海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。今回は『BONES』S5E6から、相手が意見を変えたり機嫌を直すのを待つ際に使えるネイティブ表現「come around」を紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ブレナンが心理学者のスイーツと会話しているシーンです。
親友のアンジェラと意見がぶつかり少しギクシャクしているブレナンに対して、スイーツがさりげなく様子を伺いますが、ブレナンは強がってこう返します。
Brennan: I don’t need a professional consultation, Sweets.
(ブレナン:専門家のカウンセリングなんて必要ないわ、スイーツ。)Sweets: Well, this is not that. This is just a friendly conversation.
(スイーツ:いや、そういうのじゃないですよ。ただの友人としての会話です。)Brennan: Angela will come around.
(ブレナン:アンジェラはそのうち機嫌を直すわ。)
Bones Season 5 Episode 6 (The Tough Man in the Tender Chicken)
シーン解説と心理考察
ブレナンとアンジェラは親友同士ですが、ある一件で冷戦状態になっています。
感情豊かで動物愛護に関心の強いアンジェラが、養鶏場から豚を救うための寄付をブレナンに求めたのですが、常に論理性を重んじるブレナンは「非合理的だ」としてそれを拒否してしまったのです。
心理学者のスイーツが二人の関係を心配して声をかけますが、ブレナンは「自分は間違っていない」「アンジェラの方がいずれ自分の正しさに気づいて、元の関係に戻るはずだ」と信じているため、このフレーズを使っています。
自分から素直に謝るのではなく、相手がぐるりと回って同調してくれるのを待つという表現に、ブレナン特有の不器用なプライドと、親友に対する根底の信頼感が凝縮されていて面白いですね。
フレーズの意味とニュアンス
come around
意味:(考えを改めて)意見を変える、機嫌を直す、同調する、(意識が)戻る
come(来る)と around(ぐるりと回って)の組み合わせからなるこのフレーズは、「ある場所からぐるりと回って自分のところへやって来る」という物理的な動きが基本のイメージです。
そこから派生して、心理的な距離があったり別の方向を向いていた相手が「ぐるりと回って自分と同じ意見のところへやって来る」、つまり「意見を変えて同調する」「折れて納得する」といった意味で使われるようになりました。
日常会話では、喧嘩や意見の対立があった後に、相手が「機嫌を直す」という文脈で非常によく登場します。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心的なニュアンスは、「時間をかけて徐々に、かつ自発的に変化する」という点にあります。
強制的に意見を変えさせられたり、誰かに論破されて仕方なく従ったりするのではなく、相手が自分自身で考え、時間をかけてゆっくりと歩み寄ってくるイメージです。
そのため、I will convince him.(彼を説得してみせる)というような直接的なアプローチではなく、He will come around eventually.(彼はそのうち考えを変えるよ=だから放っておいても大丈夫)というように、時間の経過に解決を委ねる態度を示す時にぴったりです。
また、気絶していた人が「意識を取り戻す」という意味でも使われますが、これも遠くへ行っていた意識が「ぐるりと回って元の場所(自分)に戻ってくる」という同じコアイメージから成り立っています。
一つの映像を頭に思い浮かべるだけで、複数の意味がスッと腑に落ちるはずです。
実際に使ってみよう!
Don’t worry, she will come around eventually.
(心配しないで、彼女もそのうち機嫌を直すよ。)
[解説]
友人や恋人と喧嘩をして落ち込んでいる人を慰める際の定番フレーズです。eventually(最終的には、そのうち)という単語と一緒に使われることが非常に多く、「今はまだ怒っているかもしれないけれど、時間が経てば自発的に分かってくれるよ」という温かい励ましのメッセージになります。
Give him some time. He’ll come around to our way of thinking.
(彼に少し時間をあげて。そのうち私たちの考えに同調してくれるさ。)
[解説]
ビジネスの会議やチームでの話し合いで、反対意見を持っている人に対するスタンスを表す時に使えます。to our way of thinking(私たちの考え方に)と付け加えることで、具体的に「どこへ」回ってくるのかを明確にできます。相手を無理やり従わせるのではなく、自発的な理解を待つという大人の余裕が感じられる表現です。
When I fainted, it took me a few minutes to come around.
