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自分に関わる決定が進んでいくのに、意見を聞かれる機会がない。そんなもどかしさを抱えたまま、黙って結果を受け入れた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
反対に、意見を言ってよい立場にあると伝えるときの一言が、「have a voice」です。『モダンファミリー』シーズン8第14話の前半、クレアが職場の人たちに向けて話す場面から、一緒に見ていきましょう。
「have a voice」の意味とニュアンス
have a voice
意味:発言権がある、意見を言える立場にある
have a voice は、物事を決める場で、自分の意見を言え、それを聞いてもらえる立場にあることを表します。voice は、のどから出る「声」そのものではなく、意見を表明する機会や立場を指す名詞として使われています。
形は、have a voice in this decision のように、in のあとに関わる物事を置くのが基本です。台詞の have a voice in this も、この形です。in this の this は、前の文脈にある話題を受けています。
feel と組み合わせると、feel like you have a voice の形になります。「意見を言える立場にある」という事実だけでなく、「意見を言ってよいと感じられる」という気持ちの面まで言い表せます。実際に発言できるかどうかとは別に、そう感じられる状態を作りたいと話すときに便利な形です。クレアの台詞は、まさにこの形で、聞き手の気持ちに働きかけています。
否定にして、don’t have a voice と言えば、「意見を言う場がない」「声が届かない」という不満を表せます。肯定でも否定でも、決定に関われるかどうかという軸で使い分けられるのが、この表現のわかりやすいところです。意見が通るかどうかではなく、意見を言う場があるかどうかを問う点も、押さえておきたい特徴です。
【ここがポイント!】
- 「have a voice」の核は、決定の場で意見を言え、聞いてもらえる立場にあること
- 形は have a voice in + 物事で、feel like you have a voice と気持ちの面も言い表せる
- voice は「声」ではなく、意見を表明する機会や立場として読む
『モダンファミリー』S08E14のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
予算削減について、クレアが集まった人たちに語りかける場面です。クレアが自分の経費やオフィスのドアの話をすると、ベンとケニーが続けて反応します。have a voice が使われているのは、クレアが「意見を言える立場にある」と伝える一文です。
Claire: I don’t like these budget cuts any more than you do, but I want you to know I’m in this with you. I’ve cut my expenses. All the execs are flying coach. But I do want you to feel like you have a voice in this. So, not only is my office door always open to you, I’ve actually had it removed.
(この予算削減は、みんなと同じくらい私も嫌なの。でも、私もみんなと一緒にやってるってことは知っておいてほしい。自分の経費は削ったし、役員はみんなエコノミークラスで飛んでるわ。それでも、この件で自分にも発言権があるって感じてほしいの。だから、私のオフィスのドアはいつでも開いてるだけじゃなくて、実際に外してもらったのよ。)Ben: That’s a very powerful metaphor, boss.
(すごく力のある比喩ですね、ボス。)Kenny: That’s a very powerful metaphor, boss.
(すごく力のある比喩ですね、ボス。)Claire: Kenny, thanks for keeping it light. So good.
(ケニー、場を軽くしてくれてありがとう。最高だわ。)Modern Family Season8 Episode14 (Heavy is the Head)
シーン解説と心理考察
クレアは、予算削減が好ましくないと認めるところから話し始めます。I don’t like these budget cuts any more than you do は、「みんなと同じくらい嫌だ」という比べ方で、相手と同じ側に立つ言い方です。I’m in this with you と続けて、自分も負担を分け合っていると示しています。
その裏づけとして、自分の経費を削ったこと、役員がエコノミークラスで飛んでいることを挙げます。気持ちを述べるだけでなく、具体的な行動を並べて、言葉に重みを持たせる組み立てです。
そのうえで、But I do want you to feel like you have a voice in this. と続きます。do が入っているので、「本当にそう感じてほしい」という強調が加わっています。決定そのものを動かす権限の話ではなく、意見を言ってよいと感じてほしい、という気持ちに重点があります。
続くドアの話では、not only … but … の形で、「いつでも開いている」を超えて「実際に外させた」と言います。「ドアが開いている」は、いつでも訪ねてよいという状態を指します。クレアはそれをさらに進めて、ドアそのものをなくした、と話しています。ベンはこれを「力のある比喩ですね、ボス」と受け止め、ケニーも同じ言葉をそのまま繰り返し、場に笑いが起きます。クレアは Kenny, thanks for keeping it light. と、場を軽くしてくれたことに礼を言います。
have a voice は、真面目な宣言の中心に置かれ、そのあとのやり取りが、場の空気を和らげています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
円卓を囲む会議で、自分の席の前にだけマイクが置かれている様子を思い浮かべてみましょう。マイクがあれば、いつでも意見を言えます。それが have a voice の持つ「発言できる立場」の絵です。
voice を「声」と覚えるだけでは、意見を言える立場という意味に届きません。マイクのたとえのように、「声を出せる位置にいる」と重ねると、立場の意味がつかめます。
クレアの台詞の feel like you have a voice は、そのマイクが自分の前にあると感じてほしい、という頼み方でした。
例文で覚える「have a voice」
意見を言える立場を表す have a voice を、会議、家庭、相談の会話という3つの場面で確かめていきましょう。
Every team member should have a voice in this decision.
