「lock horns」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E16で学ぶ英会話

「lock horns」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

何かにつけて張り合ってしまう相手がいて、ぶつかった日々を振り返ると、悪い思い出ばかりではない。そんな複雑な気持ちになったことはありませんか。

そんな場面で使われる「lock horns」を、『モダンファミリー』シーズン7第16話の中盤、ジェイと同じ商売のライバルのアールが、張り合ってきた日々を振り返り、マニーが横から口を挟むシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「lock horns」の意味とニュアンス

lock horns
意味:(意見や利害が対立して)激しくぶつかり合う、張り合う

lock horns は、お互いに譲らず、意見や立場がぶつかって争う状態を表す口語表現です。lock は「しっかり組み合わさって動かなくなる」、horns は「角」という意味で、2つの角が絡んで離れなくなる様子が、そのまま「どちらも引かない対立」の像になっています。

基本の形は lock horns with someone で、「(人)と対立する、張り合う」という意味です。何をめぐって対立するのかを示したいときは、lock horns over the budget のように over を添えます。主語が2人で、The two managers lock horns のように言うこともできます。議論や口論に限らず、競争や意地の張り合いまで幅広く対象にできる動詞表現です。

また、いつも locking horns と -ing の形になるわけではありません。動詞として時制や人称に合わせて locked horns、lock horns、locking horns と形が変わります。今回のシーンでは、直前の文に言い添える短い形で出てきます。形が変わっても、「角を絡ませたまま動かない」という核のイメージは変わらず、対立している状態や対立の出来事を指します。

【ここがポイント!】

  • 「lock horns」の核は、角が絡み合って、どちらも引かない対立のイメージ
  • lock horns with 人、lock horns over 争いの対象という形で、相手と争点を示せる
  • 悪い意味だけでなく、張り合いの中身を振り返る場面でも使える

『モダンファミリー』S07E16のシーンで見てみよう

ここからは、実際のドラマシーンで確認していきましょう。

ジェイとアールのやり取りに、マニーが口を挟む場面です。マニーは、2人が互いを必要としていると指摘します。アールがそれを認めてジェイとの張り合いを振り返る中に、フレーズが出てきます。そのあと、マニーが冷静な一言を返します。

Manny: You two need each other. It’s what drives you.
(2人はお互いが必要なんだよ。それが2人を突き動かしてるんだ。)

Earl: The kid is right. Beating you is half the reason I get out of bed. Locking horns. We made each other better than I ever thought we could be.
(その子の言うとおりだ。お前を負かすことが、俺がベッドから起きる理由の半分なんだ。角を突き合わせて張り合ってな。俺たちは互いを、思っていた以上に高め合ったんだ。)

Jay: Pushed each other to greatness.
(互いを、偉大な高みへ押し上げた。)

Earl: We touched the sky.
(俺たちは空に手が届いたんだ。)

Manny: We’re talking about closets here, right?
(ここで話してるのはクローゼットのことだよね?)

Modern Family Season7 Episode16 (The Cover-Up)

シーン解説と心理考察

マニーの You two need each other. は、2人の関係を一言で言い当てる指摘です。It’s what drives you と続けて、張り合いが2人を動かす力になっていると説明します。2人の間に入ったマニーが、関係の中身を言葉にした形です。

アールは The kid is right. と認めたうえで、Beating you is half the reason I get out of bed. と打ち明けます。ジェイを負かすことが朝起きる理由の半分だという言い方で、張り合いが日々の原動力になっていることが表れています。その流れで Locking horns. と一言添えます。ぶつかり合うことを、悪い出来事ではなく、自分たちの関係を言い表す言葉として置いている点が特徴です。

ジェイは Pushed each other to greatness. と、アールの言葉を引き継ぎます。アールの We touched the sky. が重なって、2人の回想は盛り上がっていきます。大きな言葉が続くため、聞く側には少し大げさにも映ります。しかも2人は、言葉を交互に重ねるように盛り上がっていて、互いの言い回しに乗り合っている様子が伝わってきます。

そこへマニーが We’re talking about closets here, right? と問いかけます。ここまでの言葉を、商売の中身であるクローゼットに引き戻す冷静な一言です。2人の熱を帯びた言い回しと、それを見ているマニーとの落差が、場面の温度を変えています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

lock horns は、2頭の動物が角を突き合わせ、絡まったまま押し合って動けなくなる様子で覚えられます。どちらも力をゆるめないため、引き離すこともできません。意見や利害のぶつかり合いが膠着した姿が、そのまま目に浮かびます。

