海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン6第6話では、ハロウィンの衣装をめぐって、ジェイとグロリアが互いの言い分をぶつけ合います。毎回同じ役回りになることへの不満と、それに対する言い返し、そして後の場面でグロリアが口にする言葉の変化が見どころです。
「いつもこうだ」と言いたいとき、英語では every time や never がよく使われます。反対に「今回は違った」と認めるときの for once まで、夫婦の会話を順にたどります。
「You do this every time.」で繰り返しを指摘する
グロリアは自分の衣装を見せたあと、ジェイの役は怪物のシュレックだと告げます。ゴムのマスクは嫌だと渋るジェイに、グロリアはこう返します。
Gloria: You just need to paint your face green, and that’s it.
(顔を緑に塗るだけでいいのよ。)Manny: Ouch.
(うわ、きつい。)Jay: Yeah, ouch.
(ああ、きついな。)Jay: You do this every time.
(お前は毎回これだ。)Jay: You go as a princess.
(自分はお姫様になって、)Jay: I have to go as some freak.
(俺は化け物みたいな役をやらされる。)Jay: You’re beauty, I’m the beast.
(お前が美女で、俺が野獣だ。)Modern Family Season6 Episode6 (Halloween 3: AwesomeLand)
You do this every time. は「あなたは毎回これをする」と、同じことの繰り返しを指摘する言い方です。this が今まさに起きていることを指すため、目の前の出来事を過去の何度もの出来事とひとまとめにして責める響きになります。後ろに場面を足して You do this every time we go out.(出かけるたびに、毎回こうなんだから。)とすると、どんなときの繰り返しなのかがはっきりします。
続く You go as ~. I have to go as ~. は、相手と自分を並べて不公平さを際立たせる組み立てです。go as ~ は「〜の仮装で行く」という意味で、ハロウィンの会話によく出てきます。最後の You’re beauty, I’m the beast. も同じ対比を短く言い直したもので、主語を入れ替えるだけで差がはっきり伝わります。
マニーの Ouch. は、相手の言葉が痛いところを突いたときの反応です。ジェイも Yeah, ouch. と同じ言葉で受け、そこから不満を一気に並べていきます。
「you never want to ~, so ~」で言い返す
ジェイの不満を受けて、グロリアは自分の言い分を返します。
Gloria: Well, you never want to go shopping with me for costumes, so I get what I want, and you are what comes with it.
(だって、あなたは私と衣装を買いに行きたがったことがないでしょ。だから私は好きなものを選んで、あなたはそれに付いてくるおまけなの。)Modern Family Season6 Episode6 (Halloween 3: AwesomeLand)
you never want to ~ は「あなたは一度も〜したがらない」と、相手の習慣を指摘する形です。ジェイの every time に対して、グロリアは never で原因は相手の側にあると切り返しています。続く so で結果をつなげ、「だからこうなる」と筋道を示すのが特徴です。
you are what comes with it は「あなたはそれに付いてくるもの」という意味です。come with ~ は「〜に付いてくる」「〜とセットになっている」という言い方で、The steak comes with salad.(ステーキにはサラダが付きます。)のように、料理や商品の説明でも使われます。衣装の主役は自分で、ジェイは付属品という、ユーモアを込めた言い切りと言えます。
ただし、every time や never は誇張を含むため、実際の会話では相手を強く責める響きになりやすい言葉です。角を立てたくない場面では、It feels like this happens a lot.(これ、よくある気がするんだけど。)のように和らげる言い方もあります。
「For once」で相手の変化を認める
後の場面で、グロリアはこの日のジェイの様子をこう振り返ります。
Gloria: You went out and bought costumes for all of us, you were singing.
(あなたは出かけて行って私たちみんなの衣装を買ってきたし、歌まで歌ってたじゃない。)Gloria: For once, you were not like, “I don’t want to do this.
(今回ばかりは、「こんなことやりたくない」って感じじゃなかった。)Gloria: I just want to sit at home, watch golf, and eat my 10-layer dip.”
(「家でゴルフを観て、10層のディップを食べてたいだけだ」ってね。)Jay: Just five.
(5層だ。)Jay: Five layers.
(5層までだよ。)Gloria: One layer is enough, Jay.
(1層で十分よ、ジェイ。)Gloria: I loved that you were having fun with us.
(あなたが私たちと楽しんでくれてたのが、うれしかったの。)Modern Family Season6 Episode6 (Halloween 3: AwesomeLand)
For once は「今回ばかりは」「珍しく」という意味で、いつもとは違う出来事を取り上げるときに使います。ここでは、ふだんのジェイの口ぐせを you were not like, “~” の形で再現し、「今回はそうじゃなかった」と認めるのが、この一言の働きです。be like は人の言い方や態度をまねて伝える口語表現で、くだけた会話で使われることが多い形です。
ジェイは中身ではなく層の数だけを訂正し、グロリアは One layer is enough と返してから本題に戻ります。締めくくりの I loved that you were ~ing は、相手のどんな様子がうれしかったのかを具体的に伝える言い方です。that の後ろには文がそのまま入るため、I loved that you came to see me.(会いに来てくれたのがうれしかった。)のように、相手の行動を一つ挙げるだけで気持ちが伝わります。
なお、For once, you’re on time.(珍しく時間どおりだね。)のように言うと、「いつもは遅い」という皮肉に聞こえることもあります。この場面のように、喜んだ気持ちを続けて伝えると、ほめ言葉として受け取られやすくなります。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| You do this every time. | 繰り返しを指摘する |
| You never want to ~ | 相手の習慣を挙げて言い返す |
| For once, ~ | いつもと違う変化を認める |
| I loved that you were ~ing | うれしかった様子を伝える |
まとめ|不満と承認を伝える頻度の言葉
every time で繰り返しへの不満を伝え、never で言い返し、For once と I loved that ~ で相手の変化を認める。頻度を表す言葉ひとつで、責める言葉にも、ほめる言葉にもなることが、ジェイとグロリアの会話から読み取れます。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、英語の言い回しを見つけていきましょう。
仮装をめぐる supposed to の使い分けや、クレアのハロウィンへのこだわりは、同じ回のほかのコラムで、表現ごとの使い方はフレーズ記事で扱っています。


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