海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ドラマには、何気ない一言を指摘されて、自分でも気づいていなかった好みが急に見えてくる瞬間があります。
そんな場面にぴったりの「have a type」を、『モダンファミリー』シーズン8第7話の前半、かかしの話をグロリアに振られたキャメロンが、言われてみればと認める一言から、一緒に見ていきましょう。
「have a type」の意味とニュアンス
have a type
意味:(恋愛などで)好みのタイプがある、決まったタイプを好きになりがちである
have a type は、恋愛の相手に選びがちな特徴が、ある程度決まっていることを表す口語表現です。type は「型」「種類」という意味の名詞で、have は「持っている」です。自分の中に決まった型を持っている、と順に読むと、「好みのタイプがある」という意味が見えてきます。
この表現が指すのは、一人の相手への気持ちではありません。何人かの相手を思い返したとき、見た目や性格に共通点があるという、傾向のことです。過去の相手を振り返って「いつも同じような人を選んでいる」と気づく場面や、友人の好みの傾向を話題にする場面に向いています。
形としては、I have a type. のほか、She definitely has a type. のように、好みを持つ側を主語にして使います。「好みの対象」を主語にする be someone’s type とは、主語が逆になる点が違います。また、台詞のように do を入れて I do have a type. とすると、「実際にそうだ」と強めた言い方になり、指摘されて認める調子が出ます。
「タイプがある」「好みの傾向がある」「いつも同じタイプを選ぶ」と訳すと、原文に近づきます。
【ここがポイント!】
- 「have a type」の核は、同じ特徴の人を選ぶという、好みの傾向
- 好みを持つ側が主語になり、一人の相手ではなく傾向を言う表現
- 台詞のように do を入れると、指摘されて認める口調になる
『モダンファミリー』S08E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
キャメロンの裏庭にふれあい動物園が用意されている場面で、グロリアが、かかしはミッチェルに似せて作らせたものだと言います。キャメロンはまず否定し、かかしにまつわる思い出を並べたあとで、have a type を使ってグロリアの指摘を受け止めます。その直後には、ルークがヤギについて質問します。
Gloria: Oh, Cam, and you had the scarecrow made to look like Mitch!
(まあ、キャム、あなたあのかかしをミッチに似せて作らせたのね!)Cameron: No, no, no, my mom sent that out from Missouri. I grew up with that. I even learned how to dance with it. I guess, now that you mention it, I do have a-a type.
(違う違う、あれは母さんがミズーリから送ってきたんだ。僕はあれと一緒に育ったんだよ。あれと踊る練習までしたんだ。言われてみれば、たしかに僕って好みのタイプがあるみたいだね。)Luke: Hey, what’s on this goat’s head?
(ねえ、このヤギの頭に付いてるのは何?)Cameron: That’s my big idea — A camera to capture everyone’s delight! Guess what I call it.
(これが僕の目玉のアイデアさ。みんなの喜びの瞬間をとらえるカメラだよ! 僕がこれを何て呼んでるか当ててみて。)Modern Family Season8 Episode7 (Thanksgiving Jamboree)
シーン解説と心理考察
グロリアの Oh, Cam, and you had the scarecrow made to look like Mitch! は、かかしを見て思ったことをそのまま口にした、驚きの混じった呼びかけです。Cam という愛称が、親しい間柄の会話であることを示しています。
キャメロンの返事は、No, no, no, と三度重ねた否定から始まります。そのあとに、母がミズーリから送ってきたこと、一緒に育ったこと、踊り方まで覚えたことが、短い文で順に続きます。かかしと過ごした時間の長さを積み上げていく流れの中に、指摘を受けて説明を足していくキャメロンの話し方が表れています。
そして最後に、I guess, now that you mention it, I do have a-a type. と続きます。now that you mention it は「そう言われてみると」という意味で、グロリアの指摘をきっかけに気づいた、という言い方です。I guess が付くことで、断言ではなく「そうかもしれない」という認め方になっています。a-a は、言葉が一度つかえて a を繰り返した形で、そのまま発言に残されています。ここでの「タイプ」は、かかしをミッチェルに似せて作らせたのね、というグロリアの指摘を受けたもので、キャメロンは母がミズーリから送ってきた子どもの頃からのかかしだと答えたうえで、言われてみれば自分には好みのタイプがある、と認めています。
話題はすぐに移り、ルークがヤギの頭に付いているものを尋ねます。キャメロンは、目玉のアイデアだと言って、みんなの喜びの瞬間をとらえるカメラの話を始めます。タイプの話から、自分の考えたアイデアの披露へと、流れが一気に切り替わるところにも、キャメロンの話題の運び方が重なっています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
type は「型」です。同じ鋳型から、似た形のものが次々に出てくる様子を頭に描くと分かりやすくなります。型が決まっていれば、できあがるものはどこか似通います。それと同じで、have a type は、自分の中に決まった型があり、そこから似た相手が選ばれていく、というイメージです。
キャメロンの台詞では、グロリアの指摘を受けたあとに、この表現が出てきます。言われてみれば、と立ち止まって自分の傾向を振り返る瞬間が、have a type の出番です。鋳型の絵を頭に置いて、過去の相手を並べてみる場面を想像すると、使いどころを思い出せます。
例文で覚える「have a type」
好みの傾向を言い表す have a type を、場面を変えた3つの例文で見ていきます。
I guess I have a type: tall, quiet, and a little shy.
