「see past something」の意味と使い方|『モダンファミリー』S08E19で学ぶ英会話

「see past something」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

気になる点が一つあると、その人のすべてが見えなくなってしまうことがあります。逆に、その点にとらわれずに、向こう側の良さを見てあげられる人もいます。

その視線の動きを言い表す「see past something」を、『モダンファミリー』シーズン8第19話の後半、クレアがローレインにかける励ましの言葉から、一緒に見ていきましょう。

目次

「see past something」の意味とニュアンス

see past something
意味:(欠点や気になる点)にとらわれず、その先を見る

see past something は、目の前にある欠点や第一印象にとらわれず、その向こうにある長所や本質に目を向けることを表します。past は「〜を通り過ぎて」という意味の語で、see past は直訳すると「〜の向こう側を見る」です。

欠点を「なかったことにする」のではなく、「欠点を越えて見る」という前向きな響きがあります。欠点は視界に入っていて、それを認めたうえで、その先の良さまで視線を届かせる、という動きです。

後ろには、欠点や印象を表す名詞を置きます。see past his rough manner なら「彼のぶっきらぼうな態度の先を見る」、see past the first impression なら「第一印象の先を見る」です。ドラマの台詞は see past that で、that という代名詞が、すでに話題に出た点を受けています。

if you can see past that のように、if を付けて「〜を越えて見られるなら」と条件の形で言うと、相手への頼みや励ましとして使えます。訳語は「〜の先を見る」「〜にとらわれず見る」「〜を乗り越えて見る」が基本で、文脈に合わせて「大目に見て」と言い換えることもできます。

【ここがポイント!】

  • 「see past something」の核は、欠点を認めたうえで、その向こうの良さを見ること
  • 後ろには欠点や印象を表す語を置き、台詞のように that で受けることもある
  • if you can see past … の形にすると、相手への励ましや頼みの言い方になる

『モダンファミリー』S08E19のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フランクと結婚するローレインと、クレアが言葉を交わす場面です。ローレインがこれまでの夫たちとフランクを比べるように話し、クレアが励ましを返します。「see past」は、クレアが返す言葉の中に入っています。

Lorraine: I’ve always married such serious men. Frank is not that at all.
(私はいつも、すごく真面目な人ばかりと結婚してきたの。フランクは、それとは全然違うのよ。)

Claire: Oh, I know, but if you can see past that.
(ええ、わかってます。でも、その部分を乗り越えて見てあげられるなら、ですけど。)

Lorraine: Past that?
(その部分を乗り越える?)

Claire: Yeah, he’s got a lot of wonderful qualities, too.
(ええ、フランクにはほかにも、すばらしいところがたくさんあるじゃないですか。)

Lorraine: Oh, sweetie, you’re missing it.
(あらあら、あなた、肝心なところがわかってないわね。)

Modern Family Season8 Episode19 (Frank’s Wedding)

シーン解説と心理考察

ローレインの I’ve always married such serious men. は、これまでに結婚してきた相手の傾向を述べています。always は「いつも」、such serious men は「そんなにも真面目な男性たち」です。続く Frank is not that at all. の that は、serious であることを指し、フランクはその真逆だと言っています。

クレアは、これをフランクの真面目でない点への不安として受け取ったように返します。Oh, I know は「ええ、わかっています」と相手の言葉を認める言い方で、but if you can see past that. と続けます。この文は if の節だけで終わっていて、言い切らないところに、相手を気遣うやわらかさがあります。see past that の that は、クレアが受け取った意味での、フランクの真面目でない点です。

ローレインは Past that? と、クレアの言葉をそのまま聞き返します。そのまま繰り返して聞き返す形は、意味を確かめる、あるいは引っかかった、というサインです。クレアはそれに、he’s got a lot of wonderful qualities, too と続けます。he’s got は he has と同じ意味で、qualities は「長所、美点」、too は「ほかにも」です。

