海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第5話では、陪審員候補として裁判所へ行くグロリアに代わって、ジェイが息子ジョーのプレスクールで親のボランティアを務めます。慣れない場所で、ジェイは学校側の言葉づかいに何度も引っかかります。
「言っていることと、やっていることが違う」と感じたとき、英語ではどう切り返すのか。ジェイの皮肉まじりのひと言から、その言い回しを拾っていきます。
「That’s not the way it works」——決まりを持ち出されたとき
話は、グロリアがジェイに頼みごとをするところから始まります。
Gloria: You’re gonna have to take my place working at Joe’s school.
(ジョーの学校の当番、あなたに代わってもらうことになるわ。)Jay: I can’t do that.
(そりゃ無理だ。)Jay: I have a job.
(俺には仕事がある。)Gloria: Have Claire cover for you.
(クレアに代わってもらえばいいじゃない。)Gloria: She knows how to yell at people and read the newspaper.
(クレアなら人を怒鳴るのも新聞を読むのもお手のものよ。)Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)
I can’t do that. I have a job. は、理由を一言添えて断るシンプルな形です。グロリアの take my place(私の代わりを務める)は同じ回のフレーズ記事で詳しく扱っているので、ここでは触れるだけにします。cover for ~ も「〜の穴を埋める」という近い意味で使われます。
それでも食い下がるジェイに、グロリアは学校の方針を持ち出します。
Jay: What the hell’s wrong with that school? Aren’t we paying them so we don’t have to take care of our kid?
(あの学校はどうなってるんだ? 子どもの面倒を見なくて済むように、金を払ってるんじゃないのか?)Gloria: That’s not the way it works at The Learning Barn.
(ラーニング・バーンでは、そういうやり方じゃないの。)Gloria: You know that they want the parents to be involved so that they can bond with the kids.
(親に関わってもらって、子どもとの絆を深めてほしいのよ。知ってるでしょ。)Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)
ジェイの Aren’t we paying them so ~? は「〜のために払ってるんじゃないのか?」と、相手の前提を否定疑問で問い返す形です。否定疑問にすると「当然そうだろう」という不満がにじみ、言われた側は前提の説明を求められます。これに対するグロリアの That’s not the way it works. は「そういう仕組みではない」と、決まりや方針を持ち出して相手の思い込みを正す定番の形と言えます。この「決まりを示す側」の言葉が、後の場面では学校側からジェイに向けられます。
「playing fast and loose with that term」——言葉の使い方を突く
プレスクールに着いたジェイは、アシスタントのマーガレットを連れてきていました。作業を任せようとするジェイに、ボランティアの親を迎えるエリカが告げます。
Erica: This is not how it works with parent volunteers.
(保護者ボランティアは、そういうやり方ではありません。)Jay: You’re already playing fast and loose with that term “volunteer,” so what do you say?
(「ボランティア」って言葉は、もうそっちが好き勝手に使ってるだろ。で、どうだい?)Erica: As much as we don’t like to use the word “no”
(「だめ」という言葉は、なるべく使いたくないのですが)Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)
play fast and loose with ~ は「〜をいい加減に扱う、都合よく使う」という慣用表現です。ジェイは、親に参加を求めておきながら「ボランティア」と呼んでいる点を突き、それなら自分の代わりにアシスタントがやってもいいだろう、と持ちかけています。that term “volunteer” のように、相手が使った言葉を引用して指し示すと、どの言葉が問題なのかがはっきり伝わります。
エリカの As much as we don’t like to use the word “no” は「No とは言いたくないけれど」と、断る前にやわらかく前置きする形です。As much as I’d love to, ~(ぜひそうしたいところですが)と同じ組み立てで、後ろに断りの言葉が続きます。
結局、マーガレットを帰すよう促されます。
Erica: Jay, I know it’s a little scary, but you’re going to have to let her go.
(ジェイ、ちょっと怖いのはわかりますけど、彼女を帰してあげないと。)Jay: I don’t want her to go.
(帰したくないんだよ。)Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)
you’re going to have to ~ は「〜してもらうしかない」と、避けられないことを告げる言い方です。冒頭のグロリアの You’re gonna have to と同じ形が、ここでも使われているのが分かります。
「For a word you don’t use」——言ったことと違う、と返す
しばらくして、エリカはテーブルの置き場所についてジェイに頼みます。
Erica: Jay, will you please put the craft table over on the hemp rug? No.
(ジェイ、工作用のテーブルを麻のラグの上に置いてくれる? 違う。)Jay: For a word you don’t use, I’m sure hearing it a lot.
(使わない言葉のわりには、やけによく聞くな。)Modern Family Season7 Episode5 (The Verdict)
ジェイが拾ったのは、エリカの No. です。最初の場面で「No という言葉はなるべく使いたくない」と前置きしていた相手が、ここでは No と口にしています。その食い違いを、ジェイはすかさず指摘しています。
For a ~ you don’t use, … の for は「〜のわりには」という意味で、期待と実際のずれを示す働きをします。For someone who hates mornings, you’re up early.(朝が苦手なわりには、早起きだね。)のように、相手の言い分と行動が合わないときに使えます。I’m sure hearing it a lot の sure は「確かに、やけに」と強める副詞で、くだけた会話でよく使われます。
相手を真っ向から責めるのではなく、相手自身の言葉を持ち出して軽く返すところに、この言い方の使いやすさがあります。言葉を引き合いに出す点は前の場面の that term “volunteer” と共通しており、ジェイの皮肉が一貫しているのが見どころです。
まとめ|言葉と行動のズレを指摘する
That’s not the way it works で決まりを示され、playing fast and loose with that term で言葉の使い方を突き、For a word you don’t use で言動の食い違いを返す。相手の言葉を引き合いに出すと、角を立てすぎずにズレを伝えられることが読み取れます。
ジェイの皮肉を楽しみつつ、『モダンファミリー』の会話から使える言い回しを集めていきましょう。
裁判所での陪審員選任や法廷ことばが飛び交う家庭の話し合いは同じ回のほかのコラムで、take my place の使い方はフレーズ記事で扱っています。


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