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『モダンファミリー』シーズン8第16話では、ジェイの会社を率いるクレアが、問題のある木材を仕入れてしまったことを父に知られまいと奔走します。一方のジェイは、幼いジョーが自分を怖がらないことを気にしています。
ミスを隠したい側と、それに気づく側。ごまかしの一言から「さあ叱って」と観念する言い方まで、二人のやり取りには、場面ごとに使い分けたい英語がそろっています。
「Please don’t tell Mama」で始まる、知られたくない気持ち
ジェイの筋は、ジョーの小さな失敗から始まります。
Joe: I spilled juice on the rug.
(ラグにジュースこぼしちゃった。)Joe: Please don’t tell Mama.
(ママには言わないで。)Jay: Don’t tell Mama?
(ママには言うな、だと?)Jay: What about, “Don’t tell Papa?” A boy is supposed to fear his father.
(「パパには言わないで」じゃないのか? 男の子ってのは父親を怖がるもんだ。)Modern Family Season8 Episode16 (Basketball)
Please don’t tell ~. は、失敗を誰かに知られたくないときの頼み方として最も素直な形です。ジョーが口止めしたのはママで、目の前のジェイには自分から打ち明けています。ジェイはその点に引っかかり、「パパには言わないで」ではないのかと問い返します。
be supposed to ~ は「本来〜するはずだ、〜するものだ」と、あるべき姿を語るときの言い方です。ジェイの言葉からは、父親とは怖がられる存在だという考えが読み取れます。この考えが、このあとの職場の場面にもつながっていきます。
クレアの側にも、知られたくない事情があります。会社で仕入れた木材に問題があると分かり、クレアは I knew that deal was too good to be true.(うますぎる話だと思ってた)と悔やみます。too good to be true は「話がうますぎて信じられない」という意味で、あとから「やっぱり怪しかった」と振り返るときにもよく使われます。
会社では、アシスタントのベンと一緒に問題の木材を使ったクローゼットを回収しており、10件中9件まで済んで残りは1件です。クレアはこの件を、ジェイに知られる前に片づけようとします。
「Could you have rolled over any faster?」と口を割った相手を責める
ジェイは、ジョーに怖いボスの顔を見せようと、ジョーを会社に連れて来ます。クレアにそう説明したうえで、ジェイはベンに話しかけます。
Jay: Ben, how dumb do you think I am?
(ベン、俺をどれだけバカだと思ってる?)Ben: You found out?
(気づいてたんですか?)Jay: Of course I found out.
(当たり前だ。)Jay: I know everything.
(全部お見通しだ。)Ben: It was her idea!
(彼女の考えなんです!)Claire: Ben!
(ベン!)Modern Family Season8 Episode16 (Basketball)
How dumb do you think I am? は「俺をどれだけバカだと思っているんだ」と、相手のごまかしを見抜いたと示すときの決まり文句です。You found out? は「バレたんですか」にあたる反応で、言った瞬間に隠しごとがあると認めてしまいます。続けて It was her idea! と人に押しつけるベンに、クレアは Ben! と名前を呼びます。
ところが、ジェイは実際には何も知りませんでした。その後、クレアはベンにこう言います。
Claire: Could you have rolled over any faster? My dad didn’t know anything.
(あれ以上早く白状できた? 父は何も知らなかったのよ。)Claire: That was just a big act for his kid.
(あれは子どもに見せるための、ただの大芝居。)Ben: Yeah, I know.
(ええ、分かってます。)Modern Family Season8 Episode16 (Basketball)
roll over は、犬がおなかを見せて転がる動作から「あっさり屈する、すぐに白状する」という意味でも使われます。Could you have ~ any faster? は「これ以上早く〜できたか」と問う形の皮肉で、実際には「早すぎる」と責めています。ジョーのための芝居に、ミスを隠していた側がまんまと引っかかった構図が分かります。
「let me have it」で叱られる覚悟を伝える
ジェイはやがて、クレアが問題の木材の件を隠そうとしていると見抜きます。その後、ジェイは手が濡れているクレアに理由を尋ねます。
Jay: Hey, kiddo, why’s your hand wet?
(おい、なんで手が濡れてるんだ?)Claire: It’s not.
(濡れてない。)Claire: It’s sweaty.
(汗よ。)Claire: I went to the gym this morning.
(今朝ジムに行ったの。)Claire: Fridays, I do legs and hands.
(金曜は脚と手の日なの。)Modern Family Season8 Episode16 (Basketball)
It’s not. でまず否定し、It’s sweaty. と言い直してから理由を足していく流れは、その場しのぎの説明が重なっていく典型と言えます。
このあとクレアは、魚の入った水を飲んでしまいます。ジェイは You’re so afraid of getting caught screwing up(しくじったのがバレるのがそんなに怖いのか)と驚きます。get caught ~ing は「〜しているところを見つかる」、screw up は「しくじる」のくだけた言い方です。観念したクレアの言葉が続きます。
Claire: So, go ahead, let me have it.
(さあ、どうぞ、思いきり叱って。)Claire: Tear my head off.
(こてんぱんに言っていいから。)Claire: Tell me how I’ve disappointed you yet again.
(また私にがっかりしたって言えばいい。)Claire: And what is happening?
(……で、これは何?)Jay: All day long I’ve been trying to get Joe to fear me.
(一日中、ジョーに怖がられようとしてたんだ。)Jay: Maybe that’s not the best thing for kids.
(子どもにはそれが一番いいってわけじゃないのかもな。)Modern Family Season8 Episode16 (Basketball)
let 人 have it は「人を思いきり叱る、やっつける」という意味の口語です。go ahead と組み合わせると、「どうぞ遠慮なく」と自分から叱責を促す言い方になります。tear one’s head off は「頭を引きちぎる」という誇張で、激しく怒ることを表します。yet again は「またしても」で、これが初めてではないという気持ちを添えます。
予想していた叱責の代わりに返ってきたのは、ジェイの Maybe that’s not the best thing for kids. でした。Maybe ~ not the best thing は、自分の考えをやわらかく改めるときに使える形です。ミスを隠そうとしたクレアの姿と、ジョーに怖がられたかったジェイの考えが、この一言で結びつくのが見どころです。
まとめ|ごまかしと観念の英語
口止めの Please don’t tell ~、白状した相手を責める Could you have rolled over any faster?、その場しのぎの It’s sweaty.、そして叱責を促す let me have it と Tear my head off.。ミスを隠す側の英語が一通りそろった回と言えます。
叱る側の一言で空気が変わる瞬間にも注目しながら、『モダンファミリー』の家族の会話を楽しんでいきましょう。
同じ回のほかのコラムでは雪辱に挑むフィルの英語や学校のチャリティー試合の文化を、フレーズ記事では個々の言い回しを取り上げています。


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