海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
気になった話題について、本や記事を一通り読んで詳しくなってから、人に話したくなる場面があります。
そんなときにぴったりの「read up on」を、『モダンファミリー』シーズン6第7話の中盤、ジェイに見せてもらった船の模型をきっかけに、ある軍艦について調べ始めたと話すマニーの場面から、一緒に見ていきましょう。
「read up on」の意味とニュアンス
read up on
意味:〜について(本や資料を読んで)詳しく調べる、下調べする
read up on は、ある話題について書かれたものをまとめて読み、知識を仕入れることを表す表現です。read は「読む」、on は「〜について」、up は「すっかり、徹底して」という感覚を足す語で、全体では「〜についてしっかり読み込む」というイメージになります。
read about(〜について読む)は、読んだという事実を述べる言い方です。read up on は、知識を身につけるために念入りに読む、という目的意識が加わります。面接や旅行の前の下調べ、初めて取り組む分野の勉強、話の準備など、知識を得るために調べる場面で使います。
形は read up on のあとに、調べる対象を置きます。read up on the company(その会社について調べる)のように名詞を続けるほか、対象がすでに話に出ているときは read up on it(それについて調べる)のように代名詞で受けます。
時制の変化にも注意が必要です。read は現在形と過去形、過去分詞形がすべて同じ綴りで、I read up on it yesterday(昨日それについて調べた)のように、綴りだけでは時制が分かりません。今回のシーンでは、I started reading up on と、start のあとに動名詞の形で使われています。
【ここがポイント!】
- 「read up on」の核は、読んで知識を満たしていくイメージ
- read about より、念入りに調べるという目的意識が強く出る表現
- on のあとに調べる対象を置き、時制は前後の文脈で見分けるのがコツ
『モダンファミリー』S06E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
マニーとジェイが言葉を交わす場面です。マニーは、ジェイに見せてもらった船の模型をきっかけに調べたことを語ります。ジェイはその話しぶりを、自分の趣味を逆手に取った遠回しな皮肉と受け取ります。そのやり取りの入り口に、reading up on が出てきます。
Manny: You know, after you showed us that cool model, I started reading up on the “U.S.S. Constitution.” Quite a ship in its day. Then, of course they invented steam ships. Your old sailing frigates just couldn’t compete with those younger, faster, steamier models in the water.
(ねえ、あのかっこいい模型を見せてもらってから、僕は「U.S.S.コンスティチューション」について詳しく調べ始めたんだ。当時はなかなかの船だったね。でも、もちろんそのあとで蒸気船が発明された。ジェイの古い帆走フリゲート艦じゃ、もっと新しくて速くて、蒸気の勢いのある船には水上で太刀打ちできなかったんだよ。)Jay: You know, it’s too bad you don’t spend as much time on your Spanish homework as you do online finding passive-aggressive ways of using my hobbies against me. What’s this?
(いいか、残念だな。スペイン語の宿題にもそれくらい時間を使えばいいものを、おまえはネットで、俺の趣味を逆手に取る遠回しな皮肉ばかり探してるんだからな。なんだ、これは?)Manny: Permission slip. Lets me transfer into French. Only one parent signature required.
