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身近な人の同居や同棲の話題を、どんな言い方で切り出すか迷ったことはありませんか。
そんなときに知っておきたい「shack up with someone」を、『モダンファミリー』シーズン7第3話の前半、娘の恋人の滞在をめぐってクレアとフィルが言葉を交わす場面から、一緒に見ていきましょう。
「shack up with someone」の意味とニュアンス
shack up with someone
意味:(恋人などと)同棲する、一緒に住みつく
shack up with someone は、特に結婚していない相手と一緒に暮らし始めることを、くだけた調子で言う表現です。shack は「粗末な小屋」を指す名詞で、up は「落ち着く」「住みつく」方向を添える語です。小さな小屋に身を寄せて住みつくという絵が、「一緒に住みつく」という意味につながっています。
「同棲する」にあたる言い方としては、move in together や live together もあります。これらは中立的に事実を述べる言い方です。それに対して shack up は砕けた言い方で、話し手の突き放した気持ちや、あまり賛成していない気持ちが混じることがあります。
形の面では、shack up は自動詞で、同居の相手は with で添えます。someone の位置には、相手を表す語が入ります。今回のシーンでは someone が her に置き換わり、動詞も shacking と -ing の形になった shacking up with her という形で出てきます。shack up with someone という見出しの形が、場面に合わせて活用と代名詞の置き換えを受けた形です。
「someone is shacking up with ~」のように進行形で状況を述べる形や、「shacked up with ~」のように過去形で出来事を述べる形も、同じ組み立てで作れます。with のあとに相手を置く点は変わりません。
日本語に置き換えるときは、「同棲する」「一緒に住みつく」「転がり込む」など、場面に合わせて選びます。「同棲する」とだけ訳すと中立な響きになるので、話し手の気持ちが混じる場面では、訳文の言い回しで温度を調整するとよいでしょう。
【ここがポイント!】
- 「shack up with someone」の核は、小屋に身を寄せて一緒に住みつくイメージ
- 同居の相手は with で添え、shacking up with her のように活用や代名詞の置き換えが入る
- move in together より砕けていて、話し手の気持ちが混じる場面で響く表現
『モダンファミリー』S07E03のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ヘイリーの恋人のディランがダンフィー家の地下室に滞在したいという話をめぐって、夫婦のクレアとフィルが意見を交わす場面です。クレアは最初、この話に反対していました。今回のフレーズは、クレアが一度は折れてみせる返事の中に出てきます。
Claire: Haley and Dylan in her bedroom.
(ヘイリーとディランが、あの子の寝室でね。)Phil: They’re doing what they’re doing. I say we be evolved about it.
(あの子たちは、やりたいようにやってるんだよ。俺たちは進んだ考え方で受け止めようじゃないか。)Claire: Fine. If you’re really okay with our precious daughter shacking up with her ne’er-do-well boyfriend, so be it.
(わかったわ。あなたが本当に、大事な娘がろくでなしの彼氏と同棲することを構わないって言うなら、そうしましょう。)Phil: I just don’t want them sneaking around like we had to.
(俺はただ、あの子たちに、俺たちがそうするしかなかったみたいにこそこそしてほしくないだけなんだ。)Modern Family Season7 Episode3 (The Closet Case)
シーン解説と心理考察
クレアの最初の一言は、状況を口に出して言い直すような短い発言です。「ヘイリーとディランが、あの子の寝室で」と、ディランの滞在先を一つずつ確かめるように並べています。この時点では、気持ちを説明する言葉は添えられておらず、事実だけを置いた形です。
フィルは「あの子たちは、やりたいようにやってるんだよ」と受け、「進んだ考え方で受け止めよう」と続けます。be evolved は「進んだ考え方をする」という意味合いで、物わかりのよい親でいようとする姿勢を、自分たち二人に呼びかける形で言っています。
フィルの言葉を受けたクレアの返事が、今回のフレーズの場面です。「Fine」と一度は折れてみせたうえで、「If you’re really okay with …」と条件をつけます。really が入っているので、「本当にそれでいいと言うなら」と、フィルの本心を確かめる響きです。続く「our precious daughter」と「her ne’er-do-well boyfriend」は、「大事な娘」と「ろくでなしの彼氏」を並べた言い方です。そこに shacking up with を置くことで、納得しきれない気持ちが残ったまま、同居を認める流れになっています。
「so be it」は、「それならそうしましょう」と、判断を相手の言い分にゆだねる言い回しです。クレアは同意の形をとりながら、まだ割り切れていない様子を残しています。
最後にフィルは、「あの子たちに、俺たちがそうするしかなかったみたいにこそこそしてほしくないだけ」と、自分の考えの理由を添えます。「like we had to」は、自分たち夫婦も、こそこそしなければならなかった経験があることをにおわせる言い方です。まだ割り切れていない妻に向けて、感情ではなく自分の経験を理由に挙げて説明しています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
shack up with someone は、小屋の絵で覚えられます。shack は、立派な家ではなく、粗末な小屋のことです。その小さな小屋に、二人で身を寄せ合って住みつく様子を思い浮かべてみましょう。立派な部屋を借りて計画的に暮らし始めるのではなく、とりあえず一緒に住みついてしまう、という少し乱暴な絵です。
この乱暴さが、shack up の砕けた響きと重なります。クレアが「shacking up with her ne’er-do-well boyfriend」と言ったとき、ディランの滞在という話題は、粗末な小屋に二人で転がり込む絵のような、砕けた言葉で言い表されています。「大事な娘」という言い方との落差に、すんなり賛成できない気持ちが、言葉の選び方に出ています。
小屋に身を寄せて住みつく様子を頭に描いておくと、with で相手を添える形まで一緒に覚えられます。
例文で覚える「shack up with someone」
くだけた調子で同居を言う shack up with someone を、3つの例文で確認していきましょう。
I heard he shacked up with his girlfriend after only two months.
