「it’s not rocket science」の意味と使い方|『モダンファミリー』S04E02で学ぶ英会話

「it's not rocket science」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

難しそうに見えるものを前に不安がっている相手に、「大丈夫、そんなに難しくないよ」と声をかけたくなった経験はありませんか。

そんな一言にぴったりの「it’s not rocket science」を、『モダンファミリー』シーズン4第2話の中盤、育児教室で講師に話を振られたジェイが、自信たっぷりに言い切るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「it’s not rocket science」の意味とニュアンス

it’s not rocket science
意味:そんなに難しくない、頭を悩ませるほどのことではない

it’s not rocket scienceは、直訳すると「それはロケット科学ではない」という意味です。rocket scienceは、ロケットを扱う学問のことで、専門的で難しいものの代表として引き合いに出されています。その難しさの代表と比べて「そこまで難しくない」と言い切ることで、簡単さを伝える形の表現です。

専門知識や特別な才能は要らず、手順を追えば誰にでもできる、という意味合いがこめられています。心配している相手を励ましたいときにも、少し軽く見せたいときにも使えるため、口調ひとつで温度が変わる表現です。難しく考えすぎている相手をやわらげる使い方と、自信を見せて言い切る使い方の両方があります。

文の形としては、itが指す内容を主語にして、is not rocket scienceと続けるのが基本です。itは、直前や直後で話題になっている作業や物事を受けます。今回のシーンのように、「It’s not rocket science. It’s babies.」と続けて、itの中身を別の言い方で言い換える形もあります。

【ここがポイント!】

  • 「it’s not rocket science」の核は、難しさの代表であるロケット科学と比べて、簡単さを伝えること
  • 相手をなだめる場面にも、自信をのぞかせる場面にも使える、口調しだいで温度が変わる言い方
  • itが何を指すのかを、直後の言葉から読み取るのがコツ

『モダンファミリー』S04E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

育児教室に通っているジェイとグロリアのやり取りに、講師が語りかけます。経験のある親がクラスにいるのは心強いと述べたうえで、その知恵をほかの人にも分けてほしいと頼みます。それを受けたジェイが、今回のフレーズを口にする流れに注目です。

Gloria: Ay, please. You know about Lupe.
(あら、やめてよ。ルペのことは知ってるでしょ。)

Jay: You never said she was a goat.
(ヤギだったなんて、一度も聞いてないぞ。)

Teacher: You know, it’s great that we have a couple of experienced parents in the class. Perhaps you can share some of your wisdom with the rest of us.
(経験のある親御さんが2人、クラスにいてくださるのは心強いですね。よければ、その知恵を他の皆さんにも少し分けていただけませんか。)

Jay: Absolutely. It’s not rocket science. It’s babies. They’re hungry, you feed ‘em. They’re teething, you give ‘em some scotch.
(もちろん。難しいことじゃない。相手は赤ん坊だ。腹が減ったら食わせる。歯が生えてきて痛がったら、スコッチを少し飲ませる。)

Modern Family Season4 Episode2 (Schooled)

シーン解説と心理考察

講師に「知恵を分けてほしい」と頼まれたジェイは、「もちろん」と即答します。続く「It’s not rocket science.」は、育児は難しいものではないと、迷いなく言い切る一言です。あとに続く「It’s babies.」は、相手が赤ちゃんだという事実を並べて、複雑に考えるまでもないと示しています。

そのあとの説明も、「腹が減ったら食わせる」と、ごく単純な言い回しの積み重ねになっています。ためらいのない言い切りを、飾らない言葉で重ねていくジェイの調子が伝わってきます。最後の「歯が生えてきたらスコッチを少し飲ませる」は、実際の育児の方法ではなく、大げさな言い切りの延長として置かれた、劇中の笑いを誘うジョークです。

迷いのない調子と、そこに添えられた極端な冗談のずれが、この場面の見どころです。

グロリアとジェイのやり取りのあとで、講師が二人に向けて語りかける流れも、ジェイの返答を際立たせています。丁寧に知恵を求める講師の言葉と、短い文を並べて返すジェイの言葉とでは、話し方の長さも温度も違います。このコントラストが、it’s not rocket scienceという軽い一言の響きをいっそう強めています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

