海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン4第15話のジェイとグロリアは、家のベビープルーフの作業に立ち会う一方で、パーティーに招かれたマニーのことも気にかけています。過保護への不満と、子どもを案じる本音が同じ日に並ぶ回です。
心配していると認める言葉、守りきれないと受け止める言葉は、英語でも言い方がいくつかあります。2人の会話から、親の心配をめぐる表現を見ていきます。
「When did everybody get so overprotective?」と過保護への不満
ジョーのために家のあちこちを子ども向けに整える作業の日、ジェイはその道具を見てこう言います。
Jay: The human race has survived for a thousand years without these foam bumpers and–and gates everywhere.
(人類は千年もの間、こんなクッション材だの、そこらじゅうのゲートだのなしで生き延びてきたんだぞ。)Modern Family Season4 Episode15 (Heart Broken)
foam bumpers は家具の角などに付けるやわらかい緩衝材、gates は階段や部屋の入り口に付ける柵のことです。for a thousand years と大きな数字を持ち出すことで、「そんなものがなくても人間は困らなかった」という不満を大げさに言い表す一文です。ジェイは昔の自分の子育てを引き合いに出したあと、こう続けます。
Jay: When did everybody get so overprotective?
(いつからみんな、こんなに過保護になったんだ?)Modern Family Season4 Episode15 (Heart Broken)
overprotective は「守りすぎる、過保護な」という形容詞で、over- が「度を越した」を表します。When did ~ get so …? は、答えを求める質問というより「いつの間にこんなに〜になったのか」と変化を嘆く言い方です。get は状態の変化を表し、so は「こんなにも」と程度を強める語です。
この場面のジェイは、子どもを守る道具そのものに文句を言うところから始まります。ところがこのあと、マニーのことになると、ジェイのほうから「いたずらでは」という心配を持ち出します。同じ人物の言葉の向きが変わっていくのが、この回の見どころです。
- A: When did you get so serious?
(いつからそんなに真面目になったの?) - B: Since I started this job.
(この仕事を始めてからだよ。)
「Of course I worry.」と心配を認める言葉
マニーは、名前を明かさない相手からバレンタインのパーティーに招かれていました。ジェイがその話を持ち出すと、グロリアもすでに聞いていたことが分かります。
Jay: There was something about some kind of secret admirer getting him to
(なんでも、正体を明かさない誰かがあいつに……)Gloria: Bring his poems? Yeah, he told me when I was lint-rolling his jacket.
(詩を持ってこさせるって話? ええ、あの子のジャケットに粘着ローラーをかけてたときに聞いたわ。)Jay: And you’re not worried it’s a prank?
(いたずらじゃないかって心配じゃないのか?)Gloria: Of course I worry.
(もちろん心配よ。)Gloria: I worry about him all the time.
(あの子のことはいつだって心配してる。)Gloria: But like you said, we can’t protect them from everything.
(でも、あなたが言ったとおり、何もかもから守ってあげることはできないのよ。)Modern Family Season4 Episode15 (Heart Broken)
secret admirer は「名前を明かさずに好意を寄せる人」を指す語で、ここでは招待の差出人のことです。ジェイの And you’re not worried it’s a prank? は、be worried (that) ~ の that を省いた形で、「〜ではないかと心配じゃないのか」と相手の気持ちを確かめる聞き方です。文頭の And で、前の話を受けた問いだと分かります。
グロリアは Of course I worry. と、まず心配していることを認めます。続く I worry about him all the time. の worry about someone は「〜のことを心配する」、all the time は「いつも、四六時中」です。be worried が「今心配な状態」を表すのに対し、動詞の worry は心配するという行為そのものを言うので、日ごろの気持ちを語る文に合う形と言えます。
そのうえでグロリアは protect them from everything と、守ることの限界を口にします。protect A from B は「AをBから守る」の形です。
「can’t stop the world from hurting them」と守りきれなさ
グロリアの言葉を受けて、ジェイは親としての思いをこう言い表します。
Jay: That’s the hardest part, isn’t it? When you realize you can’t stop the world from hurting them.
(そこが一番つらいところだよな。世の中があいつらを傷つけるのを止められないと分かったときがさ。)Gloria: Now you’re making me want to cry.
(もう、泣きたくなっちゃうじゃない。)Gloria: This is not what this day is all about.
(今日はそういう日じゃないでしょ。)Jay: You’re right.
(そうだな。)Modern Family Season4 Episode15 (Heart Broken)
isn’t it? の付加疑問は、相手に同意を求めながら自分の実感を語る形です。stop A from ~ing は「Aが〜するのを止める」で、the world を主語のように置くことで、子どもを傷つけうるもの全部をひとまとめにした言い回しです。グロリアの protect them from everything と同じ内容を、ジェイが自分の言葉で言い直しているとも読み取れます。
make me want to cry は「泣きたい気持ちにさせる」です。This is not what this day is all about. の be all about ~ は「〜こそが肝心だ」で、バレンタインの日にしんみりした話はふさわしくない、と話を切り替える一言です。
その後、グロリアはマニーに声をかけます。
Gloria: Manny? No, nothing.
(マニー? ううん、何でもないの。)Gloria: Just wanted to know if everything is okay.
(ちょっと大丈夫か知りたかっただけ。)Modern Family Season4 Episode15 (Heart Broken)
Just wanted to ~ は I を省いたくだけた形で、「〜したかっただけ」と用件を軽く見せる言い方です。手放そうとしながらも様子を確かめずにいられない気持ちが伝わってきます。
まとめ|心配と手放すことのあいだ
overprotective への不満、Of course I worry. と worry about ~ all the time で認める心配、protect them from everything や stop the world from hurting them で語る守りきれなさ。親の気持ちの揺れが、短い会話の中に表れています。
ジェイとグロリアの会話を観ながら、家族を思う英語をこれからも拾っていきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、ミッチェルとキャメロンの家の騒動を別の角度から取り上げます。


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