「push up a schedule」の意味と使い方|『モダンファミリー』S06E14で学ぶ英会話

「push up a schedule」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

予定表に書き込んだばかりの予定が、突然、翌朝に動く。仕事でも日常でも、そんな連絡が入ることがあります。

そんなときの言い方が「push up a schedule」です。『モダンファミリー』シーズン6第14話の中盤、フィルとクレアが役柄を演じているやり取りの最中に、フィルが翌朝の予定の前倒しを告げる場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「push up a schedule」の意味とニュアンス

push up a schedule
意味:予定を前倒しにする、日程を早める

push up a scheduleは、予定や日程、時刻などを、早いほうへ動かすときの表現です。会議の開始時刻、納期、出発の時間など、決まっていた日時を、前へ繰り上げる場面に当てはまります。

pushは「押す」、upは「上へ」という意味です。この表現のupは、時間の流れの中で、より早い側へ動かす向きを表します。反対の意味の表現は、push back(予定を後ろへずらす、延期する)です。

使い方の型は、push up + 目的語です。目的語には、the meeting、the deadline、a scheduleのような、日時が決まっているものを置きます。動かした先の日時を示すときは、toを使って、push up the meeting to 9 a.m.のように続けます。

作中の一文では、scheduleという語は出てきません。かわりに、My showing was pushed up tomorrow morning.と、内覧の予定を主語にした受け身の形で、同じ意味を伝えています。showingは、不動産の内覧のことです。内覧の予定が、明日の朝に前倒しになった、という内容です。

見出しの形と、受け身の形を並べて見ておくと、能動でも受け身でも、pushed upの部分は変わらず、「予定が早められる」という意味を担っていることがわかります。

【ここがポイント!】

  • 「push up a schedule」の核は、予定や日程を、早いほうへ動かすこと
  • 目的語に予定を置く能動の形と、予定を主語にする受け身の形の、両方で使える
  • 反対の動きは、予定を後ろへずらすpush back

『モダンファミリー』S06E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

クレアとフィルが、役柄を演じているやり取りの中で、言葉を交わしています。その途中で、フィルが、内覧の予定が変わったと切り出します。明日の朝に何が起きたのか、そのフレーズの形まで注目です。

Claire: Phil, I’ve had my eye on you for years. I’m just so happy we’re finally gonna get some alone time. I’m not scaring you, am I?
(フィル、私、何年も前からあなたに目をつけてたのよ。やっと二人きりの時間が持てて、本当にうれしいの。怖がらせてないわよね?)

Phil: Quite the contrary. Most women who meet me almost instantly ask for some alone time.
(とんでもない。俺と会った女性は、ほとんどすぐに「一人にさせて」って言い出すんだ。)

Claire: Mmm.
(うーん。)

— Excuse me.
(ちょっと失礼。)

Phil: Darn it! My showing was pushed up tomorrow morning. I may have to make it an early one.
(ちぇっ! 俺の内覧が明日の朝に前倒しになったんだ。今夜は早めに切り上げなきゃいけないかもしれない。)

Modern Family Season6 Episode14 (Valentine’s Day 4: Twisted Sister)

シーン解説と心理考察

やり取りの入口で、クレアは、何年も前から目をつけていた、やっと二人きりの時間が持てた、と話しかけます。ここでのalone timeは、相手と二人で過ごす時間の意味です。

フィルの返しは、Quite the contrary.(とんでもない)で始まります。そのあとのMost women who meet me almost instantly ask for some alone time.では、同じalone timeが、今度は「一人にしてほしい時間」の意味で使われています。同じalone timeが「一人になりたい時間」とも受け取れる形で使われ、言葉のずれが笑いを生んでいます。

続いて、短い相づちと、Excuse me.の一言が挟まります。会話の流れが、いったんここで区切られる感覚があります。

そのあとのDarn it!が、この場面の転換点です。Darn it!は、思いどおりにいかないときに出る、軽い悔しさの声です。フィルは、続けてMy showing was pushed up tomorrow morning.と、内覧の予定が明日の朝に前倒しになったことを告げます。「明日の朝」という近い日時が示されるので、予定の動きが、どれだけ手前に来たのかも具体的にわかります。

