「take someone down a peg」の意味と使い方|『モダンファミリー』S08E04で学ぶ英会話

「take someone down a peg」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

得意になっている相手に、少しだけ現実を思い知らせたい。そんな本音が、この話では母と息子の口からこぼれます。

そんな場面にぴったりの「take someone down a peg」を、『モダンファミリー』シーズン8第4話の中盤、クレアがルークに向けて口にする、受け身の形の一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「take someone down a peg」の意味とニュアンス

take someone down a peg
意味:(うぬぼれている人の)鼻をへし折る、思い上がりを正す

take someone down a peg は、自信過剰な人や得意になっている人を、ふさわしい位置まで引き下ろして謙虚にさせることを表す口語表現です。peg は「釘」や「杭」を指す名詞で、この言い方では位置や段階を示す目印のひとつとして使われています。a peg は「一段」にあたり、直訳は「(人を)一段下に降ろす」です。

日本語にするときは、「一段下げる」と直訳すると何の段なのかが伝わらないため、「鼻をへし折る」「思い上がりを正す」「少し思い知らせる」と訳し分けます。位置を下げる対象は、成績や地位そのものではなく、その人の自信や威張った態度です。

形の面では、take のあとに「人」を置き、そのあとに down a peg を続けます。someone の位置には me、him、her、the team などが入ります。受け身にすると、ドラマの台詞のように be taken down a peg となり、「(その人は)思い知らされる必要がある」「思い知らされた」という言い方になります。need to のあとに be taken を続けると、「〜される必要がある」という受け身の言い方になります。

この表現は、相手のうぬぼれに向けた否定的な評価を伴います。使う側の気持ちには、「いい気になっている」という不満や、少し懲らしめたいという思いが含まれます。そのため、smug(得意げな)や cocky(うぬぼれた)のような、威張っている様子を表す語と一緒に使われると、意味がいっそうはっきりします。

【ここがポイント!】

  • 「take someone down a peg」の核は、得意になっている人の位置を一段下げて、思い上がりを正すイメージ
  • take の後ろに「人」を置く形で、受け身の be taken down a peg にもなる
  • 相手のうぬぼれへの不満がにじむ言い方で、smug などの語と相性がよい

『モダンファミリー』S08E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

この話の序盤で、ルークは姉のアレックスにスクラブルで一度も勝ったことがないと話しています。ここでは、母のクレアとルークが「あいつに負けてほしい」と同じ思いを口にするところから会話が進みます。ルークの戸惑いに、クレアは問いには触れず、あの得意げなお姉さんには思い知らせる必要がある、と続けます。クレアの一言と、そのあとの短いやり取りに注目です。

Luke: I just want her to lose so bad.
(あいつに負けてほしくてたまらないんだ。)

Claire: Yeah. So do I.
(ええ。私もよ。)

Luke: Cheating? Are we really doing this?
(ズルするの? 本当にやるの?)

Claire: That smug sister of yours needs to be taken down a peg.
(あなたのあの得意げなお姉さんには、少し思い知らせてやらないとね。)

Luke: Ooh! Peg.
(おっ、peg だ。)

Claire: Think bigger.
(もっと大きく考えなさい。)

Luke: Pegs.
(pegs だね。)

Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)

シーン解説と心理考察

ルークの I just want her to lose so bad. には、so bad で強められた「負けてほしい」という思いが出ています。ここでの her は、序盤で勝ったことがないと話していた姉のアレックスです。クレアの Yeah. So do I. は、その思いにそのまま乗る返事で、母と息子が同じ側に立っていることを最初の二言で示します。

So do I. は「私もそうだ」という意味の言い方で、do は直前の want her to lose so bad を受ける代動詞です。短い返事のなかに、ルークと同じ気持ちだという意味が詰まっています。

ルークの Cheating? Are we really doing this? は、戸惑いの声です。クレアはその問いには触れず、That smug sister of yours と、アレックスを smug(得意げな)と評して話を進めます。needs to be taken down a peg の needs to は「〜する必要がある」で、主語の姉が思い知らされる側に立つ受け身です。クレアが自分で何かをすると言うのではなく、姉の側に必要なことがあると言い切る形で、母の断定的な口ぶりがよく出ています。

