「That was a knife to the heart.」に見る、子どもの門出を喜びながら寂しがる親の英語表現|『モダンファミリー』S04E02で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「That was a knife to the heart.」に見る、子どもの門出を喜びながら寂しがる親の英語表現|『モダンファミリー』S04E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン4第2話では、ヘイリーが大学へ、リリーが幼稚園へと、2人の子どもが同じころに新しい一歩を踏み出します。送り出す親たちの言葉には、誇らしさと寂しさが入りまじり、同じ出来事でも人によって受け止め方が違うことが見えてきます。

今回は、門出を祝う言い方、寂しさを認めつつ気丈にふるまう言い方、そして子どもにあっさり離れられた親の大げさな比喩を、場面の順に見ていきます。

目次

「a big day for both of them」と門出を祝う言葉

ヘイリーの大学への出発を前に、家族が集まった場で乾杯が行われます。ヘイリーへの乾杯に続けて、ミッチェルがリリーの話を持ち出します。

Mitchell: And before everyone puts their glasses down, uh, uh, we’re also very proud of Lily.
(それから、みんながグラスを置く前に、えっと、僕たちはリリーのこともすごく誇りに思ってるんだ。)

Mitchell: Tomorrow is her first day of kindergarten.
(明日は幼稚園の初日なんだよ。)

Modern Family Season4 Episode2 (Schooled)

be proud of ~ は「〜を誇りに思う」という意味で、also を入れることで、ヘイリーへの祝福に自分たちの娘の話を重ねる形になっています。before everyone puts their glasses down(みんながグラスを置く前に)と前置きして、乾杯の流れを止めずに話を足しているのもポイントです。first day of ~ は、学校や仕事の「初日」を言うときの基本の形です。

  • A: Tomorrow is my first day of work.
    (明日は仕事の初日なんだ。)
  • B: We’re so proud of you!
    (本当に誇りに思うよ!)

ヘイリーへの乾杯の途中でリリーの話になったことにクレアが不満を漏らすと、2人はこう言い合います。

Mitchell: Oh, come on.
(ちょっと、よしてよ。)

Mitchell: It’s– it’s a big day for both of them.
(2人にとって、大事な日なんだから。)

Claire: Huh? Haley going to college is a miracle.
(は? ヘイリーが大学に行くのは奇跡なのよ。)

Claire: Lily going to kindergarten is the law.
(リリーが幼稚園に行くのは、法律で決まってること。)

Modern Family Season4 Episode2 (Schooled)

a big day は「特別な日、大事な日」を表す定番の言い方で、for both of them と添えて2人の門出を並べています。クレアの返しは、大学進学を「奇跡」、幼稚園を「法律で決まっていること」と対比させた、きょうだいらしい冗談です。極端な対比によって、ヘイリーの門出の大きさを際立たせています。

「I’m gonna be okay」と「Not me」

ヘイリーとの別れを前に、クレアとフィルはそれぞれの気持ちをこう語ります。

Claire: Yes, I am sad Haley is leaving, but I’m gonna be okay knowing I’ve done everything I can to get her set up and prepared and off on the right foot.
(ええ、ヘイリーが出ていくのは寂しい。でも、あの子の準備を整えて、いいスタートを切らせるためにできることは全部やったと分かってるから、私は大丈夫。)

Phil: Not me.
(俺は違う。)

Phil: When we’re standing in her dorm room saying good-bye, it’s gonna be one of the most emotional moments of my life.
(寮の部屋でさよならを言うときは、人生で一番感動的な瞬間のひとつになるよ。)

Modern Family Season4 Episode2 (Schooled)

I am sad ~, but I’m gonna be okay は、寂しさを先に認めてから「それでも大丈夫」と続ける形です。気持ちを否定せずに気丈さを示せるので、別れの場面で使いやすい組み立てと言えます。off on the right foot は、get off on the right foot(幸先のよいスタートを切る)の一部で、足の運びにたとえた言い回しです。

フィルの Not me. は「自分は違う」と、クレアの I’m gonna be okay に正反対の答えを返す一言です。one of the most ~ moments of my life は「人生で最も〜な瞬間のひとつ」で、これから来る別れの大きさを先に語っています。同じ出来事を前にした2人の受け止め方の違いが見どころです。

  • A: How do you feel about your son moving out?
    (息子さんが家を出ること、どう感じてる?)
  • B: I’m sad, but I’m gonna be okay.
    (寂しいけど、大丈夫よ。)

「a knife to the heart」とリリーの幼稚園初日

一方、ミッチェルとキャメロンはリリーを幼稚園に送り出します。ミッチェルは、リリーにこう話しかけます。

Mitchell: Look how much fun you’re gonna have here, Lily.
(見てごらん、リリー、ここで楽しいことがいっぱいあるよ。)

Mitchell: So many great toys to play with, and you’re gonna make so many new friends.
(遊べるおもちゃもたくさんあるし、新しい友達もいっぱいできるよ。)

Mitchell: Oh, I wish I was in kindergarten again.
(ああ、僕も幼稚園にもう一度通いたいなあ。)

Modern Family Season4 Episode2 (Schooled)

I wish I was ~ again. は「もう一度〜だったらいいのに」と、かなわない願いを表す仮定の形です。新しい環境の楽しさを並べたあとに自分の願いを添える、送り出す側らしい声かけです。

やがて保護者に、12時にまた会いましょうと声がかかり、校長がひと言添えます。

Principal: This is when the crying starts.
(泣き出すのはここからですよ。)

Modern Family Season4 Episode2 (Schooled)

This is when ~ starts. は「〜が始まるのはここからだ」と、これから起きることを予告する言い方です。この言葉を受けて、ミッチェルとキャメロンのやりとりが続きます。

Mitchell: Does it ever stop? Come on, Cam.
(いつか止まるの? さあ、キャム。)

Cameron: Okay.
(よし。)

Cameron: You know what, Lily, sweetie? I know this is gonna be difficult–
(ねえ、リリー。これがつらいのは分かってるけど――)

Lily: Bye!
(バイバイ!)

Cameron: Okay.
(そっか。)

Cameron: That was a knife to the heart.
(今のは胸にナイフが刺さったよ。)

Modern Family Season4 Episode2 (Schooled)

校長の言う crying と、ミッチェルの Does it ever stop? の返しからは、泣くのは子どもより親のほうだという掛け合いが読み取れます。キャメロンが別れの言葉を言い終える前に、リリーは Bye! と先にあいさつを済ませてしまいます。

a knife to the heart は「心臓にナイフ」、つまり胸をえぐられるほどつらいという大げさな比喩です。あっさり離れていったリリーへの寂しさを誇張した、キャメロンらしい言い方と言えます。

まとめ|誇らしさと寂しさを表す言葉

we’re also very proud of や a big day で門出を祝い、I am sad, but I’m gonna be okay で寂しさと気丈さを並べ、a knife to the heart で寂しさを大げさに表す。親たちの言葉から、門出の日の複雑な気持ちが見えてきます。

子どもたちの新生活とともに、『モダンファミリー』の家族の英語をこれからも味わっていきましょう。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、ヘイリーとの別れの会話や育児教室をめぐる場面も扱っています。

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