アールの Locking horns. は、そうして絡み合ったまま押し合った日々を、振り返る一言でした。押し合ったからこそ、互いに鍛えられた、という見方がそこに入っています。

絡んだ角は、敵意のしるしにも、張り合いの勲章にもなります。アールの一言は後者の側にあり、その響きの幅ごと覚えておくと、文脈に合った読み方ができます。

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例文で覚える「lock horns」

仕事の場面にも家族の場面にも広がる lock horns を、3つの例文で確認していきましょう。

The two managers often lock horns over the budget.
(その2人の部長は、予算をめぐってよくぶつかります。)
職場での意見の対立を説明する場面です。over the budget が、何をめぐる対立なのかを示しています。

The two companies have locked horns in the market for years.
(その2社は、何年も市場で張り合ってきました。)
企業同士の競争を述べる場面です。have locked と現在完了にして、張り合いが続いてきた期間を表しています。

A: Why are you two always arguing?
B: We keep locking horns over the smallest things.
(A:なんで2人はいつも言い合ってるの?)
(B:ほんのささいなことで、いつも衝突しちゃうんだ。)
仲の悪い2人の事情を友人に話す会話です。keep locking horns が、衝突が繰り返される様子を伝えています。

あわせて覚えたい関連表現

butt heads
(激しく衝突する、意見がぶつかる)
頭をぶつけ合うイメージの口語で、意見の対立全般に使います。lock horns は、角が絡んで動かないイメージで、どちらも譲らない膠着した対立を言いやすい表現です。

clash with someone
((人)と衝突する、対立する)
意見や性格、利害の食い違いによる衝突を表す、やや中立的な動詞です。lock horns は、張り合う2者の姿が目に浮かぶ言い方になります。

be at odds with someone
((人)と意見が合わない、折り合わない)
食い違った状態にあることを表す状態表現です。lock horns は、ぶつかり合う動きや出来事に重点があります。

Note|「角を突き合わせる」「衝突する」「張り合う」、lock horns を訳し分ける

lock horns を日本語にするとき、「角を突き合わせる」「衝突する」「張り合う」のどれを選ぶかで、受ける印象が変わります。構成語の字義と、比喩としての意味の関係から整理してみます。

字義どおりに読むと、lock は「絡んで動かない」、horns は「角」です。角が絡み合って離れない状態を指します。この像から、比喩としての意味は「どちらも譲らない対立」へ広がります。そのため、日本語で近いのは、同じく角の像を持つ「角を突き合わせる」です。ただし、この訳語は硬い響きがあり、日常の会話文には少し重く感じられます。

「衝突する」は、ぶつかる出来事に目を向けた訳語です。議論や会議での対立を述べる文に向いています。一方、「張り合う」は、競う気持ちや意地に目を向けた訳語で、ライバル関係を述べる文に合います。同じ lock horns でも、文脈次第で選ぶ訳語が変わることを覚えておくと便利です。

アールの Locking horns. は、争いの出来事というより、ジェイと張り合ってきた間柄を振り返る言葉です。このため、「角を突き合わせて張り合ってな」のように、角の像と競い合いの気持ちを両方残す訳し方がしっくりきます。

角の像を残すか、気持ちの側に寄せるか。その加減一つで、同じ lock horns の訳文の温度が変わります。

まとめ|張り合いを懐かしむアールの一言から

lock horns は、お互いに譲らず、意見や利害がぶつかり合って張り合う状態を表す口語表現です。

lock horns with 人、lock horns over 争いの対象という形で、相手と争点を示せます。職場の対立にも、企業同士の競争にも、身近な言い合いにも使える幅があります。争点を言いたいときは over、相手を言いたいときは with と、前置詞を選ぶだけで文が組み立てられるのも使いやすい点です。日本語にするときは、関係に目を向けるなら「張り合う」、出来事に目を向けるなら「衝突する」がなじみます。

ぶつかり合った日々を、互いを高めた時間として語るアールと、クローゼットの話に引き戻すマニー。熱の高さが違う二人の言葉が、一つの会話の中で交差しています。

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