海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第5話は、ジェイが取ったレストランの予約に、家族が次々と遅れていく回です。支度に手間取る人、子どもを送ってから来る人と、遅れる事情もそれぞれ異なります。
遅刻したときの英語は「sorry」の一言で済ませがちですが、この回には謝罪の強さの違いや、理由の添え方、謝りながらも譲らない言い方までそろっています。遅れた家族と、店の側、それぞれの言葉を場面の順に見ていきます。
遅れた事情を道順で説明する
予約に向けて出発したいジェイの前に、出かけていたグロリアが戻ってきます。グロリアは開口一番、帰りが遅れた事情を道順に沿って話し始めます。
Gloria: Hi! Everybody’s running like crazy tonight.
(ただいま! 今夜はみんな、すごくバタバタしてるのよ。)Gloria: I took San Vicente thinking that I was gonna save some time, but then they’re working on the sewer.
(時間を稼げると思ってサン・ビセンテを通ったのに、下水道の工事をしてたの。)Gloria: So I went around Montana, down Moreno.
(だからモンタナを回って、モレノを下ったのよ。)Gloria: But then there’s that dip in the road.
(でも、あの道のくぼみがあるでしょ。)Gloria: I always forget about that dip in the road.
(あのくぼみ、いつも忘れちゃうのよ。)Gloria: I hit it so hard that I spilled the coffee all over the car.
(思いっきりはまって、車じゅうにコーヒーをこぼしちゃった。)Modern Family Season5 Episode5 (The Late Show)
Everybody’s running like crazy は「みんな大急ぎで動いている」という意味で、自分のことより先に、周りの慌ただしさから話に入る前置きです。
続く thinking that I was gonna save some time, but then ~ は「時間を節約できると思ったのに、そうしたら〜」と、予定と現実のずれを一息で伝える形です。遅れた理由を話すときは、このように「つもりだったのに」を先に置くと、手を抜いたわけではないという言い分が伝わりやすいはずです。
I went around ~ は「〜を回って行った」で、遠回りを表す言い方です。I always forget about ~ は「〜のことをいつも忘れてしまう」と、自分のうっかりを軽く認める一言です。グロリアの説明は工事、遠回り、道のくぼみ、こぼれたコーヒーと順を追って重なり、謝罪の言葉は出てこないまま、事情の報告だけが並ぶのが面白いところです。
自分の話に置き換えるなら、I took the highway thinking I’d save some time, but then there was an accident.(時間を稼げると思って高速道路に乗ったら、事故があって。)のように、つもりと結果を一文にまとめると、遅れた事情を短く伝えられます。
「Sorry, sorry.」と「We’re so sorry we’re late.」
席を失うのではと気をもむジェイに、グロリアはこう謝ります。
Gloria: Sorry, sorry.
(ごめん、ごめんね。)Gloria: Once I changed the earrings, I had to change the shoes.
(イヤリングを替えたら、靴も替えなきゃいけなくなったのよ。)Modern Family Season5 Episode5 (The Late Show)
Sorry, sorry. のように同じ語を重ねる謝り方は、急いで場を収めたいときの軽い調子を帯びます。理由の Once I ~, I had to ~ は「いったん〜したら、〜しなければならなくなった」という連鎖の説明で、一つの変更が次の変更を呼んだことを伝える形です。身支度に限らず、予定が少しずつずれていった経緯を手短に説明する場面で役に立ちます。
一方、レストランに遅れて着いたクレアは、ジェイに向かって次のように切り出します。
Claire: We’re so sorry we’re late.
(遅くなってほんとにごめんなさい。)Claire: We had to drop Luke off at your place.
(ルークを父さんの家に送らなきゃいけなかったの。)Claire: Phil wanted him to stay home alone, but he got scared.
(フィルは一人で留守番させるつもりだったんだけど、あの子が怖がっちゃって。)Modern Family Season5 Episode5 (The Late Show)
sorry we’re late は「遅れてごめん」の基本形で、間に so を入れると謝罪の気持ちが強まります。続く We had to ~ は「〜しなければならなかった」と、自分たちの都合ではなく事情があったことを示します。
さらに A wanted ~, but B ~ の形で、夫の判断と息子の反応を並べているのも特徴です。遅刻の理由を、自分以外の人の事情として説明する組み立てになっていると読み取れます。
まず謝罪を言い切ってから理由を続ける順番も、この場面の見どころです。言い訳から入らずに謝罪を先に置くと、聞き手は事情を受け止めやすくなるでしょう。
謝りながら譲らない言い方と、非を認めてかばう言い方
全員がそろったところで、ジェイが店のフィオナを呼びます。返ってきたのは次の言葉です。
Fiona: Actually, we just gave away your table.
(実は、お席はもうほかのお客様にお回ししました。)Fiona: I’m sorry, but I did warn you about this.
(申し訳ありませんが、こうなるとお伝えしてありましたので。)Modern Family Season5 Episode5 (The Late Show)
Actually, ~ は相手の期待と違う事実を切り出すときの前置きです。I’m sorry, but ~ は謝罪の形をとりながら、後半で言い分を通す組み立てで、ここでは結論を変えないという意思がにじみます。I did warn you の did は動詞を強める働きで、「確かに伝えた」と念を押しています。店の側から見ると、前もって伝えていたことを根拠に、丁寧な言葉づかいのまま断りを入れている場面です。
これを受けて、グロリアはフィオナに向かってジェイをかばいます。
Gloria: This man has been waiting to eat in this restaurant for months! We were all selfish, and we made him late.
(この人は何か月も、このレストランで食事するのを待ってたのよ! 私たちがみんな自分勝手で、この人を遅れさせたの。)Gloria: And maybe I got a little crazy, but I’m gonna think about that later.
(それに、私もちょっとどうかしてたかもしれないけど、それは後で考えるわ。)Modern Family Season5 Episode5 (The Late Show)
We were all selfish は自分たちの非をまとめて認める言い方で、made him late の make + 人 + late は「人を遅れさせる」という使役の構文になります。遅れた責任を自分たちの側に引き取ることで、待っていた人には落ち度がないことがはっきりします。maybe I ~, but ~ は、自分の非を半分認めつつ話を先へ進める言い方です。
グロリアの言葉には sorry が一度も出てきませんが、自分たちの非を認めること自体が、待たされた人へのおわびの役目を果たしている点が印象的です。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| Sorry, sorry. | 急いで場を収める軽い謝罪 |
| We’re so sorry we’re late. | so で強めた遅刻の謝罪 |
| We had to ~ | やむを得ない事情を示す |
| I’m sorry, but I did warn you | 謝りつつ結論は譲らない |
| We made him late. | 遅れの責任を引き取る |
まとめ|謝罪の強さと理由の添え方
Sorry, sorry. と We’re so sorry we’re late. の違い、We had to ~ や thinking that ~, but then ~ で添える理由、I’m sorry, but ~ で譲らない言い方。遅刻ひとつにも、立場によってこれだけの言い回しが使い分けられていることが分かります。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、場面に合った英語を見つけていきましょう。
服がかぶった2人の言い合いや待たされる側の英語は、同じ回のほかのコラムで、一つひとつの表現の使い方はフレーズ記事で扱っています。


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