海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第3話では、ミッチェルが父ジェイのライバルであるアールの会社で仕事を引き受けます。ジェイに向かってアールをかばったミッチェルが、のちにアール本人を責める側に回るという、立場の変化がこの回の流れです。
その場にいない人の評判を弁護する言い方と、信頼を裏切られたときの言い方。立場が入れ替わる中で、対照的な英語が並ぶ様子を順に見ていきます。
「I cannot have a ~ hanging around here」と警戒される
アールの会社でミッチェルに会ったアールは、こう言います。
Earl: Don’t bother unpacking that briefcase.
(そのブリーフケースは開けなくていい。)Earl: I cannot have a Pritchett hanging around here.
(プリチェット家の人間にここをうろつかれちゃ困る。)Earl: I got too much sensitive information your dad would love to get his hands on.
(お前の親父が喉から手が出るほど欲しがる機密情報が、ここには山ほどあるんでな。)Mitchell: That was a takeout menu.
(それ、テイクアウトのメニューでしょう。)Earl: I don’t want that man to know where I eat.
(あの男に、俺がどこで食ってるか知られたくないんだよ。)Modern Family Season7 Episode3 (The Closet Case)
Don’t bother ~ing は「〜しなくていい」と、相手の手間を先回りして断る形です。ここでは「荷ほどきは無駄だ」という追い返しの合図になっています。日常では Don’t bother calling me back.(折り返しの電話はいらないよ)のように、気づかいとして使われることもあります。
I cannot have ~ hanging around here. は「〜にここをうろうろされては困る」という形です。have + 人 + ~ing で「人に〜させておく」を表し、cannot と組み合わせると「そんな状態は許せない」という強い拒否になります。a Pritchett のように名字に a を付けると「プリチェット家の一員」という意味になるのも面白いところです。
get one’s hands on ~ は「〜を手に入れる」で、would love to と組むと「喉から手が出るほど欲しい」というニュアンスになります。ミッチェルの短い指摘に、アールが食い下がる流れも見どころです。
「He is not that bad a guy」とかばう
ライバルの仕事を引き受けたミッチェルを、ジェイは皮肉で迎えます。そこでミッチェルはアールをかばいます。
Jay: Oh, hey, Mitchell, you’re in luck.
(おう、ミッチェル、運がいいな。)Jay: There’s room for another knife in my back.
(俺の背中には、もう1本ナイフを刺す場所が空いてるぞ。)Modern Family Season7 Episode3 (The Closet Case)
you’re in luck は本来「運がいい」ですが、ここでは歓迎していないことを裏返しに伝える皮肉です。ミッチェルは引き下がらず、こう返します。
Mitchell: I just came here to tell you to your face that you’re wrong about Earl.
(面と向かって言いに来たんだ。アールのことは父さんの誤解だって。)Mitchell: He is not that bad a guy.
(そんなに悪い人じゃないよ。)Jay: I’ve seen him eat a panda steak.
(あいつがパンダのステーキを食うのを見たことがあるんだぞ。)Mitchell: He is a little rough around the edges, but, look, he wants the rivalry to end.
(ちょっと粗っぽいところはあるけど、でもさ、あの人はライバル関係を終わらせたがってるんだ。)Modern Family Season7 Episode3 (The Closet Case)
you’re wrong about ~ は「〜について誤解している」と、相手の人物評を正面から否定する言い方です。tell you to your face は「面と向かって言う」で、陰で言うのではなく本人に直接伝えるという姿勢を示します。
He is not that bad a guy. は「そこまで悪いやつじゃない」です。that bad a guy は that + 形容詞 + a + 名詞 の語順で、冠詞の a が形容詞の後ろに来ます。not that ~ は「そこまで〜ではない」と程度を下げる働きがあり、全面的に良い人だとは言わずに評価を引き上げるときに向いています。
ジェイが I’ve seen him eat a panda steak. と悪評を持ち出して返すと、ミッチェルは a little rough around the edges, but ~ と続けます。欠点を先に小さく認めてから but で長所につなぐ形で、相手の言い分を全否定しない分、聞き入れられやすい組み立てと言えます。
「I trusted you」と責める
ところが後の場面で、ミッチェルはアールにこう言います。
Mitchell: How could you? I trusted you.
(よくもそんなことを。信じてたのに。)Mitchell: I defended you to my father, and you made me look like a fool! And all for what? Closets.
(父さんの前であなたをかばったのに、僕に恥をかかせて! それも何のため? クローゼットのためだよ。)Modern Family Season7 Episode3 (The Closet Case)
How could you? は「どうしてそんなことができるの」という非難の決まり文句で、後ろの動詞を言わなくても裏切りへの怒りが伝わります。I trusted you. は過去形で、「信じていた(もう信じていない)」という変化を含みます。
I defended you to ~ は「〜に対してあなたを弁護した」で、to my father が誰の前でかばったかを示します。make someone look like a fool は「人に恥をかかせる、ばかに見せる」です。look like の部分が、相手からどう見えるかに焦点を当てた組み立てになっています。And all for what? は「それも何のために」と、割に合わなさを強調する問いかけです。
ジェイの There’s room for another knife in my back. も、stab someone in the back(人を裏切る)を下敷きにした皮肉と読み取れます。かばう側だったミッチェルが、今度は自分が裏切られたと訴える側に回る構図が見どころです。
まとめ|かばう言葉と責める言葉
you’re wrong about ~ や He is not that bad a guy でその場にいない人をかばい、How could you? I trusted you. で信頼を裏切った相手を責める。同じ人物をめぐって正反対の英語が並ぶ回と言えます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、場面ごとの言い回しを学んでいきましょう。
同居の頼み方や、反対されそうな話の切り出し方は同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事でも扱っています。


コメント