(許可証だよ。これでフランス語に移れるんだ。保護者の署名は片方だけでいいんだって。)Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)
シーン解説と心理考察
マニーは、I started reading up on the “U.S.S. Constitution.” と、模型を見せてもらったあとで自分から調べ始めたことを切り出します。続けて、当時はなかなかの船だったこと、蒸気船が発明されると、ジェイの趣味の帆船が蒸気船に太刀打ちできなかったことを、順を追って語ります。調べた内容を筋道立てて並べていく話し方が印象的です。
これに対してジェイは、「スペイン語の宿題にもそれくらい時間を使えばいいのに」と切り返します。ジェイは、マニーが調べたことを話題にしている点を、自分の趣味を逆手に取った遠回しな皮肉だと受け取っています。何を調べたかよりも、その時間を何に使っているかに目を向けた返しです。
「なんだ、これは?」とジェイが尋ねると、マニーは「許可証だよ」と答え、フランス語に移れること、保護者の署名は片方だけでいいことを続けます。マニーの答えは短く、要点だけが並びます。長く語った直前の発言とは対照的に、手短に用件を告げる形です。
reading up on の対象になった軍艦の話は、会話の入り口として働いています。調べた話題から始まった会話が、スペイン語からフランス語へ移る話という別の用件へ進んでいく流れが見どころです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
本の山に囲まれて、上から順に読み進めながら、頭のなかの棚を少しずつ埋めていく様子を思い浮かべてみましょう。read up on の up には、空いていた棚が知識でいっぱいになるまで読み込む、という感覚が含まれています。
マニーの場合、模型という入り口から軍艦の名前にたどり着き、蒸気船が発明された話まで読み進めていました。ひとつの話題について、当時の様子から時代の移り変わりまで、順に読んで知識をためていく動きが、そのまま read up on の姿です。読み終えたあとに、誰かへ話せるだけの知識が手元に残っている状態を目指す、という順序でもあります。
I started reading up on〜という言い方の背後には、読み進めるほど棚が埋まっていく動きがあります。
例文で覚える「read up on」
知識を得るために調べる場面で使うread up onを、3つの例文で確認していきましょう。
I need to read up on the company before the interview.
(面接の前に、その会社について調べておかないと。)
面接の準備をする場面です。before the interview と時期を添えると、下調べが目的だと伝わります。
She read up on local customs before the trip.
(彼女は旅行の前に、現地の習慣について調べました。)
旅の準備を語る場面です。read は過去形でも綴りが変わらないため、before the trip という時期の情報が、いつの話かを示す手がかりになります。
A: Do you know how solar panels work?
B: Not really. I should read up on it.
(A:太陽光パネルの仕組みはわかる?)
(B:あまり。調べたほうがいいね。)
知らない話題に出会って興味を持つ会話です。on it と代名詞で受けると、話題がすでに出ていることが自然に伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
brush up on
(〜を復習して思い出す、磨き直す)
brush up on は、以前に学んだことの錆を落とすときに使います。read up on は、新しく知識を仕入れる場面にも使える点が違います。
look into
(〜を調べる、調査する)
look into は、問題や事情を調べる幅広い言い方です。read up on は、読んで調べるという手段が表現に入っている点が違います。
read about
(〜について読む)
read about は、読んだ事実を述べるだけの言い方です。read up on は、知識を仕入れる目的や念入りさを含みます。
Note|read up on の up を「上」と訳して外れる理由
read up on の up を、方向の「上」として訳すと、意味がずれます。ここでは、この up の働きを、ほかの表現と並べて整理します。
up は、位置の「上」だけでなく、動作に「すっかり」「最後まで」「徹底して」という感覚を足す働きがあります。eat up は食べ尽くす、drink up は飲み干す、clean up は片づけてきれいにする、use up は使い切る、というように、動作を最後までやり切る感覚を加えます。read up on も同じ仲間で、read が「読む」という動作そのものを表すのに対し、read up は知識が満たされるところまで読み込む、という含みが加わります。on は「〜について」で、調べる対象を導きます。a book on gardening(園芸についての本)のように、話題を示す on と同じ働きです。
つまり read up on は、「上に向かって読む」のではなく、「〜について、しっかり読み込む」と訳すと意味が合います。方向ではなく、動作の徹底ぶりを表す up だと押さえておくと、eat up や clean up と同じ感覚で理解できます。
マニーが I started reading up on〜と言ったのも、軽く目を通す程度ではなく、腰を据えて読み込んだという言い方でした。
up が付くと、動作の仕上がりまで含んだ言い方になります。read だけなら読む動作、read up なら読み込んだ結果までが視野に入る、という違いです。
まとめ|読んで知識を満たしていく、マニーの一言
read up on は、ある話題について書かれたものを読み込んで、詳しく調べることを表す表現です。on のあとに調べる対象を置き、対象がすでに話に出ているときは it などの代名詞で受けます。
面接や旅行の前の下調べ、初めて取り組む分野の勉強、話の準備など、知識を仕入れる目的がはっきりしている場面で使えます。read about は読んだ事実、brush up on は復習、look into は調査と、目的に合わせて選び分けられます。
船の模型をきっかけに、ひとつの話題を読み込んでいくマニーの姿が、この表現の感覚をよく表していました。表現の幅を広げてみてください。


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