【ここがポイント!】
- 核は、減っていって「最後に残ったのは〜だけ」と言い切る、数量の終着点を示す言い方
- to のあとに、数量(three)でも名詞(the last two candidates)でも置ける形
- have 〜 left と違い、もっとあったものが減ってきた過程が、ひとことに含まれる表現
『フレンズ』S06E17のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジョーイが働く店で、ジョーイは友人たちに、20%のチップより50%のほうが気前がいいと言い出します。ロスが「その欲張りぶりはなんなんだ」と尋ねると、ジョーイは新しい宣材写真を撮る費用の高さを理由に挙げ、手持ちの写真の枚数を打ち明けます。
Ross: What’s up with the greed, Joe?
(その欲張りぶりはなんなんだ、ジョー?)Joey: All right, look, I’m sorry, you guys but it’s just that I got to get these new head shots made, and they’re really expensive you know? I’m down to, like, three. Actually, two ‘cause one of them I kind of blackened in some teeth. Why’d I do that?
(いや、悪かったよ、みんな。でもさ、俺、新しい宣材写真を撮らなきゃいけなくて、それがめちゃくちゃ高いんだよ。もう俺の手元には3枚くらいしか残ってないんだ。いや、本当は2枚だな。1枚は歯を黒く塗りつぶしちゃったからさ。なんでそんなことしたんだろうな?)Ross: Well, isn’t there something you can do to earn a little extra money? I mean, can’t you pick up… I don’t know, an extra shift here?
(だったら、ちょっとした小遣い稼ぎができるんじゃないのか? ほら、その、なんだ、ここでシフトを1つ増やすとか。)Phoebe: Or… you know, I used to beg for money.
(それか……ほら、私は昔、物乞いをしてたことがあるのよ。)Friends Season6 Episode17(The One with Unagi)
シーン解説と心理考察
ロスの What’s up with the greed, Joe? は、チップの額をつり上げようとするジョーイに向けた、軽い指摘です。greed は「欲張り」を意味する強めの単語ですが、ここでは責め立てるというより、なぜそんなことを言い出したのかと理由を聞き出す一言になっています。
ジョーイはまず I’m sorry と謝ってから、理由を順に並べます。宣材写真を撮り直したいこと、それがとても高いこと。そのうえで I’m down to, like, three. と、手持ちの枚数を伝えます。like は数をぼかす言葉で、数えてみたら3枚くらいだった、という口ぶりです。ところが直後に Actually, two と言い直し、1枚は歯を黒く塗りつぶしてしまったと打ち明けます。3から2へと数が減っていく様子が、数字の訂正そのままで伝わる流れです。最後の Why’d I do that? は、自分の失敗に自分で突っ込む一言になっています。
be down to が入った I’m down to, like, three. は、単に「3枚ある」ではなく、もっとあったはずの写真が減って、そこまで来てしまったという響きを持ちます。そのあとに枚数がさらに減る訂正が続くため、「残りわずか」という感覚が、一言のなかでさらに強まります。
ロスは、それならここでシフトを増やせばいいと返します。ジョーイの困りごとに、まず現実的な解決を出す反応です。続くフィービーは、自分は昔、物乞いをしていたと切り出し、話を別の方向へ広げます。used to は「以前は〜していた」という、今はしていない過去の習慣を表す形です。友人たちがそれぞれ違う角度から、ジョーイの財布の悩みに答えていく会話になっています。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
be down to を覚えるコツは、水位が下がっていく水槽を思い浮かべることです。たっぷり入っていた水が少しずつ減って、最後に底のほうに「3」だけが残っている。down が示す下向きの動きと、to が指す残りの数量を、ひと続きの映像にして覚えます。
ジョーイの場面では、この水位がもう一段下がります。like, three と言ったのに、Actually, two と言い直すことで、残りがさらに減る。水槽の水が、話している最中にもう一目盛り下がるような感覚です。減っていって、いまここ、という位置を指す言い方だと押さえておくと、have 〜 left との違いも、感覚として思い出せます。
例文で覚える「be down to」
数量が減って残りわずかになった場面で使われる be down to を、3つの例文で確認していきましょう。
I’m down to my last ten dollars until payday.
(給料日まで、残りは10ドルしかない。)
月末に財布の中身が心細くなった場面です。my last ten dollars のように、最後に残った数量を具体的に置くと、残りの少なさがはっきり伝わります。
We’re down to two candidates for the job.
(その仕事の候補は2人にまで絞られた。)
採用の場面で、候補者が減っていった結果を伝える文です。数が減る対象は、お金や物だけでなく、人や選択肢でも使えます。
A: Do we have any coffee left?
B: We’re down to the last bag.
(A:コーヒー、まだ残ってる?)
(B:最後の1袋しかないよ。)
家庭の買い置きを確かめ合う会話です。the last bag のように名詞を置くと、残っているものの数が1つだけだと伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
have 〜 left
(〜が残っている)
be down to が減ってその数になった過程まで含むのに対し、have 〜 left は残りの数を淡々と述べる言い方です。have three left のように使います。
be reduced to
(〜にまで落ちぶれる、〜しかなくなる)
be down to が数量の減少を述べるのに対し、be reduced to は、ほかに選択肢がなくなって追い込まれる響きが強い表現です。
run out of
(〜が尽きる)
run out of は「ゼロになった」ことを表すのに対し、be down to は「まだゼロではないが、ごくわずかに残っている」状態を表します。
Note|「残り」を言うときに to のあとに置くもの
今回のシーンで be down to のあとに置かれたのは、like, three という数量でした。to のあとに何を置くかで、文の働きは変わります。
まず、数量を置く型があります。I’m down to three. は、残りが3つだと伝える文です。次に、名詞を置く型があります。We’re down to the final question. のように、残ったものが何かを示すときに使います。この2つは、どちらも「減った先に何が残ったか」を to のあとに置く点で共通しています。
さらに、主語に It を置いた It’s down to you. のような形もあります。こちらは残りの数量を述べる文ではなく、「最後に決まるのは君だ」という意味で使われる形です。同じ down to を含んでいても、It’s down to you. の形は、I’m down to three. のように残りを述べる文とは働きが違います。
ジョーイの I’m down to, like, three. は、主語が I で、to のあとに数量を置いた型です。It’s down to 〜 の形ではありません。「残りが3枚しかない」という意味で読んでよい文だと、形からも判断できます。to のあとに置かれているものが数量なのか、人や物なのかを見ると、意味を取り違えにくくなります。
It’s down to 〜 の形かどうかと、to のあとに何が置かれているかを見れば、be down to の意味は読み分けられます。
まとめ|減っていった先の数を、ひとことで示す
be down to は、数や量が減って、最後に残ったのが〜だけだと伝える口語表現です。もとはもっとあったという過程が含まれる点が、have 〜 left との違いです。
to のあとに数量や名詞を置けば、お金、時間、候補者、買い置きなど、さまざまな「残り」を短く言い表せます。ジョーイの場面のように、数を言い直しながら残りをさらに減らしていく使い方もできます。
財布や冷蔵庫の中身が心細くなったときに、「もうこれだけ」を伝える一言として、表現の引き出しに加えてみてください。


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