海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン6第14話で、ミッチェルとキャメロンはアンダースたちへの結婚祝いに一枚の絵を選びます。ところが、その絵を2人自身がすっかり気に入ってしまっていたのが悩みの種です。
贈り物を渡すときの英語は「This is for you.」で終わりがちですが、この回には選んだ理由の添え方や、手放す惜しさを短く言い合う言葉がそろっています。贈る側の言葉を順に見ていきます。
「something really special」——贈る理由を一文で伝える
ミッチェルは、友人が去年のバレンタインデーに結婚したことに触れ、we wanted to get them something really special(何か本当に特別なものを贈りたかった)と話します。続けてキャメロンが品の説明をし、最後にミッチェルがひと言で締めくくります。
Cameron: We found this exquisite little painting
(すごく素敵な小さな絵を見つけてね)— Oh.
(ああ。)Cameron: Of a winery in Napa that we all visited last year.
(去年みんなで行ったナパのワイナリーの絵なんだ。)Cameron: It was a bit pricey but they’re really judgey and we knew they’d love it.
(ちょっと値は張ったけど、あの2人は評価が厳しいし、絶対に気に入るって分かってたんだ。)Mitchell: The problem is, so did we.
(問題は、僕たちも気に入っちゃったってことなんだ。)Modern Family Season6 Episode14 (Valentine’s Day 4: Twisted Sister)
get + 人 + something + 形容詞 は「人に〜なものを買ってあげる」という形で、something really special は品物を特定せずに「特別なもの」と気持ちの方向だけを示します。贈り物を選ぶ前の段階でも使えるのが便利な点です。I want to get her something nice for her birthday.(誕生日に何かいいものを買ってあげたい。)のように、品物が決まっていなくても目的を先に伝えられます。
キャメロンの説明は、We found ~ で出会いを語り、of a winery ~ that we all visited で思い出とのつながりを添えています。続く It was a bit pricey but ~ は「少し高かったけど」と値段に軽く触れてから、理由を後半に置く組み立てです。we knew they’d love it は過去の時点での確信を表し、「きっと喜ぶと思った」という選んだ決め手になっています。
最後の so did we は「私たちもそうだった」を表す倒置で、ここでは直前の love it を受けて「僕たちも気に入った」を表します。贈る理由の説明が、そのまま悩みの告白に変わる一言です。
語彙の面では、exquisite が「この上なく美しい」「精巧な」という強いほめ言葉で、pricey は expensive よりくだけた「値の張る」です。judgey は「何かと批判的な」という口語で、相手の目の厳しさを踏まえて選んだことが伝わります。
「That was hard.」「So hard.」——手放す惜しさを短く言い合う
絵を贈る日、ミッチェルが「別の部屋に」と品を託したあと、2人は短くこう言い合います。
Mitchell: Oh, and here’s something you can put in the other room.
(あ、それとこれ、別の部屋に置いといて。)Cameron: That was hard.
(つらかったな。)Mitchell: So hard.
(ほんとにね。)Modern Family Season6 Episode14 (Valentine’s Day 4: Twisted Sister)
here’s something you can ~ は「〜できるものをどうぞ」という差し出し方で、中身を言わずに軽く渡す響きがあります。直後の2人のやりとりと並べると、軽い言い方と気持ちの重さの差が際立つ場面です。
That was hard. の hard は「難しい」だけでなく「つらい」「こたえる」という気持ちを表します。相手の So hard. は主語と動詞を省いて強調語だけを返す形で、「本当にね」と同じ気持ちを共有する返事になっています。長い説明をせず、二語のやりとりで惜しさが伝わるのが見どころです。
時制にも注目すると、That was hard. は過去形で、手放すという行為がもう済んだことを示しています。最中なら This is hard.(これはつらい)となり、済んだ直後に振り返る言い方との違いがはっきりします。相手の言葉をそのまま強めて返す形は、That was close. に So close. と返すように、ほかの場面でも使えます。
自分の話に置き換えるなら、Giving it away was hard.(手放すのはつらかった。)と言えば、何がつらかったのかをはっきりさせられます。
この結婚祝いは、友人たちの結婚から1年たってからの贈り物でもあります。後に包みが開けられる場面では、こんな言葉も添えられます。
— I’m sorry it’s so late.
(遅くなってごめんね。)— We just wanted to get you something that you would really cherish.
(本当に大事にしてもらえるものを贈りたかっただけなんだ。)Modern Family Season6 Episode14 (Valentine’s Day 4: Twisted Sister)
ここでも get + 人 + something の形が使われ、冒頭の something really special が「相手が大切にしてくれるもの」と言い換えられています。ただ、このとき開けられた包みの中身が思わぬ品だったことが、この後で分かります。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| get them something really special | 贈る目的を伝える |
| It was a bit pricey but ~ | 値段に触れつつ理由を添える |
| The problem is, so did we. | 自分たちも気に入ったと明かす |
| That was hard. / So hard. | 手放す惜しさを言い合う |
まとめ|贈る理由と手放す惜しさ
something really special や we knew they’d love it で選んだ理由を添え、so did we や That was hard. で惜しさを打ち明けます。贈り物ひとつにも、渡す前と渡した後でこれだけの言葉が使い分けられていることが分かります。
『モダンファミリー』を観ながら、贈る側の言葉にも耳を傾けてみると発見が増えそうです。
取り違えの経緯や役目の押し付け合いは同じ回のほかのコラムで、一つひとつの表現はフレーズ記事でも扱っています。


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