海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第5話から、相手の愚痴に「うちもそう」と共感するときの英語を取り上げます。エイミーへの不満を並べるシェルドンに、ペニーが車の中やアイスクリーム店で付き合う場面です。
聞き返し、同調し、深刻さを和らげ、最後に本音を尋ねる。愚痴の聞き役に回ったときに使える英語が順番に出てくる流れを、場面ごとに見ていきます。
聞き返しから「too」と「So does ~.」の同調へ
ペニーの車の中で、シェルドンはエイミーへの不満を切り出します。自分は一緒に暮らしにくいと責められがちだが、エイミーも just as challenging(同じくらい手ごわい)だ、という言い分です。ペニーの最初の反応は、同意ではなく聞き返しでした。
Penny: Just as challenging?
(同じくらい手ごわい?)Sheldon: Yes.
(そうだ。)Penny: As you?
(あなたと?)Sheldon: Yes.
(そうだ。)Penny: Just as challenging as you?
(あなたと同じくらい手ごわいって?)TBBT Season10 Episode05
相手の言葉をそのまま繰り返して語尾を上げると、「本当にそう言った?」という驚きや疑いを示す聞き返しになります。ペニーは1回目で相手の言葉を、2回目で比較の対象を、3回目で両方をつなげて聞き返しており、段階を追って信じがたさが強まる組み立てです。
この聞き返しは、疑問文を作り直す必要がないのが利点です。You’re moving to Paris? のように相手の文を平叙文のまま上げ調子で返すだけで、驚きが伝わります。ただし、言い方によっては相手の発言を疑う響きが強く出るため、遠慮のいらない親しい相手との会話のほうが使いやすい返し方と言えます。
続いてシェルドンが、寝ているときにエイミーの息がかかるという不満を口にします。ここからペニーの返し方が変わります。
Penny: Leonard breathes on me, too. It’s not a big deal.
(レナードの息も私にかかるよ。大したことじゃないって。)Sheldon: She’s always complaining about people at work.
(彼女は職場の人たちの愚痴ばかり言っている。)Penny: Well, so does Leonard. It’s kind of annoying, but it’s not the end of the world.
(まあ、レナードもそうよ。ちょっとうっとうしいけど、この世の終わりってわけじゃないし。)TBBT Season10 Episode05
ペニーは「〜もそう」を2通りの形で返しています。1つ目は文末に too を置く形で、相手と同じ内容を自分側の主語で言い直します。2つ目の So does + 主語 は、相手の肯定文を受けて「〜もそうだ」と返す倒置の形です。自分のことなら So do I.、否定文を受けるなら Neither does he. のように変わる点も押さえておきたいところです。
深刻さを下げてから本音を尋ねる
ペニーの返しには、同調と同時に、不満の重さを下げる言葉が添えられています。It’s not a big deal. は「大したことじゃない」、it’s not the end of the world は「この世の終わりではない」で、どちらも「気にするほどではない」と相手をなだめる働きをします。
2つ目の返しにある It’s kind of annoying, but ~ にも注目です。「ちょっとうっとうしい」と不満を一度認めてから、but以下で受け流しており、相手の気持ちを否定せずに軽くする型になっています。
別の車内の場面では、ペニーのほうからレナードの鼻の音を話題にし、I swear(ほんとに)と誇張を添えて語ります。シェルドンが音の高さを指摘すると、ペニーもその話に乗っていきます。愚痴の聞き役だったペニーが、自分の側の話を出して会話を続ける流れが分かります。
アイスクリーム店の場面では、店で誰かと出会おうとしているシェルドンに、ペニーが問いかけます。
Penny: Is it possible you might not actually want to meet someone?
(本当は誰かと出会いたいわけじゃない、ってことはない?)TBBT Season10 Episode05
Is it possible ~? は、指摘を可能性の形にやわらげて差し出す聞き方です。シェルドンはペニーを賢明だと認め、ペニーはこのあと、もう一歩踏み込みます。
Penny: All right. Come on. What is really going on with you?
(わかった。ねえ。本当は何があったの?)TBBT Season10 Episode05
What is really going on with you? の really が、表に出ている愚痴の奥を尋ねる合図になっています。What’s going on with you? だけなら「どうしたの?」という気軽な問いですが、really が入ることで「本当の理由は何?」と一段深く聞く問いに変わります。
まとめ|同調・緩和・問いかけの順に返す
今回は、聞き返しのJust as challenging as you?、同調の~, too.とSo does ~.、緩和のIt’s not a big deal.、本音を尋ねるWhat is really going on with you?を見てきました。愚痴を聞く側に回ったときの英語がひとそろい見えてきます。
ドライブとアイスクリームに付き合うペニーの聞き役ぶりを観ながら、返し方の順序をたどるのも楽しみ方のひとつです。
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