前倒しになったのは、フィル自身の仕事の予定です。続くI may have to make it an early one.は、早めに切り上げる必要が出てくるかもしれない、という見通しで、予定の変更が、今の過ごし方に影響することを、自分の口から言い添えています。二人が過ごしている時間に、仕事の予定が割り込んでくる場面と言えます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

push up a scheduleは、壁のカレンダーの上で、付箋を動かす絵で覚えられます。

予定を書いた付箋が、来週の水曜日に貼ってあります。その付箋を、指でぐっと押して、手前の日付のほうへ動かします。押された付箋は、より早い日付のところで止まります。この「押して、早いほうへ動かす」動作が、push upの意味です。

フィルの場面も、この絵と重なります。内覧の予定という付箋が、明日の朝の欄まで押し出されてきた、という状況です。押した人の姿は見えません。付箋だけが、手前の日付に動いた結果を、受け身のwas pushed upが伝えています。

upという語を見て「上へ動かす」と受け取ると、あとの日付へ動かす向きと混同しやすくなります。この表現のupは、カレンダーの上での、手前(早い側)へ、と決めておくと、意味がぶれません。

例文で覚える「push up a schedule」

予定や日程が早まったことを伝える場面で使うpush up a scheduleを、3つの例文で確認していきましょう。

They pushed up the meeting to 9 a.m. because the client is flying out early.
(客が早い便で出発するため、会議は午前9時に前倒しになりました。)
仕事で会議の時間変更を伝える場面です。to 9 a.m.で、動かした先の時刻を示しています。

We had to push up our trip because the weather is going to get worse.
(天気が悪くなるので、旅行を前倒しにしなければなりませんでした。)
予定を早めた理由を話す場面です。had toを添えると、そうせざるをえなかった事情が伝わります。

A: Why are you leaving so early?
B: My flight got pushed up to this afternoon.
(A:どうしてそんなに早く出るの?)
(B:飛行機が今日の午後に繰り上がったんだ。)
予定変更を説明する会話です。gotを使った受け身で、日常の会話らしい軽い調子になります。

あわせて覚えたい関連表現

move up
(日時を繰り上げる)
move upは、push upとほぼ同じく、予定を早める言い方です。押し出すような動きを表すpush upに対して、move upは、単に日時を動かす意味で使えます。

bring forward
(日時を前倒しにする)
bring forwardは、日程を前へ動かす言い方です。push upよりも、改まった響きがあります。

push back
(日時を後ろへずらす、延期する)
push backは、push upの反対で、予定を遅い日時に動かすことを指します。押す向きが、手前か後ろかで、意味が反対になります。

Note|push up a scheduleは、受け身にすると「誰が動かしたか」が消える

push up a scheduleは、能動でも受け身でも使えます。作中のフィルは受け身を使っていました。ここでは、その違いと、動かした先を示す言い方を整理します。

能動の形では、動かした人が主語になります。They pushed up the meeting to 9 a.m.は、「彼らが会議を9時に早めた」という文で、動かした人がはっきりしています。これに対して、My showing was pushed up tomorrow morning.のような受け身の形では、予定が主語になり、誰が動かしたのかは文に出てきません。「予定が早められた」という結果だけを、簡潔に伝える形です。

動かした先の日時は、toで示せます。push up the meeting to 9 a.m.のように続けると、9時という新しい時刻がわかります。動かした幅を示したいときは、byを使います。The opening date was pushed up by a week.は、「開店日が1週間早まった」という意味で、日数の差を伝えています。

作中のフィルは、内覧の予定が前倒しになったという事実だけを述べ、誰が動かしたのかには触れていません。予定の変更を伝えるときは、動かした人よりも、予定がどうなったのかのほうが必要な情報になります。

能動か受け身か、toかbyかを選ぶだけで、伝えたい情報の重点を変えられます。予定の変更を英語で伝えるときの、使い分けの目安になります。

まとめ|予定を早いほうへ、ぐっと押し出す

push up a scheduleは、予定や日程、時刻を、早いほうへ動かす表現です。upは、カレンダーの上での「手前(早い側)」を指すと押さえておくと、意味がぶれません。

作中のフィルは、受け身のwas pushed upで、内覧の予定が明日の朝に前倒しになったことを告げていました。予定の変更と、その影響を、続けて述べる運びでした。

予定の変更を伝える場面は、仕事にも日常にもあります。会議、締め切り、出発の時間を早めるときの言い方として、この表現をレパートリーに加えてみてください。

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