その後の Ooh! Peg. Think bigger. Pegs. の三行は、peg という一語を軸にしたやり取りです。ルークが peg を口にし、クレアが「もっと大きく考えなさい」と促し、ルークが pegs と続けます。ルークの問いには答えないまま、クレアが話を先へ進める向きで会話が続きます。三行のやり取りの最後まで、二人は同じ話題を共有しています。

得意になっている姉に思い知らせたいという思いを、母と息子が分け合う場面です。take someone down a peg の「引き下ろす」という動きが、この同じ向きの会話のなかで、台詞として使われています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

壁に並んだ杭(peg)の高いところに、自分の自慢を引っかけて得意になっている人を思い浮かべてみましょう。その人を、一段(a peg)低い杭に掛け直させる。それが take someone down a peg の動きです。

クレアの needs to be taken down a peg も、アレックスの得意げな様子を一段低い位置に掛け直す必要がある、という言い方だと思い浮かべると、意味がつかめます。「一段下げる」を「鼻をへし折る」に置き換えると、日本語の感覚に結びつきます。

例文で覚える「take someone down a peg」

うぬぼれた人を懲らしめたい場面で使う take someone down a peg を、3つの例文で確認していきましょう。

Winning three times in a row has gone to his head; someone needs to take him down a peg.
(3連勝して彼は調子に乗っている。誰かが鼻をへし折る必要がある。)
自慢が過ぎる人を話題にする場面です。セミコロンのあとの someone needs to が、台詞の needs to と同じ形で使われています。

The coach wanted to take the team down a peg before the final.
(コーチは決勝の前に、チームの思い上がりを正したかった。)
勝ち続けているチームを引き締める場面です。take のあとに人ではなく the team を置く形で、集団にも使えることが分かります。

A: He keeps bragging about his new car.
B: Somebody should take him down a peg.
(A:彼、新しい車の自慢ばかりしてるよ。)
(B:誰かが鼻をへし折ってやるべきだね。)
友人の自慢にうんざりしている会話です。bragging(自慢している)の話題に、should take him down a peg と続ける流れです。

あわせて覚えたい関連表現

cut someone down to size
(威張っている人を分相応に引き戻す、鼻をへし折る)
cut someone down to size は「身の丈に引き戻す」と、元の大きさに戻すことに重点があります。take someone down a peg は「一段下げる」と、位置を下げる見立てを使う点が違います。

put someone in their place
(出しゃばった人に身の程をわからせる)
put someone in their place は、立場をわきまえさせることに重点があります。take someone down a peg は、得意になっている状態そのものを下げる言い方です。

bring someone back down to earth
(舞い上がっている人を現実に引き戻す)
bring someone back down to earth は、浮かれた状態から現実に戻すことに重点があります。take someone down a peg は、うぬぼれや威張りに対して使う言い方です。

Note|「思い上がり」を正す言い方の違い、peg・size・place の見立て

相手の思い上がりを正すという意味の英語表現は、いくつもあります。同じ意味でも、何に見立てているかが違うので、言いたい中身に合わせて選ぶと、伝わり方が変わります。

take someone down a peg は、位置を一段下げる見立てです。得意になって高いところにいる人を、一段低いところへ降ろす。the team や him のように、下げられる人がはっきり示される言い方です。cut someone down to size は、大きさに見立てています。膨らんだ自信を、本来の大きさまで切り詰めるイメージで、こちらは大きさが主役です。put someone in their place は、場所に見立てています。出しゃばった人に、本来の立場を思い出させる言い方で、立場や役割に重点があります。

三つとも、日本語ではおおむね「鼻をへし折る」で訳せます。ただし、位置を下げるのか、大きさを戻すのか、立場をわからせるのかという見立ての違いは、訳に出にくい部分です。

クレアが言った needs to be taken down a peg は、得意げな姉を一段低い位置に戻す、という見立ての言い方でした。

まとめ|得意げな相手に、一段の「思い知らせ」を

take someone down a peg は、うぬぼれた人の位置を一段下げて、思い上がりを正すという意味の口語表現です。take のあとに人を置き、受け身にもできます。

ルークの「負けてほしくてたまらない」に、クレアは「私もよ」と応じ、得意げな姉は思い知らされる必要があると言い切りました。母と息子が同じ思いを分け合う会話のなかで、この表現が働いています。

得意になっている相手への不満を、一段低い位置に戻したいという短い言葉に込める。そんな一言です。

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