(気絶した時、意識が戻るのに数分かかりました。)
[解説]
「意識を取り戻す」という意味での使い方です。夏の暑さで倒れてしまった時や、病院での状況説明など、身体的な状態の変化を伝える際に使われます。同じフレーズでも、文脈によって意味が物理的(意識)になるか心理的(意見)になるかを見極めるのがポイントです。
BONES流・覚え方のコツ
ブレナンが研究室の真ん中に腕を組んで立ち、少し離れたところでそっぽを向いて怒っているアンジェラが、時間をかけて大きな円を描きながら(around)、徐々にブレナンの元へ歩いてくる(come)様子を想像してみましょう。
「まぁ、そのうち私の方へ回ってくるわ」と自信満々に待っているブレナンの姿をイメージすると、相手が自発的に同調してくれるのを待つというニュアンスが直感的に掴みやすくなります。
似た表現・関連表現
change one’s mind
(意味:考えを変える、気が変わる)
[解説]
もっともシンプルで直接的に「意見や考えを変える」ことを表す表現です。come aroundが時間をかけてゆっくりと変わるニュアンスを持つのに対し、こちらは「さっきまでAだと言っていたのに、やっぱりBにする」というように、比較的急な心変わりや、単純な選択の変更(メニューを変えるなど)にも使われます。
give in
(意味:降参する、折れる、譲歩する)
[解説]
相手の意見に従うという結果は同じですが、「自分の意志に反して、圧力や説得に負けて仕方なく従う」というニュアンスが強く出ます。come aroundの持つ「自発的な歩み寄り」とは対照的に、言い争いに疲れて白旗を上げるようなネガティブな響きを含みます。
come to
(意味:意識を取り戻す、正気に戻る)
[解説]
come aroundの「意識を取り戻す」という意味と同義で使われる表現です。toの後ろに自分自身(oneself)が省略されていると考えると分かりやすく、「本来の自分の状態へ来る=正気に戻る」となります。医療ドラマやアクション映画で、倒れた人が目を覚ました瞬間に He is coming to!(意識が戻ったぞ!)と叫ぶシーンでよく耳にします。
深掘り知識:円の動きが表す英語の心理描写
aroundという単語が持つ「ぐるりと回る」「周囲を囲む」というコアイメージは、英語の様々な慣用句で心理的な変化や状況の転換を表すのに使われています。
たとえば、turn things aroundと言えば、悪い状況をぐるりと反転させて「好転させる」「立て直す」という意味になります。業績不振の会社を立て直す時や、スポーツの試合で逆転劇を演じる時などに非常によく使われる表現です。
また、boss someone aroundと言うと、誰かの周囲(around)をぐるぐる回りながらあれこれ指示を出す様子から、「〜をこき使う」「威張り散らす」という意味になります。口うるさい上司の動きが目に浮かぶようなユニークな表現ですね。
英語では、目に見えない「心」や「状況」の変化を、物理的な「動き」や「空間」の言葉を使って表現することがよくあります。今回のcome aroundも、心の距離がぐるりと回って近づいてくるという空間認識がベースになっています。
単語の文字面だけを丸暗記するのではなく、ネイティブが頭の中でどのような映像を描いているのかを想像しながら学んでいきましょう。空間的なイメージを意識すると、他の前置詞や副詞の使い分けも格段にスムーズになりますよ。
まとめ|焦らず相手のペースを尊重する表現
今回は『BONES』のワンシーンから、相手が意見を変えたり機嫌を直すのを待つ際に使えるフレーズ「come around」を紹介しました。
相手のペースを尊重し、時間をかけて歩み寄ってくれるのを信じるという、少し余裕のある素敵な表現です。人間関係の様々な場面でぜひ活用してみてくださいね。


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