「walk on eggshells」の意味と使い方|『モダンファミリー』S08E07で学ぶ英会話

「walk on eggshells」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

何かの出来事のあと、周りが自分の前でその話題を避けているのが伝わってきて、かえって居心地が悪くなった経験はありませんか。

そんな気分にぴったりの「walk on eggshells」を、『モダンファミリー』シーズン8第7話の前半、ヘイリーの居場所を聞かれたフィルが、会えない寂しさをそのまま口にする一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「walk on eggshells」の意味とニュアンス

walk on eggshells
意味:腫れ物に触るように気を遣う、相手の機嫌を損ねないよう慎重に振る舞う

walk on eggshells は、相手を怒らせたり傷つけたりしないように、言葉や行動に細かく気を配って過ごすことを表す口語表現です。直訳は「卵の殻の上を歩く」で、足を置けば割れてしまうものの上をそっと進む様子が、そのまま「慎重にふるまう」という意味につながっています。

使われるのは、機嫌のよくない人や、傷つきやすい状態の人のそばで、言葉を選びながら過ごす場面です。触れてはいけない話題を踏まないように会話を進める場面にも合います。ここで表されているのは、緊張が続いている状態そのものです。一度きりの遠慮ではなく、ある期間にわたって気を張り続けているときに向いた言い方になります。

形の面では、walk を進行形にした walking on eggshells が目立ちます。「今まさに気を遣い続けている」という継続の感じが出るからです。around を添えて walk on eggshells around her のようにすれば、気を遣う相手を示せます。

訳としては「腫れ物に触るように」「おそるおそる」「気を遣いながら」といった言い方がなじみます。「腫れ物に触るよう」は、相手を傷つけないよう扱いに困っている様子まで含むため、この表現の訳としてなじみやすい言い方です。

【ここがポイント!】

  • 「walk on eggshells」の核は、割れる卵の殻の上をそっと歩くような慎重さ
  • 一度の遠慮ではなく、気を張り続ける状態を表す表現
  • 台詞のように「人 + walking on eggshells」とすると、「人に気を遣わせる」の形になる

『モダンファミリー』S08E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

サンクスギビングの話題が出る回で、キャメロンがヘイリーの居場所を尋ね、クレアがレイナーと一緒だと答えます。そこからフィルが、二人がよく会っていることと、自分は最近どちらにも会えていないことを話し始め、クレアに名前を呼ばれたあと、周りに向けて本音をもう一度口にします。walk on eggshells が出てくるのは、その最後の一言です。

Cameron: So, where’s Haley?
(ヘイリーはどこ?)

Claire: She’s with Rainer.
(レイナーと一緒よ。)

Phil: They’ve been seeing a lot of each other, which is great. Funny thing is, he was my friend first, but now I never see him. Or Haley.
(二人はよく会ってるんだ、それはすばらしいことだよ。おかしなのは、あいつは先に俺の友達だったのに、今は全然会えないってことだ。ヘイリーにもな。)

Claire: Phil.
(フィル。)

Phil: It’s what everybody’s thinking. I don’t want people walking on eggshells ‘cause he was my friend first, but now I never see him. Or Haley.
(みんなそう思ってるだろ。あいつが先に俺の友達だったのに今は全然会えないからって、みんなに腫れ物に触るように気を遣われるのは嫌なんだ。ヘイリーにもな。)

Modern Family Season8 Episode7 (Thanksgiving Jamboree)

シーン解説と心理考察

キャメロンの So, where’s Haley? は、その場にいない人を気にかける、ごく短い問いかけです。クレアの She’s with Rainer. も短く、ここまでは事実を伝え合う会話にとどまっています。

流れを変えるのが、フィルの長い返事です。二人がよく会っていることを「それはすばらしいこと」と言ったすぐあとに、Funny thing is, と続けて、あいつは先に自分の友達だったのに今は全然会えない、と話します。最初に前向きな言葉を置き、そのあとで不満を出す順序に、フィルの本音の出し方が表れています。Or Haley. と最後に付け足すところも、会えない相手がもう一人いることを忘れずに言い添える形です。

クレアが名前だけを呼ぶと、フィルは It’s what everybody’s thinking. と答えます。内容はさきほどの不満と同じで、それを「みんなが思っていること」としてもう一度口にしています。続く I don’t want people walking on eggshells は、友達に会えないことを周りが気にして触れずにいる、そんな状態は嫌だという意味です。

