海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第18話は、大人たちがラスベガスのホテルに泊まる回です。ジェイたちが泊まるのは Excelsior という上級の階で、ジェイは到着してすぐ、列に並ばずに済むと話します。
ところが、その上にさらに上の階があると分かってから、ジェイの言葉づかいは少しずつ変わっていきます。得意げに見せる言い方、思いがけない事実に面食らう言い方、自分を下げてみせる比べ方を、場面の順に見ていきましょう。
「wave it around」得意げに見せる言い方と、上の階を知る場面
到着した場面で、グロリアがカードを見て感想を言うと、ジェイはこう返します。
Gloria: Silver, pretty.
(シルバーね、きれい。)Jay: Platinum, so don’t wave that around everywhere.
(プラチナだ。だから、あちこちで見せびらかすなよ。)Jay: People’ll get jealous.
(みんながうらやましがる。)Jay: Maybe wave it around a little.
(まあ、少しくらいなら見せびらかしてもいいか。)Modern Family Season5 Episode18 (Las Vegas)
wave ~ around は「〜を振り回す」が元の意味で、そこから人前で見せびらかす様子を表します。ジェイは「見せびらかすな」と言った直後に「少しならいい」と言い直しており、自慢したい気持ちが言葉の順番にそのまま出ているのが面白いところです。People’ll get jealous. は People will の短縮で、「みんながうらやましがる」と理由を添える形です。手に入れた物を人に見せたいとき、「あまり見せびらかさないように」と冗談まじりに言い合う場面でも応用できる言い回しです。
その後、ジェイは専用のエレベーターで警備員に呼び止められます。
Security Guard: That’s only for the Excelsior level.
(そちらはエクセルシオール階専用でして。)Security Guard: This elevator goes to the top floor.
(このエレベーターは最上階行きです。)Jay: I thought Excelsior was the top
(エクセルシオールが最上階だと思ってたが)Jay: 62.
(62階だろ。)Modern Family Season5 Episode18 (Las Vegas)
That’s only for ~ は「それは〜専用です」と範囲を区切る言い方で、案内や受付の場面でよく耳にする形と言えます。I thought ~ was … は「〜だと思っていた(のに違った)」という驚きを表し、思い込みが事実と違っていたと気づく流れが分かります。警備員はこのあと、最上階は Excelsior Plus だと告げます。
「Excelsior Minus」自分を下げてみせる比べ方
ジェイはグロリアに、知ったばかりの事実をそのまま伝えます。
Jay: Gloria, there’s a floor above us.
(グロリア、俺たちの上にもう一つ階がある。)Gloria: What?!
(なんですって?!)Jay: I know.
(だろ。)Jay: It threw me, too.
(俺も面食らった。)Jay: Excelsior Plus.
(エクセルシオール・プラスだ。)Jay: But to the people on that floor, we’re Excelsior Minus.
(だが、あの階の連中から見れば、俺たちはエクセルシオール・マイナスだ。)Modern Family Season5 Episode18 (Las Vegas)
I know. は相手の驚きに「だよな」と同調する一言で、It threw me, too. の throw は「人を面食らわせる」という意味です。「自分も同じように驚いた」と気持ちを重ねる言い方になっています。上の階の名前に付いた Plus をひっくり返し、自分たちを Excelsior Minus と呼ぶのは、即席の言葉遊びによる自虐と読み取れます。
このあとのやりとりで、グロリアが「プラチナだと思ってた」と言うと、ジェイは It’s crap.(くだらない)と切り捨てます。到着したときに自分で「プラチナだ」と言っていたカードへの評価が、すっかり変わっている点が印象的です。
来客を迎える準備の場面でも、グロリアの提案に答えるジェイの言葉には、上の階との比較がにじみます。
Jay: Good thinking! Of course, upstairs, the butler would be here already.
(いい考えだ! もっとも、上の階なら、執事がとっくに来てるんだろうがな。)Jay: I’m telling you, we might as well be sleeping in the basement.
(まったく、俺たちは地下で寝てるも同然だ。)Modern Family Season5 Episode18 (Las Vegas)
Of course, upstairs, ~ would … は「上なら当然〜だろう」と仮定で比べる当てこすりです。might as well be ~ は「〜も同然だ」という誇張で、上級の階にいながら地下扱いだと言うことで、不満の大きさを伝えています。
「reserved for ~ only」上の立場から告げられる断り
最後の場面では、ジェイが Excelsior Plus のサービスを受けています。執事のダッキーとのやりとりは次のとおりです。
Ducky: Shall I order your complimentary, in-room, hot-stone massage?
(お部屋での無料のホットストーン・マッサージをご手配しましょうか?)Jay: Complimentary?
(無料?)Ducky: All part of the Excelsior Plus experience, sir.
(すべてエクセルシオール・プラスのサービスの一部です。)Ducky: Might be nice after a dip in your private lap pool.
(専用のラッププールでひと泳ぎされた後にいかがでしょう。)— Oh, where has this been all my life? You know, I saw a harpist in the elevator.
(ああ、こんなにいいものが、これまでどこにあったんだろう。そういえば、エレベーターでハープ奏者を見かけた。)— Can we get that for our brunch tomorrow?
(明日のブランチに、あれを頼める?)Ducky: If it was up to me, yes, but unfortunately, that is reserved for our Excelsior Ultra guests only.
(私の一存で決められるなら、喜んで。ですが、あいにくそちらはエクセルシオール・ウルトラのお客様限定でして。)Modern Family Season5 Episode18 (Las Vegas)
complimentary は「無料の・サービスの」という意味で、ホテルや店の案内でよく見かける語と言われます。All part of the ~ experience は、特典が上の立場に含まれていることを示す言い方です。
締めくくりの If it was up to me, yes, but unfortunately, ~ は「私の一存ならそうしたいのですが、あいにく〜」と、相手の希望をいったん受け止めてから断る丁寧な形です。reserved for ~ only は「〜限定」を表し、ここで Excelsior Plus のさらに上に Ultra があると明かされます。上を目指して上がった先にも、また上があったというオチが印象的です。
希望に応えられないときは、まず相手の気持ちを受け止める一言を置くと、同じ断りでも角が立ちにくくなります。仕事の依頼や友人の頼みごとを断る場面でも、そのまま応用が利きます。
まとめ|上を知ったときの英語の変化
wave it around の得意げな言い方、It threw me, too. の驚き、Excelsior Minus や might as well be ~ の自虐、そして If it was up to me, yes, but unfortunately の丁寧な断り。立場の上下が言葉づかいにそのまま映る流れが見えてきます。
次回も『モダンファミリー』の会話から、場面ごとの英語を一緒に拾っていきましょう。
同じ回の執事とのやりとりやフィルの見せ場の英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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