(この決定では、チームの全員が意見を言える立場にあるべきです。)
会議で参加者の発言を促す場面です。should を使うと、そうあるべきだという考えを表せます。
A: Do I get to have a voice in this?
B: Of course. Tell us what you think.
(A:これについて、私にも発言権はある?)
(B:もちろん。どう思うか聞かせて。)
意見を求める往復の会話です。get to を添えると、発言の機会が与えられるかどうかを尋ねる形になります。
I want the kids to have a voice when we plan the trip.
(旅行の計画では、子どもたちにも意見を言ってほしいんです。)
家族で相談する場面です。want … to have の形にすると、周りの人に発言の場を作りたい気持ちが伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
have a say
(口を出せる、決定に意見が反映される)
have a say は、決定に影響を与える力があることを表します。have a voice が「意見を言える」ことに重点があるのに対し、こちらは「決まり方に響く」感じが強くなります。
speak up
(遠慮せずに意見を言う)
speak up は、実際に声を上げる行動を表す動詞表現です。have a voice は意見を言える立場があること自体を表すので、立場と行動で役割が分かれます。
have input
(意見を出す機会がある)
have input は、計画づくりなどで意見を出す機会があることを指します。職場や業務の話によくなじむ言い方で、have a voice は人の立場や気持ちに焦点があります。
Note|立場か、影響力か、機会か。have a voice と have a say、have input、speak up の使い分け
have a voice、have a say、have input、speak up は、どれも「意見」に関わる表現ですが、見ている焦点が異なります。4つを並べて、選び分けの目印を整理します。
have a voice が見ているのは、立場です。意見を言え、聞いてもらえる立場にあるかどうかを表します。have a say が見ているのは、影響力です。意見が決定に届き、結果を左右できるかどうかを表します。have input が見ているのは、機会です。計画の途中で意見を出せる場があるかどうかを指します。
speak up だけは、立場ではなく行動を表します。「意見を言う」という動きそのものを指し、立場があっても、実際に口に出さなければ speak up にはなりません。
選ぶときは、言いたい中身を先に決めます。立場の話なら voice、決定への影響なら say、意見を出す場なら input、行動を促すなら speak up です。たとえば、クレアの台詞のように「意見を言ってよいと感じてほしい」なら、立場と気持ちの話なので have a voice が合います。「最終的に決める力がある」と言いたいなら、have a say のほうが近くなります。
have a voice は「声を持つ」と直訳せず、「発言権がある」「意見を言える」と訳すと、立場の意味が伝わります。
まとめ|意見を言ってよい、と先に伝える一言
have a voice は、決定の場で意見を言え、聞いてもらえる立場にあることを表す表現です。have a voice in + 物事の形で使い、feel like を重ねると、そう感じられる状態まで言い表せます。
影響力なら have a say、意見を出す機会なら have input、行動なら speak up と、焦点によって表現を選び分けます。have a voice は、その中で立場に重点を置いた言い方です。
予算削減の説明で、自分の経費やドアの話まで添えながら、意見を言ってよいと伝えるクレア。その一文に、立場への配慮が込められています。


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