頭の中に、いちばん高い棚を思い浮かべてみましょう。その棚には、専門家しか手が届かないような、難しいものだけが置かれています。ロケット科学は、その棚のいちばん上にある代表格です。

目の前のことをその棚と見比べて、「あそこまで高くはない」と手を振るような動作をイメージすると、it’s not rocket scienceの感覚がつかめます。notは、その高い棚との距離を示す言葉です。ジェイの台詞では、育児をその高い棚から下ろして、手の届く場所に置き直す動きが言葉になっていました。

例文で覚える「it’s not rocket science」

簡単さを軽やかに伝える、it’s not rocket scienceの例文を3つ見ていきましょう。

Don’t worry about the form. It’s not rocket science.
(書類は心配しないで。そんなに難しくないから。)
手続きを不安がっている友人を励ます場面です。命令形のDon’t worryと組み合わせると、相手を安心させる声かけになります。

A: I can’t figure out this coffee machine.
B: Just press the green button. It’s not rocket science.
(A:このコーヒーメーカーの使い方が分からない。)
(B:緑のボタンを押すだけだよ。難しくないって。)
家庭や職場で、機器の使い方を教える会話です。具体的な操作を先に伝えてから添えると、簡単さがより伝わります。

You don’t need special training. It’s not rocket science.
(特別な訓練は要りません。そんなに難しいことではないんです。)
新人に仕事の進め方を説明する場面です。やや丁寧な口調の中でも使えるため、職場での説明にも合います。

あわせて覚えたい関連表現

it’s a piece of cake
(朝飯前だ、楽勝だ)
「簡単に片づけられる」という手軽さを述べる表現です。it’s not rocket scienceは、難しそうに見えて実は簡単、と難しさとの比較を含む言い方です。

it’s a no-brainer
(考えるまでもない)
選択や判断が明らかだという場面で使われます。it’s not rocket scienceは、作業や仕組みが簡単だという場面に向いています。

it’s not brain surgery
(そんな難しいことではない)
brain surgeryを難しさの代表に置き換えた、同じ型の表現で、意味はほぼ同じです。どちらも「Xほど難しくない」という否定の形をとります。

Note|「難しくない」を「難しいものの代表」との比較で言う、否定の型を並べて見る

it’s not rocket scienceには、難しさの代表を引き合いに出し、それを否定して簡単さを表す、という型があります。

この型の仲間として、it’s not brain surgeryがあります。brain surgeryは脳の手術で、rocket scienceと同じく、難しくて専門的なものの代表として置かれています。どちらも「Xほど難しくない」という形で、「簡単だ」という状態を直接述べる代わりに、難しさの代表との比較を通して伝えます。同じ内容は、You don’t have to be a rocket scientist.(ロケット科学者である必要はない)のように、人を主語にして言い換えることもできます。

日本語の「簡単だよ」は、状態をそのまま述べる言い方です。それに対して、英語のこの型は、難しさの代表と並べて否定するため、少し大げさに軽く言う響きが加わります。ジェイの台詞が「難しいことじゃない」と訳されているのも、この響きを日本語の口調に移した結果です。

言い換えを覚えておくと、同じ意味を人や作業を主語にして言い分けられます。目的に応じて、rocket scienceとbrain surgeryのどちらを使っても、簡単さを伝える型としては同じ働きをします。文の最初にItを置く形も、Thisを置く形も基本は同じで、話題になっている物事に合わせて主語を選びます。

まとめ|難しさの代表と並べて、簡単さを軽やかに伝える

it’s not rocket scienceは、難しさの代表であるロケット科学と比べて、目の前のことはそこまで難しくないと伝える表現です。

相手の不安をやわらげたいときにも、少し軽く見せたいときにも使えるため、口調ひとつで励ましにも自信の表明にもなります。itが指す内容を直後の言葉で言い換えていく形も、覚えておくと使い方の幅が広がります。

育児教室で講師に頼まれたジェイが、迷いなく「難しいことじゃない」と言い切った場面には、この表現が持つ軽さと堂々とした調子がよく重なっていました。簡単さを伝えたい場面で使える言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。

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