ここでローレインが返す Oh, sweetie, you’re missing it. は、クレアが要点を取り違えている、という指摘です。missing it の it は、ローレインが言いたかった中心の点を指します。励ます側と励まされる側の見ている先がずれていて、クレアの気遣いがそのまま届いてはいない場面です。それでも、クレアが相手を思って言葉をかけたことは、台詞から伝わります。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

see past は、目の前に立っている看板の向こうの景色を見るイメージで覚えます。看板は視界に入っていて、消えてはいません。それでも、看板の横から視線を伸ばして、その向こうの景色まで見に行く動きです。

クレアの台詞なら、看板にあたるのが「フランクの真面目でない点」で、向こうの景色が「ほかのすばらしいところ」です。クレアは、看板を認めたうえで、その先を見てほしいと話しています。

声に出して練習するなら、see past の後ろを入れ替えます。see past his mistakes、see past the noise、see past the label と続けて言うと、「欠点・印象・外見」といった表面的なものが後ろに来る形が体に入ります。

反対の動きは、欠点にとらわれて先へ進めない状態です。get hung up on … は「〜にこだわって先へ進めない」という意味で、see past と対にすると、視線が欠点で止まるか、越えて届くかの違いがはっきりします。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「see past something」

人の印象、同僚の評判、採用の判断と、3つの場面で使い方を確かめます。

If you can see past his rough manner, he’s actually a very kind person.
(彼のぶっきらぼうな態度の先を見てあげれば、実はとても優しい人なんだよ。)
人の印象を弁護する場面です。If you can see past … の形は、台詞と同じ条件の言い方です。

A: She’s so blunt.
B: I know, but if you see past that, she’s really generous.
(A:彼女、すごく言い方がきついよね。)
(B:そうだね。でもそこを乗り越えて見れば、すごく気前がいい人だよ。)
同僚の評判を話す会話です。I know, but … と相手の言葉を認めてから切り出す流れは、ドラマのクレアと同じです。

The manager saw past her lack of experience and offered her the job.
(部長は彼女の経験不足にとらわれず、その仕事を任せた。)
採用の判断を説明する場面です。saw と過去形にすると、実際にそう判断した話になります。

あわせて覚えたい関連表現

look past
(〜を気にせずにその先を見る)
look past は see past とほぼ同じ意味で、意識して視線を向ける動きが強い言い方です。see past は、見えた結果としての理解に重点があります。

overlook
(〜を大目に見る、〜を見落とす)
overlook には「大目に見る」と「見落とす」の2つの意味があります。see past は、欠点が見えていても越えて見る、という前向きな響きがあります。

see through
(〜を見抜く)
see through は、表面の裏にある嘘や本心を見抜くことです。see past は、欠点などの表面の向こうにある長所を見ることで、向かう先が違います。

Note|同じ「見る」でも向かう先が違う、see past と see through の使い分け

see past と see through は、どちらも「表面の先を見る」ので、日本語では似た訳になりがちです。しかし、先に何を見つけるのかが違います。

see past は、欠点や第一印象の向こうにある、良さや本質を見ます。見えているものを否定せず、その先に視線を伸ばすので、「〜の先を見る」「〜にとらわれず見る」と訳すと意味が合います。

see through は、表面の裏に隠れている本心や嘘を見抜きます。透明な窓ガラス越しに向こうが見えるように、飾った外見の裏が見える、という発想で、「〜を見抜く」と訳すのが自然です。

つまり、see past は欠点を越えた先の良さへ、see through は偽りの裏の本音へ向かいます。「彼の態度の先を見てあげて」は see past、「彼のうそを見抜いた」は see through です。日本語の「見通す」「見抜く」「見透かす」を、どちらにも使ってしまうと、この違いが見えなくなります。

まとめ|欠点を越えて、その向こうの良さを見る

see past something は、目の前の欠点や第一印象にとらわれず、その先にある良さや本質を見ることを表す表現です。後ろには欠点や印象を表す語を置き、if you can see past … の形にすれば、相手への励ましにもなります。

クレアは、ローレインの言葉をフランクの真面目でない点への不安と受け取り、その先を見てほしいと励ましました。ローレインの返事は、その受け取りが要点からずれていることを伝えるものでした。

励ましの言葉が相手の気持ちと食い違うこともある。そんなやり取りの中でも、see past の形は、相手を思う気持ちを短く運んでくれます。

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