おもしろいのは、気を遣われたくないと言いながら、話の中身は自分の不満になっている点です。周りに遠慮してほしくないという言葉と、会えない寂しさをこぼす言葉が、一続きの発言のなかで並んでいます。フィルらしい率直さが、この一言ににじんでいます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

床いっぱいに卵の殻が散らばっている部屋を思い浮かべてみましょう。割らないようにつま先でそっと進む人の姿が、そのまま walk on eggshells の絵になります。足元ばかり気にして、顔を上げて話す余裕がない様子も、この表現に重なります。

フィルの台詞では、その絵の主役が入れ替わっています。自分が歩く側ではなく、周りの人たちが殻の上を歩かされている側です。I don’t want people walking on eggshells は、「みんなに、殻の上をそっと歩かせたくない」という絵として覚えておくと、台詞の向きがつかみやすくなります。

例文で覚える「walk on eggshells」

気を張り続ける状況で使う walk on eggshells を、場面を変えて3つの例文で見ていきます。

I feel like I’m walking on eggshells around my boss this week.
(今週は上司の前で、腫れ物に触るような気持ちになる。)
職場の空気がぴりぴりしている場面です。around の後ろに人を置くと、気を遣う相手がはっきりします。

Everyone has been walking on eggshells since the argument.
(口論があってから、みんなが腫れ物に触るように気を遣っている。)
口論のあとの気まずい雰囲気を語る場面です。since のあとに出来事を置くと、緊張が続いている期間が伝わります。

A: Why are you so quiet?
B: I feel like I have to walk on eggshells every time we talk about money.
(A:どうしてそんなに黙ってるの?)
(B:お金の話になるたびに、気を遣いながら話さなきゃいけない気がして。)
パートナーとの話し合いの場面です。every time を添えると、気を張り続ける状態が繰り返されている様子が出ます。

あわせて覚えたい関連表現

tiptoe around
(〜を避けて遠回しに振る舞う)
tiptoe around は、触れにくい話題や人を避けて、そっと動く言い方で、後ろに話題や人が来ます。walk on eggshells は、気を遣いながら過ごしている状態そのものを表すところが違いです。

handle someone with kid gloves
(〜に気を遣って丁寧に接する)
handle with kid gloves は、相手を丁寧にそっと扱う、扱う側の行動に焦点がある言い方です。walk on eggshells は、相手の機嫌を損ねる怖さがある状況に焦点があります。

beat around the bush
(遠回しに言う、本題を避ける)
beat around the bush が指すのは、話し方が遠回しであることです。walk on eggshells は、話し方に限らず、振る舞い全体に気を配る言い方になります。

Note|「人に気を遣わせたくない」と「自分が気を遣う」を言い分ける、walk on eggshells の形

walk on eggshells は、誰が気を遣っているのかによって、文の組み立てが変わる表現です。フィルの台詞は、その切り替えが見える形になっています。

自分が気を遣う場合は、I’m walking on eggshells のように、気を遣う本人を主語に置きます。around her のように後ろに相手を添えれば、誰に対して気を張っているのかも示せます。この形では、主語と、気を張って歩く人が同じです。

ところがフィルは、I don’t want people walking on eggshells と言いました。ここでは want の後ろに people を置き、その people が walking on eggshells している、という組み立てです。「want + 人 + -ing」の形で、「人が〜しているのは望まない」という意味になります。気を遣っているのは周りの人たちで、気を遣わせたくないと言っているのはフィル自身です。つまり、同じ walk on eggshells でも、want の後ろに人を置くだけで、気を遣う側にも、気を遣わせる側にも立てます。

日本語では「腫れ物に触るように接する」と「腫れ物扱いされたくない」のように、動詞の形を変えて言い分けます。英語は walk on eggshells の形を保ったまま、前に置く語で向きを変えられます。台詞の people の位置に注目すると、この表現の使い方が見えてきます。

まとめ|気を遣わせたくない、という本音の言い方

walk on eggshells は、相手を傷つけないように、気を張りながら過ごす状態を表す表現です。進行形にすれば継続の感じが出て、around で相手を示すこともできます。

フィルは、レイナーにもヘイリーにも会えていない寂しさを話しながら、周りに腫れ物扱いされたくないと言いました。「人 + walking on eggshells」の形を知っていれば、気を遣う側と、遣わせたくない側の両方を、同じ表現のまま言い分けられます。

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