(彼は付き合って2か月で、彼女と同棲を始めたらしいよ。)
知人のうわさ話をする日常の場面です。過去形の shacked up で、すでに同居が始まったことを伝えています。
A: Where’s Jake living these days?
B: He’s shacking up with his girlfriend across town.
(A:最近ジェイクはどこに住んでるの?)
(B:街の反対側で彼女と同棲してるよ。)
共通の友人の近況を聞く会話です。進行中の状態を述べる -ing の形で、「いま一緒に住んでいる」ことを表しています。
Don’t just shack up with someone to save on rent.
(家賃を浮かせるためだけに、誰かと同棲するのはやめておきなよ。)
友人に助言する場面です。someone の形のまま使った例で、見出しの形が、そのまま命令文の中に入ります。
あわせて覚えたい関連表現
move in together
(一緒に住み始める)
move in together は、中立で、丁寧な場面でも使える言い方です。shack up with someone が砕けた言い方で話し手の気持ちが混じるのに対し、こちらは事実を淡々と述べます。
live together
(一緒に暮らす)
live together は、暮らしている状態を淡々と表す言い方です。shack up が「暮らし始める」動作に重点を置くのに対し、こちらは暮らしている状態そのものを述べます。
cohabit
(同居する、同棲する)
cohabit は、書き言葉や改まった文脈で使う語です。会話で同じことを言うなら、shack up や move in together を選びます。
Note|「同棲する」を表す shack up・move in together・live together の温度差
日本語の「同棲する」は、特に評価を含まない中立的な言葉として使えます。ところが英語では、同じ意味を指す表現が複数あり、選ぶ言葉によって話し手の気持ちが変わって聞こえます。ここでは、shack up、move in together、live together の3つを、話し手の気持ちの混じり方で整理します。
move in together は、「一緒に住み始める」という動作を中立に述べる言い方です。丁寧な場面でも使え、話し手の評価は混じりません。live together は、「一緒に暮らしている」という状態を淡々と述べる言い方で、これも評価を含みません。
それに対して shack up は、同じ事実を砕けた言い方で述べる表現です。クレアの台詞でいえば、「大事な娘がろくでなしの彼氏と同棲する」という内容に、shack up という砕けた言葉を重ねることで、同居を快く思っていない気持ちが伝わります。もしここで move in together に置き換えると、同じ内容でも、事実を述べるだけの落ち着いた響きに変わります。
事実だけを述べたいなら move in together か live together、話し手の気持ちを混ぜたいなら shack up、と分けて考えると整理しやすくなります。日本語に訳すときも、中立な場面は「同棲する」「一緒に住む」、気持ちが混じる場面は「転がり込む」「住みついている」のように、言葉を選び分けると、原文の響きが伝わります。
まとめ|同棲の話題を、くだけた言葉で切り出す
shack up with someone は、特に結婚していない相手と一緒に暮らし始めることを、くだけた調子で言う表現です。同居の相手は with で添え、活用や代名詞の置き換えを受けて、shacking up with her のような形でも使えます。
中立に述べる move in together や live together との違いを押さえておくと、場面に合った温度の言い方を選べます。
ディランの滞在を認める流れの中で、クレアは「大事な娘」と「ろくでなしの彼氏」を並べ、フィルは自分の経験から理由を添えました。言葉の選び方ひとつで、同じ話題の温度が変わることを、この場面は見せてくれます。


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