(私にはタイプがあるみたい。背が高くて、静かで、ちょっと内気な人。)
自分の好みを振り返る場面です。コロンのあとに特徴を並べると、型の中身が具体的に伝わります。
She always falls for musicians. She definitely has a type.
(彼女はいつもミュージシャンを好きになる。たしかに好みのタイプがある。)
友人の恋愛の傾向を話す場面です。always と組み合わせると、繰り返し同じ特徴を選んでいる様子が出ます。
A: Why do you keep dating people like that?
B: Okay, I do have a type.
(A:どうしていつもそういう人と付き合うの?)
(B:わかった、確かに僕にはタイプがある。)
指摘されて認める場面の会話です。B の do が、「そのとおりだ」と認める調子を作っています。
あわせて覚えたい関連表現
be someone’s type
(〜の好みのタイプである)
be someone’s type は、相手を主語にして「その人の好みに合う」と言う形です。have a type は、好みを持つ側が主語になる点で、向きが逆になります。
have a thing for someone
(〜に惹かれている)
have a thing for は、特定の人や特徴への好意を表します。have a type は、特定の一人ではなく、繰り返し選ぶ傾向を述べる言い方です。
be into someone
(〜に夢中である)
be into は、今の相手への気持ちを表す口語です。have a type は相手の特徴の傾向を述べるもので、今の気持ちとは別のものを指しています。
Note|日本語の「タイプ」と英語の type はどこがずれるのか、have a type の訳し方
have a type を日本語にすると、ほとんどの場合「タイプがある」と訳せます。ところが、日本語の「タイプ」と英語の type には、使われ方に小さなずれがあります。
日本語の「タイプ」は、「どんなタイプが好き?」のように、その場の好みを聞くときにも使えます。一人の相手を指して「彼は私のタイプ」と言うことも自然です。つまり、一度きりの好みにも、一人の相手にも使える、幅の広い言葉です。
一方で have a type は、「型を持っている」という文字どおりの構造のとおり、複数の相手に共通する傾向を前提にしています。一人の相手について「私のタイプ」と言いたいときは、I have a type ではなく、He’s my type. のように be someone’s type を使うのが形に合います。訳すときも、「タイプがある」だけでは足りず、「いつも似た人を選ぶ」といった傾向の意味を足すと、原文の感じに近づきます。
キャメロンの I do have a type. も、グロリアの指摘を受けて、now that you mention it と前置きしながら言った一言でした。「好みのタイプがある」と訳しながら、そこに傾向のニュアンスを読み取る目を持つと、台詞の意味がはっきりします。
まとめ|言われてみれば、で気づく好みの傾向
have a type は、恋愛などで選びがちな特徴が決まっている、という傾向を言い表す表現です。好みを持つ側を主語にして、一人の相手ではなく、繰り返し現れる共通点を指します。
キャメロンは、かかしの話をグロリアに指摘されて、now that you mention it と前置きしながら、I do have a type. と認めました。自分でも意識していなかった傾向に気づいたときの、軽い自己申告の形が、この一言によく表れています。友人との恋愛の話題で自分の傾向を話すときにも、同じ形で使えます。


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